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2025-10-27 就業規則 作成の実務ガイド|作成義務から届け出まで経営者が知るべき全手順

作成日:2025年10月27日

就業規則の作成は、労働時間や賃金といった労働条件を明確に定め、会社と従業員の権利と義務をはっきりさせるための重要なプロセスです。これは単なるルールブック作りではありません。健全な労使関係を築き、会社の成長を支える土台そのものだと考えてください。

この記事では、就業規則の作成義務から具体的な記載項目、届け出の手順、そして法改正への対応まで、中小企業の経営者や人事担当者が知っておくべきポイントを、専門用語を避け、分かりやすく解説します。

なぜ就業規則は「会社の憲法」と呼ばれるのか?今すぐ作成すべき理由

就業規則を作成している人事担当者

「就業規則」と聞くと、「法律で決まっているから仕方なく作るもの」と考えている経営者の方もいるかもしれません。しかし、実際には会社の秩序を守り、従業員との不要なトラブルを未然に防ぐ、まさに「会社の憲法」と呼べる重要な役割を果たします。

法律上、労働基準法 第八十九条では、パートやアルバイトを含め常時10人以上の従業員を使用する事業場には、就業規則の作成と所轄の労働基準監督署への届け出が義務付けられています。

しかし、本当に大切なのは、この義務がない従業員10人未満の会社にこそ、就業規則を作成する大きなメリットがあるという点です。

従業員10人未満の会社にこそ就業規則が重要な理由

小規模な会社では、ルールが曖昧なまま、口約束で業務が進むことも少なくありません。例えば、残業代の計算方法や休日出勤の扱いで、従業員との間に「そんな話でしたっけ?」と認識のズレが生まれると、ささいなことから信頼関係が崩れる可能性があります。

明確なルールがなければ、問題が起きたときに「言った・言わない」の争いに発展しがちです。そんな時、客観的な基準となる就業規則があれば、それが公平な判断の拠り所となり、会社と従業員の双方を守る盾となってくれます。

【実例ケース】

従業員5名のデザイン会社A社では、これまで口約束で残業代を支払っていました。ある日、退職した元従業員から「未払い残業代がある」と請求を受け、過去の勤怠記録が曖昧だったこともあり、不利な状況に。この経験からA社は社会保険労務士に相談し、就業規則を作成。労働時間や残業のルールを明確にしたことで、従業員が安心して働けるようになり、採用面接でも「ルールがしっかりしていて安心です」と応募者から好印象を得られるようになりました。

多様な働き方を支えるルールブックの価値

現代では働き方が多様化し、令和4年就業構造基本調査によると、非正規雇用の割合は全体の約35.2%に上ります。正社員、契約社員、パートタイマーなど、様々な立場の人が同じ職場で働くのが当たり前の時代です。

就業規則は、こうした雇用形態の違いを踏まえ、誰もが公平なルールの下で働ける環境を作るために不可欠です。

会社の規模によって作成義務は異なりますが、メリットは共通しています。自社の状況と照らし合わせ、作成の必要性を判断しましょう。

従業員数別 就業規則の作成義務とメリット

従業員規模 作成義務(労働基準法) 作成するメリット 作成しない場合のリスク
10人以上 あり 法令遵守、トラブル防止、助成金申請、組織の基盤強化 法違反(罰則あり)、労使トラブルの頻発、助成金申請不可
10人未満 なし 労使トラブルの未然防止、採用力強化、従業員の定着率向上 ルールが曖昧になりがち、トラブル時に不利になる可能性、会社の信用低下

従業員が10人未満でも、就業規則を作成しておくことで、いざという時に会社を守る盾となります。

しっかりとした就業規則を整備することで、以下のような具体的なメリットが生まれます。

  • 採用活動で有利になる: 労働条件や福利厚生が明記されていると、求職者は「しっかりした会社だ」と安心し、応募の決め手になります。
  • トラブルを未然に防ぐ: 懲戒処分や解雇のルールを明確にすることで、万が一の事態にも公平かつ迅速に対応でき、法的なリスクを低減できます。
  • 助成金の申請要件を満たせる: キャリアアップ助成金など、多くの助成金では就業規則の整備が申請の必須条件となっています。

就業規則の作成は、面倒な手間やコストではなく、会社の未来を守り、成長を後押しするための重要な「投資」です。作成や見直しで何から手をつけてよいか分からない場合は、社会保険労務士のような専門家への相談も有効です。

例えば、必要な時に30分単位で気軽に専門家に相談できるP4 MARKETのようなサービスを利用すれば、自社の現状を整理し、より良い職場づくりの第一歩をスムーズに踏み出せます。

就業規則に盛り込むべき項目とは?【絶対的・相対的・任意的】

就業規則の項目を確認する様子

就業規則に「何を記載するか」は、まさにその心臓部です。会社の姿勢や価値観を反映する重要な部分であり、法律で定められた項目を正しく理解し、自社の実情に合わせて具体的に規定することが求められます。

労働基準法では、記載すべき項目を大きく3つのグループに分けています。テンプレートをただ写すだけでは、いざという時に役立たない「お飾り」のルールになってしまうため、それぞれの意味をしっかり理解しましょう。

必ず記載しなければならない「絶対的必要記載事項」

これは、その名の通り法律で記載が厳格に義務付けられている項目です。一つでも欠けていると、就業規則自体が無効と判断される可能性もあるため、特に注意が必要です。

具体的には、以下の3つの柱から成り立っています。

  • 労働時間に関すること
    • 始業・終業の時刻
    • 休憩時間
    • 休日、休暇
    • シフト制など交替勤務のルール
  • 賃金に関すること
    • 賃金の決定、計算および支払いの方法
    • 賃金の締切りおよび支払いの時期
    • 昇給に関する事項
  • 退職に関すること
    • 退職の事由(自己都合、定年、解雇など)
    • 解雇事由と手続き

これらは従業員の働き方の根幹をなす、非常に重要なルールです。例えば、和歌山県が公開する毎月勤労統計調査のデータによると、所定外労働時間は月平均で10.1時間というデータもあります。残業代の計算方法や割増率を具体的に定めておくことは、後の賃金トラブルを未然に防ぐために不可欠です。

【チェックポイント】

フレックスタイム制やリモートワークを導入している場合、昔ながらの「9時出社、18時退社」の規定だけでは不十分です。自社の働き方に合わせてコアタイムを設けたり、時間外労働の申請フローを具体的に定めたりするなど、実態に即した規定にしましょう。

会社の制度に応じて記載が必要な「相対的必要記載事項」

これは、会社にその制度がある場合に限り、記載が義務付けられる項目です。例えば、退職金制度がない会社が退職金について記載する必要はありませんが、制度があるにもかかわらず記載がなければ法令違反となります。

主な項目は以下の通りです。

  • 退職手当(退職金)
  • 賞与などの臨時の賃金、最低賃金額
  • 食費や作業用品など、従業員に負担させる費用
  • 安全衛生
  • 職業訓練
  • 災害補償、業務外の傷病扶助
  • 表彰および制裁(懲戒処分)の種類・程度
  • その他、全従業員に適用されるルール

これらの項目は、会社の福利厚生や人事制度の方針が反映される部分です。特に「制裁の種類・程度」、いわゆる懲戒規定は重要です。どのような行為が処分の対象となるのか、そしてその処分の重さ(けん責、減給、出勤停止、懲戒解雇など)を具体的に定めておくことで、問題発生時に公平な対応が可能となり、法的なリスクを軽減できます。

会社の想いを伝える「任意的記載事項」

最後は「任意的記載事項」です。法律上の記載義務はありませんが、会社の理念や方針を明確にし、より良い職場環境を築くために記載が推奨される項目です。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 服務規律
    • 従業員として守るべき行動規範(ハラスメントの禁止、SNSの適切な利用、情報管理など)
  • 募集・採用
    • 採用選考のプロセスや基準
  • 人事異動
    • 配置転換や転勤に関する方針や手続き
  • 副業・兼業
    • 許可の基準や届出制など、副業に関する会社のルール

特に「服務規律」に会社の理念や行動指針を盛り込むと、就業規則が単なるルールブックを超え、従業員の行動の拠り所となります。

就業規則の作成は、これら3つの記載事項を正しく理解し、自社の実態に合わせてカスタマイズする作業です。内容の精査や法的な妥当性に不安があれば、社会保険労務士のような専門家への相談も有効です。P4 MARKETのようなプラットフォームなら、必要な時に専門家のアドバイスをピンポイントで受けることも可能です。

就業規則の作成から届け出までの全手順【効力を持たせるための3ステップ】

就業規則作成の手順図

就業規則は、作成して金庫に保管しておくだけでは法的な効力を持ちません。会社と従業員、双方を守る「会社の憲法」として機能させるには、定められた手続きを着実に実行する必要があります。

一見、面倒に感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば難しくありません。ここでは、原案作りから労働基準監督署への届け出、そして最も重要な「従業員への周知」まで、実務に沿った流れを3つのステップで具体的に解説します。

ステップ1:会社の現状を反映した原案を作成する

まずは就業規則の土台となる原案を作成します。厚生労働省が公開しているモデル就業規則は、骨子を理解する上で非常に役立ちますが、そのままコピーして使うのは避けましょう。

リモートワークや副業のルール、独自の休暇制度など、自社ならではの働き方や文化を反映させてこそ、「生きたルール」となります。前のセクションで解説した「絶対的必要記載事項」と「相対的必要記載事項」を漏れなく盛り込み、自社の実態に合った内容にすることが重要です。

ステップ2:従業員代表の意見を聴き、労働基準監督署へ届け出る

原案が固まったら、次に従業員代表からの意見聴取を行います。これは労働基準法で定められた義務であり、手続き全体の中でも特に重要なステップです。

従業員代表は、労働組合がある場合はその代表者、ない場合は労働者の過半数を代表する者を投票や挙手といった民主的な方法で選出します。会社が一方的に指名することはできません。

【ポイント】

従業員代表から「この条文には反対です」という意見が出ても、手続き上は問題ありません。重要なのは、賛成か反対かという結果ではなく、「従業員の意見を真摯に聴き、その内容を書面に残した」というプロセスそのものです。反対意見もそのまま記載した「意見書」を作成し、代表者に署名または記名押印をもらいます。

意見書が準備できたら、以下の書類を揃えて管轄の労働基準監督署へ届け出ます。

  1. 就業規則(変更)届
  2. 意見書(従業員代表の署名・押印があるもの)
  3. 作成した就業規則(2部提出すると、1部に受付印を押して返却してもらえます)

届け出は、窓口持参、郵送、またはe-Gov(電子政府の総合窓口)を利用した電子申請が可能です。

ステップ3:完成した就業規則を全従業員へ周知する

労働基準監督署への届け出が終わっても、まだ完了ではありません。最後に、完成した就業規則を全従業員に周知する義務があります。この「周知」をもって、就業規則は初めて法的な効力を発揮します。

周知の方法は、以下のいずれかの方法で行う必要があります。

  • 常時見やすい場所への掲示: 事業場の休憩室や食堂の掲示板などに掲示する。
  • 書面での交付: 全従業員に印刷して配布する。
  • 電子データでの共有: 社内サーバーやクラウドストレージに保存し、誰もがいつでもアクセス・閲覧できるようにする。

重要なのは「全従業員が、いつでも好きな時に内容を確認できる状態」にしておくことです。

これらの手続きは、健全な労務管理の第一歩です。もし手続きの進め方や従業員代表の選出などで不安があれば、社会保険労務士のような専門家に相談するのが確実です。P4 MARKETなら、必要な時に必要な分だけ、専門家から的確なアドバイスを受けることができます。

法改正に対応!就業規則の定期的な見直しポイント

法改正に関する書類を確認する様子

「就業規則を作ったきり、何年も見直していない」ということはありませんか?労働関連の法律は、社会情勢や働き方の変化に合わせて頻繁に改正されます。古い就業規則のままでは、知らないうちに法令違反のリスクを抱えている可能性があります。

就業規則は一度作ったら終わりではありません。会社の成長や時代の変化に合わせて定期的にメンテナンスし、常に「生きたルール」として機能させることが重要です。

ここでは、近年特に注意すべき法改正のポイントを解説します。

時間外労働の上限規制(働き方改革関連法)

働き方改革により、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間と法律で定められました。これを超える可能性がある場合は、従業員代表と「36(サブロク)協定」を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があります。

【見直しチェックリスト】

  • 就業規則に「36協定の範囲内で時間外労働を命じることがある」と明記されていますか?
  • 就業規則の内容と、実際に届け出ている36協定の内容に矛盾はありませんか?

この2つの整合性が取れていないと、ルールとして無効と判断されるリスクがあります。詳細は厚生労働省の時間外労働の上限規制 わかりやすい解説で確認できます。

同一労働同一賃金(パートタイム・有期雇用労働法)

「同一労働同一賃金」の原則により、同じ仕事内容であれば、パートタイマーや契約社員といった雇用形態を理由に、給与や各種手当で不合理な差を設けることは禁止されています。

【見直しチェックリスト】

  • パートタイマー用の就業規則、またはそれに準ずる規定は整備されていますか?
  • 通勤手当や賞与など、正社員のみを対象としている手当がある場合、その待遇差に合理的な理由を説明できますか?
  • 食堂や休憩室などの福利厚生施設の利用を、雇用形態によって制限していませんか?

詳細は厚生労働省の同一労働同一賃金特集ページで確認してください。

育児・介護休業法とハラスメント防止措置の義務化

育児・介護休業法も近年大きく改正され、特に男性の育休取得を促進する「産後パパ育休」制度が新設されました。また、パワーハラスメント防止措置も、今や企業の規模を問わず全ての事業主に義務付けられています。

【見直しチェックリスト】

  • 「産後パパ育休」や育休の分割取得に関する規定が追加されていますか?
  • パワーハラスメントを明確に禁止する方針を記載し、違反した場合の懲戒規定と連携させていますか?
  • 妊娠・出産、育休取得を理由としたいやがらせ(マタハラ)の防止措置についても明記されていますか?

育児・介護休業法については育児・介護休業法改正ポイントのご案内を、ハラスメント防止については職場におけるハラスメントの防止のためにをご参照ください。

近年の主要法改正と就業規則への影響

関連法改正 改正の主な内容 就業規則で対応すべき項目例 参照すべき公式サイト
働き方改革関連法
(時間外労働の上限規制)
時間外労働の上限を原則「月45時間・年360時間」と罰則付きで規定 ・時間外労働は36協定の範囲内で命じる旨を明記
・特別条項付き36協定を締結する場合の要件や手続きの記載
時間外労働の上限規制 わかりやすい解説
パートタイム・有期雇用労働法
(同一労働同一賃金)
正規・非正規間の不合理な待遇差の解消を義務化 ・パートタイム労働者用の就業規則の整備
・各種手当、福利厚生、教育訓練などに関する待遇差の合理性確認と規定見直し
同一労働同一賃金特集ページ
育児・介護休業法 ・「産後パパ育休(出生時育児休業)」の創設
・育児休業の分割取得が可能に
・産後パパ育休制度に関する規定の追加
・育児休業の申し出を円滑にするための措置を記載
・個別の意向確認・周知義務に関する規定
育児・介護休業法改正ポイントのご案内
労働施策総合推進法
(パワハラ防止措置)
事業主に対して、職場におけるパワーハラスメント防止措置を義務化 ・パワハラを禁止する方針の明確化
・パワハラを行った者への懲戒規定の整備
・相談窓口の設置と周知に関する記載
職場におけるハラスメントの防止のために

法改正への対応は専門的な知識が求められます。自社だけでの判断に迷う場合は、社会保険労務士などの専門家に相談するのが最も確実です。P4 MARKETのようなプラットフォームを活用すれば、法改正対応に強い専門家を簡単に見つけ、的確なアドバイスを受けることができます。

就業規則の作成は専門家(社労士)に依頼すべき?判断のポイントと費用感

就業規則の作成には労働法規の専門知識が不可欠なため、多くの企業が社会保険労務士(社労士)のような専門家に依頼します。では、どのタイミングで相談するのが最適なのでしょうか。

専門家の力を借りるべき代表的なタイミングは以下の3つです。

  1. 従業員が10名以上になったとき
    法律で作成・届け出義務が発生するこのタイミングは、専門家に依頼する最も一般的なケースです。
  2. 初めて従業員を雇うと決めたとき
    たとえ従業員が一人でも、労働契約を結んだ瞬間から会社は労働法規を守る義務を負います。トラブルを未然に防ぐため、最初の段階で専門家とルールを整備しておくことは、将来への重要な投資となります。
  3. 助成金の申請を検討し始めたとき
    国の助成金の多くは、適正な就業規則の整備を申請要件としています。「キャリアアップ助成金」などがその典型です。自己流で修正する前に専門家に相談すれば、要件を満たした規定を正確に盛り込めます。

専門家に依頼するメリットと費用の目安

専門家に依頼すれば費用はかかりますが、それ以上の価値があります。

  • 常に最新の法律に対応できる安心感
    頻繁な法改正にもれなく対応し、法務リスクを回避できます。
  • 自社の実態に合わせたオーダーメイド
    無料テンプレートではカバーできない、リモートワークや副業など、自社の文化に合った規定を盛り込めます。
  • トラブルを未然に防ぐノウハウ
    過去の事例に基づき、将来起こりうる労使トラブルを予測し、それを防ぐ条項を先回りして提案してくれます。

社労士に依頼する場合の費用は、依頼内容によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

依頼内容 費用の目安
新規作成 10万円~30万円程度
変更・見直し 5万円~15万円程度
顧問契約(相談業務含む) 月額2万円~

相談前に準備しておくとスムーズなこと

専門家との打ち合わせを効率的に進めるため、事前に以下の情報を整理しておきましょう。

  • 従業員の情報: 雇用形態別の人数、管理監督者の範囲など
  • 現在の労働条件: 始業・終業時刻、休憩、休日、給与体系など
  • 会社独自の制度: 法定外休暇、退職金、賞与、休職ルールなど

これらの準備ができたら、信頼できる専門家を探しましょう。自社の業界に詳しいか、料金体系は明確か、といった視点が重要です。

どこに相談してよいか分からない場合や、まずは気軽に話を聞いてみたいという場合には、P4 MARKETのような専門家マッチングプラットフォームが役立ちます。様々な分野の専門家が登録しており、30分単位でオンライン相談が可能です。会社の現状を相談し、就業規則作成の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

就業規則づくりでよくある質問(Q&A)

ここでは、多くの経営者や人事担当者の方が疑問に思う点をQ&A形式で解説します。

Q1. パートやアルバイト用の就業規則は別に作るべきですか?

A. 必ずしも別ファイルにする必要はありませんが、トラブル防止と分かりやすさの観点から、別の規則として作成するか、既存の規則に「パートタイム労働者に関する特則」といった章を設けることを強く推奨します。

正社員とパートタイマーでは、労働時間や休日、賃金体系が異なることがほとんどです。適用されるルールを明確に分けることで、従業員の混乱を防ぎ、日々の労務管理もスムーズになります。

Q2. 無料のテンプレートをそのまま使っても問題ありませんか?

A. テンプレートをそのまま使うのは非常に危険です。

厚生労働省などが提供するテンプレートは、あくまで一般的な雛形であり、あなたの会社の実情(リモートワーク、副業、独自の休暇制度など)は反映されていません。また、最新の法改正に対応していない可能性もあります。テンプレートは骨子を理解するための「たたき台」として活用し、必ず自社の実態に合わせて内容を具体化・修正することが不可欠です。

Q3. 一度作成した就業規則を変更する際の手続きは?

A. 新規作成時と全く同じ手続きが必要です。

  1. 変更案を作成する
  2. 従業員代表の意見を聴き、意見書をもらう
  3. 労働基準監督署へ届け出る
  4. 変更内容を全従業員に周知する

特に、休日を減らす、手当を廃止するなど、従業員にとって不利益になる変更を行う場合は注意が必要です。この場合、原則として従業員一人ひとりから個別に同意を得る必要があります。不利益変更は労使トラブルの大きな原因となり得るため、変更の必要性を丁寧に説明し、従業員の納得を得るプロセスが欠かせません。少しでも不安があれば、必ず社会保険労務士のような専門家に相談してください。

会社の土台を固める就業規則の作成や見直しは、法的な知識が求められるため、自社だけで完璧に進めるのは容易ではありません。

そんな時、頼りになるのが労務のプロです。P4 MARKETなら、経験豊富な社会保険労務士をはじめとする専門家に、30分単位で気軽にオンライン相談ができます。「この条文は法的に問題ないか?」「助成金を受給するために必要な規定は?」といった具体的な疑問に、専門家が的確にアドバイスします。まずは小さな相談から、あなたの会社をより良くするための一歩を踏出してみませんか。

本記事は2025年10月27日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。