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2025-10-26 督促手数料の勘定科目はどれ?仕訳方法や消費税の扱いを専門家が解説

作成日: 2025年10月26日

督促手数料の勘定科目

取引先への支払いや税金の納付が遅れてしまった際に発生する「督促手数料」。経理処理において、この費用をどの勘定科目で仕訳すればよいか、迷った経験はありませんか?

結論から言うと、取引先から請求される一般的な督促手数料は「支払手数料」で処理するのが最もシンプルです。しかし、税金の督促など、状況によっては他の勘定科目を使う方が適切なケースもあります。

この記事では、督促手数料の勘定科目の選び方から具体的な仕訳例、間違いやすい消費税の扱いまで、中小企業の経理担当者が知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。

督促手数料の勘定科目は原則「支払手数料」

督促手数料と勘定科目の書類を前に悩む経理担当者

事業を運営していると、うっかり支払いを忘れたり、資金繰りの都合で期日に間に合わなかったりすることは起こり得ます。そういった場合に請求されるのが督促手数料です。

この費用は、商品やサービスの代金そのものではなく、支払いが遅れたことに伴って発生した事務的な手数料という性格を持っています。そのため、銀行の振込手数料などと同じように「支払手数料」の勘定科目で経費計上するのが、実務上最も一般的です。

ただし、手数料が発生した原因によっては、他の勘定科目の方がより適切な場合もあります。

  • 租税公課: 国税や地方税の納付が遅れた際に発生した督促手数料はこちらで処理します。
  • 雑損失: 支払遅延が契約違反にあたるなど、ペナルティとしての性質が強い場合に選択することがあります。

【ポイント】
その手数料が「何に対して、どういう理由で発生したのか」という性質を見極めることが重要です。そして、一度決めた処理方法は継続して使いましょう。社内で一貫したルールを保つことで、帳簿が整理され、後から見返したときにも取引内容がすぐに分かります。

もし勘定科目の選択に迷う場合は、税理士のような専門家に相談するのも一つの有効な手段です。P4 MARKETのようなプラットフォームを活用すれば、信頼できる専門家をオンラインで手軽に探すことができます。

督促手数料の勘定科目 使い分け早見表

どの勘定科目を選ぶべきか、状況ごとの最適な選択肢をひと目で確認できるよう、以下の表にまとめました。

勘定科目 このようなケースで使用 実務上のポイント
支払手数料 一般的な取引先への支払遅延で発生した督促手数料 最も汎用性が高く、迷ったらまずこの科目を検討。銀行振込手数料などと同じグループで管理できる。
租税公課 国税、地方税、社会保険料などの滞納による督促手数料 税金関連の費用としてまとめて管理したい場合に最適。延滞税なども同じ科目で処理することが多い。
雑損失 契約上の違約金や損害賠償金といった性質が強い督促手数料 営業外の損失であり、金額が大きく重要性が高い場合に使用。頻繁に発生する費用には不向き。

この表を参考に、自社の状況に最も合った勘定科目を選んでみてください。適切な会計処理は、正確な経営状況の把握にもつながります。

督促手数料、その正体を見極めるのが経理の第一歩

カウンターの上に置かれた電卓と書類

「督促手数料」とひとくくりにされがちですが、その性質は一つではありません。適切な勘定科目を選ぶためには、まずこの手数料がどのような性質を持つのかを正しく理解することが近道です。

督促手数料は、大きく分けて2つの性質を持っています。一つは法律で定められている「遅延損害金」としての側面、もう一つが契約に基づいて発生する「事務手数料」としての側面です。

「賠償金」なのか、「サービス料」なのか

この2つの違いは何でしょうか?

遅延損害金は、文字通り「支払いが遅れたことで生じた損害」を補填するためのお金、つまり賠償金です。これは何かのサービスを受けた対価ではないため、消費税はかかりません(不課税)。

一方、事務手数料は、督促状の送付や電話連絡といった「督促という作業」に対して支払う料金です。これはサービス(役務提供)への対価と見なされるため、原則として消費税の課税対象となります。

つまり、同じ「督促手数料」という名称でも、その実態が「賠償金」なのか「サービス料」なのかによって、消費税の扱いが変わるのです。請求書の内訳などをよく確認し、どちらの性質なのかを判断することが大切です。

税金の督促手数料は特別な扱い

国税や地方税を滞納してしまった際にかかる督促手数料は、また少し性格が異なります。これは法律に基づいて徴収されるもので、行政手続き上の費用という位置づけです。

この場合は、勘定科目も「租税公課」として処理するのが一般的です。もちろん、こちらも消費税はかかりません。

こうした手数料の性質の違いを理解することは、正確な会計処理を行う上で欠かせません。実は、国の経済規模を測る国民経済計算(SNA)でも、手数料は経済活動の一部として記録・分析されています。督促手数料のような細かい費用も、大きな経済の動きを捉えるための一つのピースになっているんですね。日本の統計情報についてさらに詳しく見る

実務で役立つ!督促手数料の仕訳、ケース別に徹底解説

経理担当者がノートパソコンで仕訳入力作業をしている様子

督促手数料の基本的な考え方を理解したところで、実際の経理業務でどのように帳簿に記録すればよいかを見ていきましょう。

ここでは、実務でよくある3つのシナリオをもとに、具体的な仕訳の方法を解説します。これを押さえておけば、日々の業務もスムーズに進められるはずです。

ケース1:取引先への支払いが遅れてしまった場合

まず、最も一般的なのが、仕入代金などの支払いが期日に間に合わなかったケースです。

<シナリオ>
A社への買掛金100,000円の支払いが遅延。督促手数料2,000円と合わせて、合計102,000円を普通預金から振り込んだ。

この場合の督促手数料は、事業運営上発生した事務的な費用と考えられるため、勘定科目は「支払手数料」を使うのが一般的です。

借方 借方金額 貸方 貸方金額
買掛金 100,000円 普通預金 102,000円
支払手数料 2,000円

仕訳を行う際、摘要欄に「A社 買掛金支払遅延による督促手数料」のように、相手先と理由を具体的に記載しておくと、後で帳簿を見返したときに取引内容が一目でわかり便利です。

ケース2:法人カードの支払いが遅れてしまった場合

次に、法人(事業用)クレジットカードの引き落としができなかったケースです。考え方は取引先への支払い遅延と似ています。

ただし、カード会社からの請求書では「督促手数料」ではなく「遅延損害金」という名目で記載されていることが多いため、注意が必要です。

<シナリオ>
法人カードの利用代金50,000円が残高不足で引き落とされなかった。後日、遅延損害金3,000円と合わせて普通預金から支払った。

この場合も、「支払手数料」で処理するのがスムーズです。会社によっては「雑損失」として処理するルールを設けている場合もあります。どちらを選んでも会計上問題ありませんが、大切なのは社内でルールを統一し、継続して同じ科目を使うことです。

借方 借方金額 貸方 貸方金額
未払金 50,000円 普通預金 53,000円
支払手数料 3,000円

摘要欄には「Bカード 支払遅延損害金」のように、どのカードの支払いか分かるように記録しておきましょう。

ケース3:税金の納付が遅れてしまった場合

最後に、税金の納付が遅れた際に発生する督促手数料です。これは先の2つのケースとは異なり、使う勘定科目も変わります。

<シナリオ>
法人税150,000円の納付期限を過ぎてしまい、督促手数料1,000円を上乗せして現金で納付した。

税金に関連する督促手数料は、税金そのものと同じ性質を持つとみなされるため、「租税公課」として処理します。ここが大きなポイントです。

借方 借方金額 貸方 貸方金額
未払法人税等 150,000円 現金 151,000円
租税公課 1,000円

ケース別 仕訳例比較

ここまで見てきたように、督促手数料の仕訳は発生原因によって勘定科目が変わります。ここで一度、情報を整理してみましょう。

手数料の種類 借方:勘定科目 貸方:勘定科目 摘要欄の記入ポイント
取引先への支払遅延 支払手数料 普通預金など 「〇〇社 買掛金遅延」など相手と理由を明記
クレジットカードの支払遅延 支払手数料 or 雑損失 普通預金など 「△△カード 遅延損害金」などカード名を記載
税金の納付遅延 租税公課 現金、普通預金など 「法人税 督促手数料」など税金の種類を明記

摘要欄に具体的な情報を残すことが、後々の経理処理をスムーズにする鍵となります。


【まとめ】督促手数料の会計処理の基本

督促手数料の仕訳で最も大切なのは、「何に対する支払いが遅れたのか?」という根本原因を明らかにすることです。原因さえわかれば、自ずと正しい勘定科目が選べます。

もし特殊なケースで判断に迷うことがあれば、一人で抱え込まずに税理士などの専門家に相談するのが最善の解決策です。P4 MARKETのようなプラットフォームを使えば、オンラインで気軽に専門家を探し、的確なアドバイスをもらうことも可能です。

督促手数料と消費税の関係、どう判断する?

税金の書類と電卓、ペンが置かれた机

督促手数料の会計処理で、勘定科目選びと同じくらい重要なのが「消費税」の扱いです。

この判断を誤ると、仕入税額控除の計算に影響が出てしまい、将来の税務調査で指摘を受ける原因にもなりかねません。

手数料の性質によって「課税」「不課税」「非課税」のどれに該当するかが変わるため、その見極めが非常に重要になります。

「課税」か「不課税」か、分かれ道はどこ?

督促手数料に消費税がかかるかどうかは、その手数料が「何に対する支払いか」で決まります。具体的には、「サービスの対価」なのか、それとも「損害の補填(賠償)」なのか。この違いを理解することが、正しい経理処理への第一歩です。

  • 不課税となるケース(損害賠償金)
    支払いが遅れたことに対するペナルティ、つまり遅延損害金延滞金といった名目で請求されたお金。これは損害賠償金と同様の扱いになります。資産の譲渡やサービスの対価ではないため、消費税はかかりません(不課税)。
  • 課税対象となるケース(事務手数料)
    一方、督促状の発行や郵送にかかった実費として「事務手数料」などの名目で請求されている場合は話が別です。これは「督促する」というサービス(役務提供)への対価と見なされるため、原則として消費税の課税対象になります。

【チェックリスト】請求書が届いたら

  1. まず請求書の内訳を確認する。
  2. 名目が「遅延損害金」であれば不課税と判断する。
  3. 名目が「事務手数料」などであれば課税の可能性があると考える。

この点については、国税庁のタックスアンサーでも「損害賠償金は資産の譲渡等の対価に当たらないため、消費税の課税対象にならない」と明記されています。

請求書で見るべきチェックポイント

実際に督促手数料を支払う場面で、消費税がかかるかどうかを判断するには、請求書や督促状の以下のポイントを確認してみてください。

  • 費用の名目:「遅延損害金」「延滞利息」といった記載か、「事務手数料」「再請求手数料」といった記載か。
  • 消費税額の記載:手数料の金額に対して、消費税額が明確に記載されているか。

もし請求書を見ても判断に迷う場合や、契約内容が複雑な場合は、迷わず税理士などの専門家に相談するのが最も確実です。専門家であれば、個別の状況に合わせた的確なアドバイスを提供してくれます。

個人事業主と法人で、経費の扱いはどう違う?

督促手数料を経費にする際の基本的な考え方は、個人事業主と法人で大きくは変わりません。しかし、それぞれの立場で注意すべきポイントが少し異なります。

個人事業主は「事業との関連性」がすべて

個人事業主が督促手数料を経費にする場合、最も重要なのは「その支払いが事業に関連しているかどうか」です。

例えば、商品の仕入代金の支払いが遅れて発生した督促手数料は、事業に直接関連する出費のため「必要経費」として計上できます。

一方で、プライベートで利用しているクレジットカードの支払遅延による延滞金は、事業とは無関係です。このような支出は経費にできません。この「事業用」と「プライベート用」の線引きを明確にしておくことが非常に重要です。

法人は原則として「損金」にできる

法人の場合、事業活動の中で発生した督促手数料は、原則として法人税法上の「損金」として扱えます。「損金」とは、法人税を計算する際に会社の利益(益金)から差し引くことができる費用を指します。

ただし、注意点もあります。例えば、役員が個人的な買い物で支払いを遅延させ、その延滞金を会社の経費で処理することは認められません。これは公私混同と見なされ、税務調査で厳しく指摘される可能性があります。法人であっても、あくまで事業に関連する費用であるという大前提は変わりません。

どのような立場であっても、お金の流れを正確に記録することは、健全な事業運営の土台です。例えば、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のような巨大組織でも、莫大な資産を運用する中で様々な手数料が発生します。彼らにとって、その一つひとつの正確な処理が資産管理の根幹をなしているのです。最新の運用状況に関する報告を見ても、事業規模の大小にかかわらず、会計処理がいかに大切かがわかります。

会計処理の基本ルールは同じでも、個人事業主は「公私の区別」、法人は「事業活動との明確な関連性」をより強く意識することが、適切な経費計上への近道と言えるでしょう。

督促手数料の処理でよくあるギモンを解決!

督促手数料の勘定科目や仕訳は、経理の現場で判断に迷う場面が少なくありません。ここでは、担当者が抱えがちな疑問をQ&A形式で解説します。

Q1. 「督促手数料」と「遅延損害金」、会計上の違いって何?

この2つの最大の違いは、「消費税がかかるかどうか」です。

  • 遅延損害金:支払いが遅れたことに対する「損害賠償金」という扱いです。サービスの対価ではないため、消費税はかかりません(不課税)
  • 督促手数料:督促状の送付など、具体的な事務作業に対する「手数料」です。サービスの対価とみなされるため、消費税がかかる(課税対象)ことがあります。

まずは請求書に記載された名目を確認し、「賠償金」か「手数料」か、その性質を見極めることが正しい会計処理の第一歩です。

Q2. 請求書に消費税の記載がないときは、不課税でOK?

請求書に消費税の記載がないからといって、すぐに不課税と判断するのは早計です。相手方が免税事業者である可能性も考えられます。

まず確認すべきは、請求書の名目です。「遅延損害金」と記載されていれば、不課税として処理して問題ありません。

しかし、「事務手数料」のような名目で消費税の記載がない場合は、一度取引先に確認するのが最も確実です。後々の手戻りを防ぐためにも、不明な点は事前に解消しておきましょう。

Q3. あっ!勘定科目を間違えて処理しちゃった…どう直せばいい?

会計処理の間違いは誰にでも起こり得ます。重要なのは、気づいた時点ですぐに修正することです。修正には「振替伝票」を使います。

例えば、「支払手数料」で処理すべき費用を「雑損失」で計上してしまった場合、以下のような振替伝票を作成します。

  1. 間違えた仕訳を取り消す(貸方に「雑損失」を計上)
  2. 本来あるべき正しい仕訳を立てる(借方に「支払手数料」を計上)

これにより、帳簿上の記録を正しく訂正できます。

Q4. 会社で勘定科目を統一したいんだけど、ルール作りのコツは?

担当者によって使う勘定科目が異なると、月次や年次の決算時に混乱を招きます。社内でルールを統一することは、経理の正確性と効率性を高めるために不可欠です。

ルール作りのコツは、「経理規程」や「勘定科目マニュアル」といった形でルールを文書化することです。

その際、「どのような場合に、どの勘定科目を使うか」という具体例をできるだけ多く記載することがポイントです。「取引先への支払遅延は『支払手数料』、税金の滞納は『租税公課』」のように具体的なケースを示しておけば、誰が担当しても迷わず同じ処理ができるようになります。

もし社内でのルール作りに不安がある場合は、税理士などの専門家に相談するのも良い方法です。専門家の視点から、自社に合った実用的なルール作りを支援してもらえます。

経理の「困った」は、専門家に相談するのが一番の近道です

督促手数料の処理は単純な作業に見えるかもしれませんが、その背景には法律や税務の専門的な知識が求められる場面が少なくありません。

「この勘定科目で本当に正しいのか?」「自社の経理フローに問題はないか?」といった不安を感じたときは、迷わず税理士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、あなたの会社の状況を正確に把握した上で最適なアドバイスを提供し、税務上のリスクを未然に防いでくれます。

専門家への相談は、目の前の問題を解決するだけでなく、将来のトラブルを回避するための「未来への投資」です。正確な会計処理は、安定した会社経営の土台となります。

信頼できる専門家をどう探せばよいかわからない場合は、オンラインのプラットフォームを活用するのも一つの手です。プロの力を借りて経理業務の精度を高め、事業そのものに集中できる環境を整えましょう。


専門家への相談は、あなたのビジネスをさらに成長させるための大切な一歩です。例えばP4 MARKETのようなサービスなら、経験豊富な税理士や中小企業診断士に、オンラインで気軽に相談できます。まずは30分から、あなたのビジネスが抱える課題について話してみませんか?


本記事は2025年10月26日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。