2025-10-22 商標登録の費用を徹底解説|総額・相場から専門家選びのポイントまで
作成日: 2025年10月22日
事業を始め、自社のブランドや商品、サービスの名前を守る「商標登録」。いざ検討してみると、「一体いくらかかるんだろう?」と費用面が気になる方も多いのではないでしょうか。
もしご自身で手続きをすべて行う場合、最低でも約4.5万円は見ておく必要があります。これは国(特許庁)に支払う手数料(印紙代)だけの金額です。もし、商標のプロである弁理士に依頼するなら、その手数料がプラスされ、総額は10万円前後からというのが一般的です。
この費用は、守りたい事業の範囲(これを「区分」と呼びます)によって変わってきます。この記事では、商標登録にかかる費用の内訳から、専門家選びのポイント、賢くコストを抑える方法まで、中小企業の経営者や個人事業主の方が知っておくべき情報をわかりやすく解説します。
商標登録にかかる費用の全体像
商標登録の費用は、一見すると少し複雑に感じるかもしれませんが、基本は2つの要素で成り立っています。
- 特許庁費用(印紙代): 国に納める公式な手数料です。ご自身で手続きしても、専門家に頼んでも、必ずかかってくる費用です。
- 専門家(弁理士)への報酬: 複雑な手続きを弁理士にお願いする場合に発生する費用です。事務所ごとに料金体系は異なります。
この2つを足したものが、商標登録にかかるトータルの費用となります。
費用の鍵を握る「区分」とは?
商標登録の費用を考える上で、絶対に外せないのが「区分(くぶん)」という考え方です。
区分とは、簡単に言えば「その商標をどんな商品やサービスで使いますか?」という事業のカテゴリーのこと。国際的なルールで第1類から第45類まで細かく分類されています。
【具体例】オリジナルブレンドのコーヒー豆を販売するカフェの場合
- コーヒー豆の販売 → 第30類(コーヒー、茶など)
- 店内で使うオリジナルマグカップの販売 → 第21類(食器類など)
- オンラインでのコーヒー教室の開催 → 第41類(教育、セミナーの企画・運営など)
このケースでは、3つの異なる事業カテゴリーでブランドを守りたいため、3区分での登録を検討することになります。
当然ながら、区分数が多くなればなるほど、保護される権利の範囲は広がりますが、それに比例して特許庁に支払う費用も高くなります。
区分数で見る商標登録費用の目安(10年登録の場合)
では、区分数によって費用が具体的にどう変わるのか、表で見てみましょう。ご自身で手続きする場合の特許庁費用と、弁理士に依頼した場合の一般的な総額を比較します。
| 区分数 | 特許庁費用(印紙代) | 弁理士報酬の目安 | 総額の目安 |
|---|---|---|---|
| 1区分 | 44,900円 | 50,000円〜 | 94,900円〜 |
| 2区分 | 77,800円 | 70,000円〜 | 147,800円〜 |
| 3区分 | 110,700円 | 90,000円〜 | 200,700円〜 |
※弁理士報酬は事務所によって大きく異なるため、あくまで一般的な目安です。
表を見ると、区分が増えるごとに費用が加算されていくのがわかります。ご自身の事業で、どの範囲まで権利を確保しておきたいのかを明確にすることが、コストを考える上での第一歩です。
最低限かかる費用をシミュレーション
もう少し具体的に、特許庁に支払う費用の内訳を見てみましょう。商標登録は、「出願」と「登録」の2段階で費用が発生します。
- 出願料: 特許庁に「この商標を使いたいです」と申請する際にかかる費用。
- 登録料: 審査をクリアし、正式に権利として認められる段階で支払う費用。
【1区分の場合の最低費用】
- 出願料: 12,000円
- 登録料(10年分): 32,900円
- 合計: 44,900円
これが、自分で手続きした場合の最低限のコストです。2区分になると登録料が倍になり、総額は77,800円…というように、区分が増えるごとに費用が積み重なります。商標登録の手数料に関する公式情報は、特許庁の公式サイトでも確認できます。
「自分の事業だと、どの区分を選べばいいんだろう?」「手続きが複雑そうで不安…」と感じるなら、専門家である弁理士に相談するのが賢明です。P4 MARKETのようなプラットフォームを使えば、商標に詳しい専門家にオンラインで気軽に相談し、自社のケースに合った費用の見積もりや、登録戦略について具体的なアドバイスをもらうことができます。
自分で出願する? 弁理士に頼む? 費用とリスクで考えるベストな選択
商標登録を考え始めると、「自分でできるのか、それとも専門家に頼むべきか」という疑問にぶつかります。この選択は、単にかかる費用だけでなく、登録の成功率や将来の事業リスクにも関わる重要な分岐点です。
自分で出願する場合のメリットとデメリット
最大のメリットは、弁理士報酬がかからないことです。特に、立ち上げたばかりのスタートアップや個人事業主の方にとって、数万円のコスト削減は大きいでしょう。
一方で、商標登録の手続きは専門的です。書類の不備や事前の調査不足が原因で、特許庁から「このままでは登録できません(拒絶理由通知)」という通知が届くことは珍しくありません。
この「拒絶」が大きなリスクです。そうなると、それまでかけた費用も時間も無駄になり、再度申請し直す必要があります。その間に他社に似た名前を登録されてしまえば、最悪の場合、大切に育ててきたブランド名を変えなければならない事態にもなりかねません。
自分で手続きをする場合は、こうしたリスクを理解した上で、慎重に進める必要があります。
弁理士に依頼する場合のメリットとデメリット
弁理士に依頼すると報酬はかかりますが、それを上回るメリットがあります。
- 登録の成功率が格段に上がる: 専門的な調査と書類作成で、「拒絶」のリスクを最小限に抑えます。
- 時間と手間を節約できる: 複雑な手続きや特許庁とのやり取りはすべて任せ、本業に集中できます。
- ビジネスを守る「強い権利」が取れる: 将来の事業展開まで見据えた、最適な区分や権利範囲を提案してくれます。
デメリットは費用面ですが、これは単なる「手数料」ではなく、自社のブランドという大切な資産を守るための「投資」と考えることができます。
【チェックリスト】どちらを選ぶべき?
ご自身の状況に合わせて、最適な選択肢を考えてみましょう。
□ 自分で出願するのが向いているかもしれない人
- とにかく初期費用を抑えたい
- 商標について勉強済みで、調査や書類作成に時間をかけられる
- 万が一、登録できなくても事業へのダメージが比較的小さい
□ 弁理士への依頼を強くおすすめする人
- このブランド名(ロゴ)は絶対に登録したいという強い思いがある
- 手続きに時間をかけず、本業に集中したい
- 複数の商品やサービスで出願するなど、権利関係が複雑になりそう
- 将来的に海外での事業展開も考えている
どちらの道にもメリット・デメリットがあります。少しでも不安を感じるなら、まずは専門家に相談してみるのが一番です。P4 MARKETのようなプラットフォームを活用すれば、実績のある弁理士にオンラインで気軽に相談し、自社の場合どちらの方法がベストか、費用はいくらかかりそうかを確認してから最終決定することができます。
特許庁に支払う費用(印紙代)の内訳
商標登録にかかる費用のうち、国(特許庁)に支払う「印紙代」は、自分で手続きをしても専門家にお願いしても必ず必要になる公式手数料です。
この手数料は、大きく2つのタイミングで支払います。
- 出願時: 「この名前で商標を取りたいです!」と申請するタイミングで支払う「出願料」。
- 登録時: 審査をクリアして、正式に商標権が認められたタイミングで支払う「登録料」。
最低限かかる費用は、この2つの合計額となります。
具体的な金額の計算方法
特許庁に支払う費用は、「区分」の数によって決まります。
- 出願料: 3,400円 + (区分数 × 8,600円)
- 登録料(10年分): 区分数 × 32,900円
例えば、オリジナルTシャツ(第25類)とバッグ(第18類)を販売するアパレルブランド(2区分)でシミュレーションしてみましょう。
- 出願料: 3,400円 + (2区分 × 8,600円) = 20,600円
- 登録料: 2区分 × 32,900円 = 65,800円
- 合計: 86,400円
このケースで特許庁に支払う費用の合計は 86,400円 となります。登録料はまとまった金額になることがあるため、あらかじめ予算として見込んでおくことが重要です。最新の手数料については、特許庁の公式サイトで確認できます。
登録料は分割払いも可能
商標権を維持するための登録料は、10年分をまとめて支払うか、5年ごとに分割して支払うかを選べます。初期費用を抑えたい場合には分割払いが魅力的に見えます。
| 支払い方法 | 1区分あたりの登録料 |
|---|---|
| 10年分一括納付 | 32,900円 |
| 5年分分割納付 | 17,200円 |
ただし、分割払いの場合、5年後に再度17,200円を支払う必要があり、10年間のトータルコストは34,400円となります。これは一括払いよりも1,500円割高です。
長く大切に育てていきたいブランドであれば、手続きの手間やトータルコストを考えると、10年分の一括納付がおすすめです。
「自分のビジネスに必要な区分は?」「費用計算はこれで合っている?」そんな不安があれば、専門家に相談するのが一番の近道です。P4 MARKET などを活用し、経験豊富な弁理士に費用の見積もりから最適な区分の選び方まで、気軽にアドバイスをもらいましょう。
弁理士報酬の相場とサービス内容の見極め方
商標登録を専門家である弁理士に依頼する場合、特許庁の公式手数料とは別に、弁理士への「報酬」が発生します。この報酬は事務所によって料金体系が異なるため、単純な総額比較だけでは判断を誤る可能性があります。
弁理士報酬は、主に以下の3つで構成されています。
- 出願手数料: 商標調査から出願書類の作成、特許庁への手続き代行にかかる費用。
- 成功報酬: 無事に商標登録が認められたときに支払う費用。
- 中間対応費用: 特許庁から拒絶理由通知が届いた場合に、反論の書類(意見書など)を作成してもらうための費用。
なぜ事務所によって料金が違うのか?
料金の差は、提供されるサービスの「範囲」と「質」の違いから生まれます。
例えば、出願前の「先行商標調査」一つとっても、データベースを検索するだけの簡易なものから、過去の審査事例まで踏み込んだ詳細な調査までレベルは様々です。調査が丁寧なほど、登録の成功率は高まります。料金が極端に安い場合は、この調査が別料金だったり、簡易的なものであったりする可能性が考えられます。
見積書を確認する際は、合計金額だけでなく、「どの作業が、どこまで料金に含まれているのか」を一つひとつ確認することが重要です。特に、拒絶された場合の中間対応費用が含まれているか、別料金なのかは、後々の出費に大きく影響するため必ず確認してください。
【チェックリスト】見積書で確認すべきポイント
信頼できる専門家を選ぶには、料金だけでなくサービスの中身を見比べることが不可欠です。複数の事務所から見積もりを取る際は、以下の点を確認しましょう。
- [ ] 先行商標調査の範囲と報告の質は?
- 調査レポートはもらえるか? 登録可能性の評価(A, B, C評価など)はあるか?
- [ ] 「拒絶」されたときの対応費用は含まれているか?
- 別料金の場合、いくらかかるか?(対応回数に制限はあるか?)
- [ ] 成功報酬の有無と金額は?
- いつ、いくら発生するのか?
- [ ] その他に追加でかかる費用はあるか?
- 相談料や軽微な修正費用など、見積もり以外に発生する可能性のある費用は?
こうした質問を通じて、その事務所がどれだけ誠実に、透明性をもって対応してくれるかが見えてきます。納得できるまで説明を求め、後悔しない専門家を選びましょう。
もし、どの専門家に相談すれば良いか迷ったら、P4 MARKET のようなプラットフォームで探すのも良い方法です。さまざまな実績を持つ弁理士が登録しており、料金や得意分野を比較しながら、あなたのビジネスに最適な専門家を見つけることができます。
知らないと損する追加費用と、賢くコストを抑えるコツ
商標登録では、最初の見積もりには含まれない想定外の出費が発生することがあります。予算オーバーで慌てないためにも、どんな時に追加費用がかかるのかを事前に知っておくことが重要です。
その代表例が、特許庁から「このままでは登録できません」という拒絶理由通知への対応です。この通知が届いた場合、審査官を納得させるための専門的な反論書(意見書)や、出願内容を修正する書類(手続補正書)の提出が必要になります。弁理士に対応を依頼する場合、5万円から10万円ほどの追加費用がかかるのが一般的です。
予期せぬ追加費用が発生するケース
拒絶理由通知への対応以外にも、以下のような場合に追加費用が発生する可能性があります。
- 登録異議申立てへの対応: 登録後、第三者から「その登録は無効だ」と異議を申し立てられた場合の対応。
- 登録区分の補正: 出願後に事業内容が変わり、指定商品・サービスの範囲を修正する場合。
- 出願人名義の変更: 法人名や住所が変更になった場合。
これらの費用はケースバイケースですが、数万円単位でかかることが少なくありません。専門家と契約する際には、こうしたイレギュラーな事態が起きた時の料金体系も確認しておくと安心です。
商標登録の総費用を抑える3つのコツ
少しの工夫で、トータルの費用を賢く抑えることができます。
1. まずは自分で「J-PlatPat」を調べてみる
専門家に依頼する前に、自分自身で簡単な下調べをすることで、登録可能性の低い商標に出願してしまう無駄を省けます。
特許庁が無料で公開しているデータベース「J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)」を使えば、誰でも簡単に既存の商標を検索できます。自分が考えた名前を検索し、似たような商標が同じ事業分野で既に見つかった場合は、別の案を検討する方が賢明です。
この一手間が、無駄な出願料や追加費用を未然に防ぐ最良の策となります。
2. 出願する「区分」を本当に必要なものに絞る
費用を抑える最もシンプルで効果的な方法は、出願する「区分」を厳選することです。将来の事業展開を見越して多くの区分で出願したくなりますが、区分が増えるほど費用は雪だるま式に増えていきます。
まずは「今、実際に使っている」または「1〜2年以内に確実に使う」商品やサービスに的を絞りましょう。事業が成長してから、必要に応じて区分を追加することも可能です。
3. 補助金・助成金制度を活用する
国や自治体には、中小企業や個人事業主の商標登録費用を一部補助する制度があります。
- 外国出願補助金(JETROなど): 海外での商標登録にかかる費用の最大1/2を補助してくれます。
- 各都道府県の補助金: 多くの自治体が、地域の中小企業向けに独自の補助金を用意しています。(例: 東京都「知的財産権取得等支援事業」)
こうした制度は募集期間が限られているため、自社の地域や事業内容に合ったものがないか、定期的にチェックすることをおすすめします。
商標登録の費用は戦略次第で大きく変わります。どの区分で出願すべきか、どの節約術が自社に合っているか。もし判断に迷ったら、専門家のアドバイスが大きな力になります。P4 MARKETのようなプラットフォームでは、経験豊富な弁理士にオンラインで気軽に相談でき、費用対効果の高い最適なプランを一緒に考えてもらうことも可能です。
商標登録の費用に関するよくある質問(FAQ)
最後に、商標登録の費用に関してよく寄せられる質問をQ&A形式で解説します。
Q1. もし出願して登録できなかった場合、支払った費用は戻ってきますか?
残念ながら、一度支払った特許庁への出願料や専門家への手数料は、原則として返金されません。
商標登録は申請すれば100%通るわけではなく、審査の結果「拒絶査定」が下ることもあります。出願料は「審査をしてもらうための料金」という位置づけのため、結果にかかわらず発生します。だからこそ、出願前に専門家による調査を行い、登録の可能性を高めておくことが重要です。
Q2. 10年後の更新時にも費用はかかりますか?
はい、かかります。商標権の有効期間は10年間です。ブランドを守り続けるには、10年ごとに更新手続きと更新登録料の支払いが必要になります。
更新料も区分の数によって金額が変わります。「うっかり更新を忘れて権利を失ってしまった」という事態を避けるため、多くの方が専門家に管理を依頼しています。更新費用も将来の事業コストとして計画に組み込んでおきましょう。
Q3. 見積もり以上に追加費用がかかることはありますか?
はい、その可能性はあります。最も多いのは、特許庁から「拒絶理由通知」が届いた際の中間対応費用です。
審査官を説得するための意見書の作成などが必要となり、多くの事務所では別料金となっています。相場としては5万円〜10万円程度を見込んでおくと良いでしょう。契約前に、こうした「もしも」の事態が起きた際の料金体系を確認しておくことが、後のトラブルを防ぐ鍵となります。
Q4. 費用をかけてまで登録するメリットはありますか?
費用は決して安くありませんが、それ以上の価値があります。最大のメリットは、その名前やロゴを日本全国で独占的に使える「公式な権利」が手に入ることです。
これにより、他社による模倣やブランドイメージの毀損を防ぐことができます。万が一権利を侵害された場合は、使用の差し止めや損害賠償を請求できます。時間と情熱を注いで築いたブランドの価値を守るための、最も確実な「投資」と言えるでしょう。
近年、商標登録の出願件数は減少傾向にあるというデータもありますが、これは費用が中小企業にとって依然として大きなハードルであることを示唆しています。しかし、審査に通る確率(登録率)は約60%で安定しており、権利化の重要性は変わりません。費用対効果をしっかり見極めることが、あなたの事業を守る上で不可欠です。
実際に専門家に相談するには...
「商標登録の費用や手続き、誰に相談したらいいんだろう…」。そんなときは、P4 MARKETを覗いてみてください。経験豊富な弁理士に30分単位で気軽にオンライン相談ができ、あなたのビジネスに最適な費用プランや戦略について、具体的なアドバイスがもらえます。まずは専門家の知恵を借りて、大切なブランドを守る第一歩を踏出してみませんか?
P4 MARKETで専門家に相談する本記事は2025年10月22日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。