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2025-10-28 不動産相続の税金はいくら?自分でできる計算シミュレーションと節税の基本

作成日: 2025年10月28日

不動産相続の税金計算イメージ

「うちは資産家じゃないから、相続税なんて関係ない」
そう思っていませんか?実は、不動産をひとつ持っているだけで、相続税の課税対象になるケースが珍しくなくなってきています。2015年の税制改正で基礎控除額が引き下げられ、相続税がより身近な問題になりました。ご家族が遺してくれた大切な資産を守るためにも、不動産相続の税金計算の知識は、今や欠かせないものと言えるでしょう。

なぜ今、不動産相続の税金計算が重要なのか

相続税がぐっと身近な問題になった背景には、2015年に行われた税制改正があります。この改正で、相続税の計算の基礎となる「基礎控除額」が、4割も引き下げられたのです。

基礎控除というのは、遺産の総額から差し引ける「ここまでなら税金がかからない」という非課税の枠のこと。この枠が大幅に小さくなったことで、それまでなら相続税とは無縁だったはずの多くのご家庭が、いきなり課税対象になってしまいました。

法改正で課税対象者が倍増したという現実

日本の相続税は、遺産の額が大きくなるほど税率も高くなる仕組み(累進課税)で、10%から最高55%まであります。

特に影響が大きかったのが、2015年の法改正です。基礎控除額が「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」だったものが、「3,000万円+600万円×法定相続人数」へと大幅にダウンしました。

この影響は大きく、相続税の申告が必要になった人の割合(課税割合)は、改正前の全国平均4.4%から、改正後には8.8%へとほぼ倍増。地価の高い東京圏に限って見れば、その割合は14.9%にも達しています。これは、不動産を持つ多くのご家庭にとって、相続税対策がもはや「他人事」ではなくなったことを物語っています。より詳しいデータは国税庁の統計情報で確認できます。

基礎控除額、具体的にどれくらい変わった?

この法改正がどれほどのインパクトだったのか、2015年を境に基礎控除額がどう変わったのかを具体的に見てみましょう。

法改正でどう変わった?基礎控除額の比較

2015年の法改正で基礎控除額がどれだけ減少し、課税対象者が広がったかを視覚的に理解するための比較表です。

法定相続人の数 改正前の基礎控除額 改正後の基礎控除額 差額(減少額)
1人(配偶者のみ等) 6,000万円 3,600万円 -2,400万円
2人(配偶者と子1人) 7,000万円 4,200万円 -2,800万円
3人(配偶者と子2人) 8,000万円 4,800万円 -3,200万円
4人(配偶者と子3人) 9,000万円 5,400万円 -3,600万円

例えば、法定相続人が配偶者とお子さん2人の合計3人という一般的なご家庭の場合、非課税で相続できる財産の上限が一気に3,200万円も減ってしまったのです。

相続財産の中で、不動産が占める割合は非常に大きいものです。そのため、都心やその近郊に一戸建てやマンションを所有しているだけで、この4,800万円という基準をあっさり超えてしまう可能性は十分にあります。

ご自身の状況が課税対象になるかもしれないと正しく把握し、早めに対策を考えておくこと。それが、賢い相続への第一歩です。

ただ、不動産の評価や特例の適用には複雑な要素が絡み合います。少しでも不安を感じたら、専門家である税理士に相談するのが一番の近道です。例えばP4 MARKETのようなプラットフォームでは、相続に強い税理士をオンラインで手軽に見つけ、個別の状況に合わせたアドバイスを受けることができます。まずは専門家の視点から、ご自身の状況を客観的に見てもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。

相続税のキモになる「評価額」。実は自分でも調べられます

相続税の路線価を調べるための国税庁のウェブサイト

不動産の相続税を考える上で、避けては通れないのが「相続税評価額」の算出です。これが全ての計算のスタート地点になります。特に土地の評価は難しそうに感じるかもしれませんが、基本的なルールさえ分かっていれば、ご自身でおおよその金額を把握することは十分可能です。

ここで大切なのは、この「評価額」が、実際に売買される市場価格(実勢価格)とは全くの別物だということです。あくまで相続税を計算するためだけに設定された、特別な価格です。税理士に相談する前に、この評価額の概算だけでも掴んでおけば、資金計画や対策の方向性が見えてきて、非常にスムーズに話を進めることができます。

土地の評価方法は「路線価」か「倍率」の2種類

相続税の土地評価には、大きく分けて2つの方法があります。どちらを使うかは、その土地がどこにあるかで自動的に決まります。

  • 路線価方式: 主に市街地の土地で使われる方法です。土地が面している道路ごとに設定された1㎡あたりの価格(路線価)をベースに計算します。
  • 倍率方式: 路線価が設定されていない郊外や農村部などで使われます。こちらは固定資産税評価額に、国税庁が決めた一定の倍率を掛けて算出します。

ご自身の土地がどちらに当てはまるかは、これから紹介する国税庁のサイトで一目瞭然です。まずは「評価には2つのやり方があるんだな」と頭の片隅に置いておいてください。

国税庁のサイトで「路線価」を調べてみよう

では、最も一般的な「路線価方式」を例に、具体的な調べ方を見ていきましょう。使うのは、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」というサイトです。誰でも無料で、相続が発生した年の路線価を確認できます。

サイトを開いたら、あとは地図をたどるような感覚で進めていくだけです。

  1. まず、トップページで不動産のある都道府県を選びます。
  2. 次に表示されるメニューから「路線価図」をクリック。
  3. あとは、市区町村 → 町名 と絞り込んでいきます。
  4. 地図が表示されたら、目的の土地を探しましょう。

目的の土地が見つかると、その土地が面している道路に「300C」といった記号と数字が書かれているはずです。これこそが、計算の基礎となる路線価です。

路線価の見方:「300C」ってどういう意味?
この「300C」は、「1㎡あたり300千円(つまり30万円)ですよ」という意味です。末尾のアルファベット「C」は借地権割合(この場合は70%)を示しますが、ご自身で所有している土地(自用地)の評価では、ひとまず数字の部分だけに着目してください。

路線価が分かれば計算は意外とシンプル

路線価さえ分かってしまえば、評価額を出す計算式はとても簡単です。

土地の評価額 = 路線価 × 土地の面積(㎡)

先ほどの例で、路線価が「300C」(1㎡あたり30万円)、土地の面積が200㎡だったとしましょう。
この場合、評価額は 30万円 × 200㎡ = 6,000万円 となります。これが、相続税を計算するときの、この土地の基本的な評価額になるわけです。

もちろん、これはあくまで基本形です。土地の形がいびつだったり(不整形地)、角地だったり、逆に道路に接している部分が極端に狭かったりすると、評価額を調整するための「補正」という作業が入ります。この補正計算はかなり専門的で複雑なので、正確な評価額を知るには、やはり専門家の力が必要になります。

土地の相続税評価の基準となる路線価は、毎年7月1日に国税庁から公表されます。近年は全国的に上昇傾向が続いており、特に都市部ではその伸びが顕著です。路線価が上がれば、当然、相続税評価額も上がり、税金の負担増に直結します。これまでなら基礎控除内で収まっていたのに、地価の上昇で課税対象になってしまったというケースも珍しくありません。相続財産に不動産が含まれるなら、国税庁が公表する最新の路線価情報で、ご自身の地域の動向をチェックしておくことをお勧めします。

このように、基本の評価額はご自身でも調べられますが、特例の適用などを考えると、正確な税額計算には専門知識が欠かせません。相続に強い税理士を探すなら、P4 MARKETのようなプラットフォームで、ご自身の状況に合った専門家を見つけて相談するのが賢明な選択と言えるでしょう。

モデルケースで学ぶ、相続税の計算シミュレーション

電卓とペンを使って書類上で計算している様子

不動産の評価方法や相続税の仕組みをひと通り理解しても、「じゃあ、うちの場合は一体いくらになるの?」という疑問が残りますよね。そこで、ここからは具体的なモデルケースを使って、実際に相続税がどうやって計算されるのか、その流れを一緒にたどってみましょう。

このシミュレーションを通して、「基礎控除」や「法定相続分」といった、よく耳にするけれど少し難しいキーワードが、計算のどの段階でどう関わってくるのかを体感していただけるはずです。

今回のモデルケース設定

まずは、シミュレーションの土台となる家族構成と財産の内訳を見ていきましょう。ごく一般的なご家庭を想定しています。

  • 亡くなった方(被相続人): 父
  • 相続人: 母、長男、次男 の3人
  • 遺産総額: 8,000万円
    • 自宅(土地・建物)の相続税評価額: 5,000万円
    • 預貯金: 3,000万円
  • 債務・葬式費用: なし(話を分かりやすくするため)

都心近郊に持ち家があり、ある程度の預貯金があるご家庭、といったイメージです。ぜひ、ご自身の状況と比べながら読み進めてみてください。

1. 税金がかかるのはいくら?「課税遺産総額」を出す

相続税の計算で真っ先にやることは、「そもそも、いくらの財産に対して税金がかかるのか」をハッキリさせることです。この金額を「課税遺産総額」と呼びます。

計算自体はいたってシンプル。遺産の合計額から「基礎控除」という非課税枠を差し引くだけです。

課税遺産総額 = 遺産総額 − 基礎控除額

まずは、その「基礎控除額」を計算しましょう。計算式は法律で決まっていて、「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」となります。

今回のケースでは、相続人は母、長男、次男の3人。
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円
というわけです。

この4,800万円という非課税枠を、遺産の総額から引きます。

課税遺産総額 = 8,000万円(遺産総額) − 4,800万円(基礎控除額) = 3,200万円

つまり、相続税がかかる対象は3,200万円だということが分かりました。もし遺産総額が基礎控除額の4,800万円を下回っていれば、相続税はゼロ。原則、申告も必要ありません。

2. 相続税は全部でいくら?「相続税の総額」を計算する

次に、先ほど算出した課税遺産総額3,200万円をもとに、この相続全体で支払うべき税金の合計額(相続税の総額)を求めます。

ここで一つ、面白いルールがあります。実際の分け方はいったん脇に置いておいて、法律で定められた「法定相続分」で遺産を分けたと仮定して、税額を計算するのです。

法定相続分とは?
誰がどれくらいの割合で遺産を相続するかの目安を、民法が定めたものです。今回の「配偶者と子2人」というケースでは、配偶者が1/2、残りの1/2を子どもたちで均等に分けるので、長男と次男はそれぞれ1/4ずつとなります。

この法定相続分にしたがって、課税遺産総額の3,200万円を仮に分けてみましょう。

  • : 3,200万円 × 1/2 = 1,600万円
  • 長男: 3,200万円 × 1/4 = 800万円
  • 次男: 3,200万円 × 1/4 = 800万円

そして、この金額ごとに、国税庁の速算表を使って税額を計算します。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% -
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
(以下省略)

出典: 国税庁「No.4155 相続税の税率」

この表にあてはめて計算すると…

  • : 1,600万円 × 15% − 50万円 = 190万円
  • 長男: 800万円 × 10% = 80万円
  • 次男: 800万円 × 10% = 80万円

最後に、これらを全部足し合わせます。

相続税の総額 = 190万円 + 80万円 + 80万円 = 350万円

これで、この家族が納めるべき相続税のトータル金額が350万円だと確定しました。

3. 誰がいくら払う?最終的な納税額を決める

いよいよ最終ステップです。先ほど計算した相続税の総額(350万円)を、実際に遺産を相続した割合で割り振って、一人ひとりの納税額を決めます。

今回は、家族で話し合った結果、次のように遺産を分けることになったとしましょう。

  • : 自宅不動産(5,000万円)と預貯金1,000万円、合計6,000万円を相続
  • 長男: 預貯金1,000万円を相続
  • 次男: 預貯金1,000万円を相続

実際の相続割合は、母が6,000万円/8,000万円 = 3/4、長男と次男はそれぞれ1,000万円/8,000万円 = 1/8ですね。この割合で、相続税の総額350万円を分け合います。

  • 母の納税額(按分後): 350万円 × 3/4 = 262.5万円
  • 長男の納税額: 350万円 × 1/8 = 43.75万円
  • 次男の納税額: 350万円 × 1/8 = 43.75万円

これで終わり…かと思いきや、ここで非常に重要な制度、「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」が登場します。

これは、配偶者が相続する財産については、法定相続分(このケースでは1/2)または1億6,000万円の、どちらか多い方の金額までは相続税がかからない、という非常に強力な特例です。

今回のケースで母が相続した6,000万円は、法定相続分(8,000万円の1/2 = 4,000万円)を超えていますが、1億6,000万円という大きな枠には余裕で収まっています。

そのため、この特例を使うことで、母の納税額262.5万円は全額カットされ、なんと0円になるのです。

結果として、最終的に納める税額はこうなります。

  • : 0円
  • 長男: 43.75万円
  • 次男: 43.75万円

いかがでしたか? 特例を一つ知っているかどうかで、納税額が劇的に変わることがお分かりいただけたと思います。このシミュレーションはあくまで概算を知るためのもの。実際の申告では、土地の評価や使える特例の判断など、専門的な知識が欠かせません。

ご自身の状況で正確な税額を知りたい、一番良い分け方を相談したいという方は、P4 MARKETのようなプラットフォームで相続税に強い税理士を探し、一度専門家の意見を聞いてみることを強くお勧めします。

相続税をぐっと軽くする特例・控除。知っているかどうかで大違い!

相続税の特例と控除のイメージ

ここまでのシミュレーションで、特例や控除がいかに相続税額にインパクトを与えるか、少しイメージが掴めたのではないでしょうか。相続税は高額になりがちですが、国が認めている制度をうまく活用すれば、負担を劇的に減らすことも夢ではありません。

特に不動産が絡む相続では、「小規模宅地等の特例」と「配偶者の税額軽減」が節税の二大巨頭と言えます。どちらも非常にパワフルな制度ですが、使えるかどうかは相続人それぞれの状況次第。だからこそ、正しい知識が何よりの武器になるのです。

最も強力な節税策「小規模宅地等の特例」

数ある特例の中でも、特に効果絶大なのが「小規模宅地等の特例」です。これは、亡くなった方が住んでいた土地などを、一定の条件を満たす親族が引き継いだ場合に、なんと土地の評価額を最大80%もカットできるという、まさに切り札のような制度。

例えば、5,000万円と評価された土地でも、この特例が使えれば評価額はわずか1,000万円に。この金額を元に相続税が計算されるわけですから、その差は歴然です。

国税庁の統計を見ても、相続財産のうち土地が占める割合は約3割と非常に大きい。だからこそ、土地の評価額を大幅に圧縮できるこの特例のインパクトは計り知れません。使えるか使えないかで、納税額が数百万円、ときには数千万円も変わってしまうケースは決して珍しくないのです。

ただし、この特例は適用要件がかなり複雑です。確実に特例を活用するためにも、まずは国税庁のウェブサイトで概要を掴み、早めに税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

誰が相続するかでガラリと変わる適用条件

この特例のキモは、「誰がその土地を相続し、その後どうするのか」という点にあります。代表的なパターンを見てみましょう。

  • 配偶者が相続する場合
    最も条件が緩やかで、特例を適用しやすい立場です。相続後にその土地を売ろうが、別の場所に住もうが、問題なく適用されます。
  • 同居していた親族が相続する場合
    亡くなった方と一緒に暮らしていたお子さんなどが相続するケースです。この場合、相続税の申告期限(亡くなってから10ヶ月後)までその土地を持ち続け、かつ、そこに住み続ける必要があります。
  • 別居していた親族が相続する場合(家なき子特例)
    これが一番ハードルが高いパターン。亡くなった方に配偶者も同居の親族もおらず、さらに土地を相続する側(お子さんなど)が過去3年間、自分や配偶者が所有する家に住んだことがない、といった複数の厳しい条件をクリアしなければなりません。
ケーススタディで考える

お父様が亡くなり、実家の土地を誰が相続するかという場面を想像してみましょう。

同居していた長男が相続する場合: 申告期限まで住み続けることで特例を使えます。
別居している次男が相続する場合: すでにマイホームを持っている場合、原則としてこの特例は使えません。

このように、誰が相続するかで納税額が天と地ほど変わる可能性があるのです。遺産をどう分けるか話し合う(遺産分割協議)際には、この特例が使えるかどうかを必ず念頭に置いておく必要があります。

「配偶者の税額軽減」と、その先の「二次相続」という視点

もう一つ、忘れてはならない強力な制度が「配偶者の税額軽減」です。これは、配偶者が相続した財産のうち、「法定相続分」か「1億6,000万円」のどちらか多い方の金額までは、相続税が一切かからないというもの。

この制度のおかげで、多くの場合、配偶者の相続税はゼロになります。しかし、ここで一つ落とし穴が。「二次相続」の問題です。

二次相続とは、今回の相続(一次相続)で財産を受け取った配偶者(例えばお母様)が亡くなったときに発生する、次の相続のことです。

長い目で見たときの注意点

一次相続の際に「とりあえず全部お母さんに相続してもらえば、税金はかからないから安心だ」と考えるのは、少し早いかもしれません。なぜなら、次の二次相続でこんな問題が起こりうるからです。

  • 相続人が減り、基礎控除額が小さくなる: お母様が亡くなった後の相続人はお子さんだけ。法定相続人の数が減るため、基礎控除の枠自体が小さくなります。
  • 配偶者の税額軽減が使えない: 当然ですが、二次相続ではこのパワフルな特例は使えません。
  • 小規模宅地等の特例が使えなくなる可能性: 一次相続でお母様が実家を相続し、その後施設に入ったりして実家が空き家になると、二次相続のときにお子さんたちが小規模宅地等の特例を使えなくなるリスクがあります。
賢い相続のポイント
目先の一次相続の税額だけで判断するのは禁物です。本当に大切なのは、二次相続まで見越して、家族全体でのトータルの納税額が最も少なくなる分割方法を考えること。

一次相続の段階でお子さんたちもある程度の財産を相続しておけば、二次相続でのお母様の財産を減らし、結果的に納税総額を抑えられるケースも多いのです。

これらの特例をどう適用するか、二次相続までシミュレーションして最適な分割案を考えるのは、非常に専門的な知識が求められます。どの方法がご家族にとってベストなのか、経験豊富な税理士に相談するのが一番の近道です。

相続税に強い専門家を探すなら、P4 MARKETのようなプラットフォームで、気軽に相談できる相手を見つけてみるのも良いでしょう。ご自身の状況に合わせた的確なアドバイスが、きっと見つかるはずです。

申告と納税で失敗しないための実践チェックリスト

不動産の評価や相続税の計算がようやく終わったとしても、最後の申告と納税でつまずいてしまっては、これまでの苦労が水の泡です。

相続が始まったことを知った日から、申告・納税の期限まではたったの10ヶ月。この短い期間でやるべきことを漏らさず、そして冷静に進めるための実践的なチェックリストを用意しました。これを道しるべに、複雑な手続きの全体像をつかみ、一つひとつのタスクを確実に片付けていきましょう。

□ 【相続発生〜3ヶ月】まずやるべきこと

相続が起きた直後は、精神的にも時間的にも、なかなか落ち着かないものです。ですが、この時期に済ませておかなければならない大切な手続きがあります。

  • 遺言書はありますか?: まずは故人の遺言書を探しましょう。公正証書遺言以外の場合、家庭裁判所で「検認」が必要です。
  • 相続人を確定させる: 故人が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本をすべて集め、法律上の相続人を確定させます。
  • 相続放棄・限定承認の検討: 遺産に借金が多い場合、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所で「相続放棄」や「限定承認」の手続きを検討します。

□ 【4ヶ月〜10ヶ月】申告に向けた本格的な準備

相続人と遺産の全体像が見えてきたら、いよいよ申告書作りのための具体的な準備に取り掛かります。ここが、一番時間と手間がかかる山場です。

  • 財産目録をつくる: 不動産、預貯金、有価証券などのプラスの財産と、借入金などのマイナスの財産をすべてリストアップします。
  • 遺産分割協議を行う: 相続人全員で、誰がどの財産を引き継ぐのかを話し合い、「遺産分割協議書」を作成します。
  • 相続税申告書を作成する: 遺産分割協議の内容をもとに、申告書を作成します。各種特例を使う場合は、添付書類も準備します。この作業は非常に専門的なため、税理士に依頼するのが一般的です。
納税資金の準備は早めに動き出すのが鉄則
相続財産のほとんどが不動産というケースでは、納税のためのお金が手元にない、という問題が本当によく起こります。相続した不動産を売って資金をつくるのも一つの手ですが、すぐに買い手が見つかるとは限りません。売却も視野に入れるなら、できるだけ早い段階から準備を始めることが何より重要です。

□ 【10ヶ月以内】いよいよ申告と納税

さあ、最終段階です。期限内にきっちり申告と納税を済ませましょう。

  • 税務署へ申告書を提出: 完成した相続税申告書を、亡くなった方の最後の住所地を管轄する税務署へ提出します。
  • 相続税を納める: 金融機関の窓口やe-Taxなどを利用して、計算した相続税を納付します。納税は現金一括払いが原則です。

もし、どうしても現金での一括納付が難しい場合は、「延納」や「物納」といった方法も検討できます。ただし、延納は担保が必要で利子税がかかりますし、物納は適用条件が非常に厳しく、最終手段と考えるべきです。これらの制度の利用を考えているなら、必ず事前に税務署や税理士に相談してください。詳しくは国税庁のウェブサイトでも確認できます。

相続手続きは複雑なうえに、期限もシビアです。少しでも不安を感じたり、何から手をつけて良いか分からなくなったりしたら、ためらわずに専門家の力を借りるのが賢明な判断と言えるでしょう。P4 MARKETのようなプラットフォームを使えば、相続に強い税理士を簡単に見つけて、オンラインで気軽に相談を始めることも可能です。万全の準備で、大切な資産を次世代へスムーズに引き継ぎましょう。

不動産の相続税、みんなが気になるギモンを解決

不動産の相続税について考えていると、次から次へと疑問や不安が出てくるものですよね。ここでは、特に多くの方がつまずきやすいポイントをピックアップして、Q&A形式でスッキリ解説していきます。具体的な答えを知ることで、きっと次の一歩が見えてくるはずです。

Q1. 相続した家を売って、納税資金にしたいんだけど…

親から相続した実家を売却して、そのお金で相続税を払おうと考えています。何か気をつけることはありますか?

A1. はい、注意すべきは「タイミング」と「別の税金」という、2つの大きなポイントです。

まずタイミングの話から。相続税の納税は、相続が始まったことを知った日の翌日から10ヶ月以内と、実はかなりタイトなスケジュールなんです。この短い期間内に、家を売却して現金を手元に用意しなければなりません。不動産の売却は思った以上に時間がかかることも多いので、「納税資金に」と考えているなら、できるだけ早く動き出すのが成功のカギになります。

そして、もう一つ忘れてはならないのが別の税金の存在です。不動産を売って利益が出ると、その利益に対して「譲渡所得税」という税金がかかってきます。

ただし、相続が始まってから3年10ヶ月以内に売却すれば、「取得費加算の特例」という制度を使える可能性があります。これは、支払った相続税の一部を不動産の取得費として上乗せできる、いわば節税の切り札。この特例をうまく活用すれば、譲渡所得税の負担をグッと軽くできるので、売却の計画は戦略的に進めることがとても重要です。

相続した不動産の売却は、相続税と譲渡所得税という2種類の税金が複雑に絡み合います。どのタイミングで売るのがベストか、どの特例を使うのが一番得なのかは、状況によってまったく異なります。後悔しないためにも、税理士のような専門家に相談しながら進めるのが賢明な選択と言えるでしょう。

Q2. 兄弟で公平に、共有名義で相続するのはアリ?

兄弟で揉めないように、実家を共有名義で相続するのは良い方法でしょうか?メリットとデメリットを教えてください。

A2. その場は丸く収まるかもしれませんが、将来を考えるとデメリットの方が大きいケースがほとんどです。

確かに、法定相続分どおりに共有名義にすれば、見た目上は公平で、その場は誰も文句を言わずに解決したように感じられるでしょう。これがメリットと言えばメリットです。

しかし、その先に待ち受けているかもしれないデメリットは、想像以上に厄介です。

  • 何も決められない…: 将来、その家を「売りたい」「リフォームしたい」「誰かに貸したい」と思っても、共有者全員の同意がなければ何もできません。一人でも「NO」と言えば、話はそこでストップしてしまいます。
  • 権利関係がどんどん複雑に: 共有者の一人が亡くなった場合、その人の持ち分が、今度はその人の相続人たちへ…と、ネズミ算式に権利者が増えていき、誰も手が付けられない「負動産」になってしまうリスクがあるのです。

安易に共有名義を選ぶと、将来のトラブルの火種を自ら作ってしまうことにもなりかねません。例えば、誰か一人が家を相続する代わりに、他の兄弟には現金(代償金)を渡す「代償分割」といった方法もあります。目先のことだけでなく、長い目で見てベストな方法をじっくり話し合うことが大切です。

Q3. 税理士さんには、いつ相談するのがベスト?

相続税のことで税理士に相談したいのですが、どのタイミングで連絡するのが一番いいのでしょうか?

A3. 結論から言うと、相続が発生してすぐ。四十九日の法要などが終わって、少し気持ちが落ち着いた頃がベストタイミングです。

相続税の申告準備は、皆さんが思っている以上にやることがたくさんあります。故人の戸籍謄本をすべて集めたり、各銀行から残高証明書を取り寄せたり、そして不動産の評価をしたり…。

10ヶ月という期限は、長いようで本当にあっという間です。期限ギリギリになって慌てて駆け込むと、節税効果が非常に大きい「小規模宅地等の特例」が使えるかどうかをじっくり検討する時間もなく、結果的に余計な税金を払うことにもなりかねません。

早めに相談すれば、専門家も時間に余裕を持って財産の評価ができ、二次相続(次の相続)まで見据えた最適な遺産分割プランや節税対策を提案してくれます。最近は初回相談を無料で行っている事務所も多いので、まずは専門家の話を聞いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。


不動産の相続には、専門的な知識が不可欠な場面が必ず出てきます。一人で抱え込まず、まずは専門家に話を聞いてもらうことが、スムーズで円満な解決への一番の近道です。

P4 MARKETなら、相続に強い税理士や弁護士といった専門家をオンラインで手軽に見つけ、30分単位で気軽に相談できます。あなたの状況にぴったりの専門家を探してみてください。

本記事は2025年10月28日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。