2025-11-06 役員報酬の決め方を徹底解説|損金算入の条件と適正相場を専門家が解説
作成日: 2025年11月6日
役員報酬をどう決めるか。これは多くの経営者が直面する課題ですが、税務上の観点から見ると、押さえるべきポイントは非常にシンプルです。それは、支払う報酬が法人税法上の「損金」として認められるかどうか、この一点に尽きます。
損金に算入できれば、その分会社の利益が圧縮され、結果として法人税の負担を軽減できます。しかし、そのためには税法で定められた厳格なルールを守る必要があります。この記事では、役員報酬を決める上で不可欠な税務上のルール、適正な金額設定のプロセス、そして避けるべき落とし穴まで、実務的な視点からわかりやすく解説します。
役員報酬を損金にするための3つの支払い方
従業員の給与と異なり、役員報酬は会社の利益を意図的に操作することを防ぐため、いつでも自由に変更できるわけではありません。この税務上のルールを最初にしっかり理解しておくことが、後々の「こんなはずではなかった」という税務上のトラブルを避けるための第一歩です。
損金として認められる役員報酬の支払い方には、大きく分けて3つの種類があります。
1. 定期同額給与
多くの中小企業で採用されているのが、この「定期同額給与」です。その名の通り、毎月決まった日に、決まった金額を支払う、最も一般的な給与形態です。
- 支払いのタイミング: 1ヶ月以下の決まった期間ごと
- 金額: 毎月の支給額が同額であること
重要なポイントは、この給与額を事業年度開始の日から3ヶ月以内に株主総会などで決定し、その事業年度が終了するまで金額を変更せずに支払い続ける必要がある点です。年度の途中で「予想より利益が出たから」と安易に増額すると、その増額分は損金として認められません。ここは特に注意が必要です。
2. 事前確定届出給与
役員にも賞与(ボーナス)を支給し、かつそれを損金にしたい場合に利用するのがこの方法です。通常、役員への賞与は利益処分と見なされ損金にはなりませんが、この手続きを踏むことで例外的に損金算入が認められます。
具体的には、「いつ」「どの役員に」「いくら」支払うのかを事前に株主総会で決議し、その内容を「事前確定届出給与に関する届出書」として税務署に提出します。そして、届け出た内容と1円違わず、1日もずらさずに支給することが絶対条件です。届出期限も厳格に定められているため、計画的な準備が求められます。
3. 業績連動給与
会社の利益や株価といった客観的な指標に連動して報酬額が決まる仕組みで、主に上場企業などで導入されています。
業績連動給与を損金にするには、報酬の算定方法が有価証券報告書で開示されていることなど、非常に厳しい要件が課せられています。このため、日本の企業の大多数を占める非上場の同族会社では、この制度を損金算入の形で利用することは事実上困難です。より詳しい要件については、国税庁のウェブサイト「役員給与に関するQ&A」で確認することをおすすめします。
ここで、税務上損金として認められる3つの役員報酬について、それぞれの特徴を比較してみましょう。
損金算入できる役員報酬の3つの種類
| 報酬の種類 | どのようなものか | 主な適用条件 | メリット・デメリット |
|---|---|---|---|
| 定期同額給与 | 毎月決まった額を支払う給与。最も一般的な方法。 | ・事業年度開始から3ヶ月以内に改定 ・毎月の支給額が同額であること |
メリット: 手続きがシンプルで管理しやすい。 デメリット: 年度途中の変更が原則不可。 |
| 事前確定届出給与 | いわゆる役員賞与。事前に税務署へ届出が必要。 | ・株主総会で支給時期・金額を決定 ・所定の期限内に税務署へ届出 ・届出通りに支給 |
メリット: 役員賞与を損金にできる。 デメリット: 手続きが厳格で、1円でも違うと全額が損金不算入に。 |
| 業績連動給与 | 会社の業績指標に連動して支給額が決まる報酬。 | ・算定方法が客観的かつ開示されている ・有価証券報告書への記載など |
メリット: 業績への貢献意欲を高める。 デメリット: 非上場の中小企業ではほぼ適用不可。 |
自社の状況に合わせて、どの方法が最も適しているかを見極めることが重要です。もしこれらのルールを無視して役員報酬を支払うと、その報酬は損金として認められず、会社は法人税を支払うことになります。さらに、報酬を受け取った役員個人にも所得税が課されるため、いわば税金の二重払いという事態に陥りかねません。
役員報酬の決定は、こうした税務上のルールだけでなく、会社法上の手続きも絡んできます。専門的な判断が求められる場面も多いため、税理士のような専門家のアドバイスを受けながら進めるのが最も安全で確実な方法と言えるでしょう。
P4 MARKETでは、経験豊富な税理士に30分単位でオンライン相談が可能です。自社にとって本当に最適な報酬額はいくらなのか、手続きに間違いはないか、気軽にセカンドオピニオンを求めてみてはいかがでしょうか。
役員報酬の適切な金額を決める実践プロセス
役員報酬を損金にするための基本ルールを押さえた次に、多くの経営者が直面するのが、「具体的にいくらに設定すれば良いのか?」という金額そのものの問題です。
このプロセスを感覚やどんぶり勘定で決めてしまうのは非常に危険です。客観的なデータに基づき、丁寧なシミュレーションを重ねる論理的なアプローチが欠かせません。
ステップ1:事業計画から報酬の「原資」を把握する
役員報酬を決める上で、まず行うべきは自社の「支払い能力」を冷静に見極めることです。今期の事業計画や過去の実績をもとに、年間の売上と経費を予測し、利益がどの程度になりそうかを見積もることから始めましょう。
この予測利益こそが、役員報酬として支払える金額の元手(原資)となります。ここで重要なのは、あくまで現実的な数字で考えることです。希望的観測に基づいた計画は、将来の資金繰りを圧迫する原因になります。
【ケーススタディ】
年間の予測利益が1,500万円と見込めたとします。この1,500万円を、「役員報酬」「法人税」「将来のための内部留保」にどう振り分けるか。この最初の配分計画が、その後のシミュレーションの土台となります。
ステップ2:会社と個人の「税負担バランス」を最適化する
役員報酬設定の核心は、「会社」と「役員個人」を合わせたトータルの手取り額をいかに最大化するか、という点にあります。
役員報酬を高くすれば会社の利益が減るため法人税は安くなりますが、その分、役員個人の所得が増え、所得税・住民税、社会保険料の負担が重くなります。このバランスを取ることが非常に重要です。
- 法人税: 会社の利益(所得)にかかる税金
- 所得税・住民税: 役員個人の給与所得にかかる税金
- 社会保険料: 会社と役員個人がそれぞれ折半で負担
これらの税金や社会保険料は、金額が大きくなるほど税率も上がる「累進課税」が基本です。そのため、単純に報酬を増やせば手取りが増えるわけではありません。
ステップ3:シミュレーションで「最適な報酬額」を見つけ出す
会社と個人の税・社会保険料の負担合計が最も少なくなる「最適ポイント」を見つけるには、シミュレーションが最も確実で有効です。
例えば、年間の予測利益が1,200万円の会社で、役員1名の報酬を決めるケースを考えてみましょう。
-
役員報酬600万円(月50万円)の場合
- 会社の利益は600万円となり、これに法人税がかかります。
- 役員個人は600万円の所得に対し、所得税・住民税・社会保険料を支払います。
-
役員報酬960万円(月80万円)の場合
- 会社の利益は240万円に減り、法人税は安くなります。
- しかし、個人の所得は960万円に増えるため、より高い税率が適用され、税・社会保険料の負担は一気に増加します。
このように複数のパターンで「会社に残るキャッシュ」と「個人の手取り額」の合計を実際に計算し、どの金額設定が最も効率的かを比較検討します。特に社会保険料は会社と個人の双方に負担が重く、シミュレーションでは絶対に見落とせないコストです。
役員報酬の決め方は、会社の資金繰りと節税戦略の根幹をなす、きわめて重要な経営判断です。最適なバランスを見つけるには、法人税だけでなく、所得税や社会保険料に関する専門知識も必要になってきます。
自社だけでシミュレーションを行うのは難しいと感じたら、税理士のような専門家に相談するのが賢明でしょう。P4 MARKETのようなプラットフォームを活用すれば、必要な時に必要なだけ専門家のアドバイスを受けることも可能です。専門家の視点を取り入れることで、より納得感のある意思決定ができるはずです。
役員報酬の「妥当な金額」はどう決める?税務調査で否認されないために
役員報酬を決める上で、避けて通れないのが「金額の妥当性」という観点です。
もし税務調査で「この役員の報酬は職務内容に比して高すぎる(過大役員報酬)」と判断されると、その超過分は経費(損金)として認められず、結果的に追徴課税が発生する可能性があります。
そうならないためには、客観的なデータ、つまり「世間一般の相場」を把握し、自社の報酬額がそこから大きく外れていないことを論理的に説明できるように準備しておく必要があります。
1. 公的データで客観的な「ものさし」を持つ
報酬の妥当性を判断する上で、最も基本となるのが国税庁が毎年公表している統計データです。
- 民間給与実態統計調査: この調査では、企業の資本金規模や業種別に役員報酬の平均額がまとめられています。まずはこのデータで、自社がどのあたりに位置するのか、大まかな立ち位置を把握しましょう。
例えば、「資本金2,000万円未満の製造業」といった自社に近い条件の平均値を確認できます。こうした公的データは、税務署に対して説明する際の有力な根拠となります。詳しいデータは国税庁のウェブサイトで確認できますので、一度目を通しておくことをお勧めします。
2. 業界・地域の相場を調査する
国税庁のデータはあくまで全国平均です。より説得力のある根拠を持つためには、さらに踏み込んだリサーチが有効です。
- 業界団体や調査会社のレポート: 特定の業界に絞った報酬データや、地域の経済団体が発表する資料は非常に参考になります。
- 同業他社の動向: 競合他社の求人情報や、可能であれば取引先などから同業種の報酬に関する情報を集め、より実態に近い相場観を掴んでおきましょう。
最近の調査レポートを見ると、役員報酬決定において同業他社の水準を意識することがいかに重要かがわかります。ある調査では、大企業のCEO報酬が4年間で約25%増加した背景として、「ベンチマーク企業の報酬水準上昇を踏まえた見直し」が最大の理由に挙げられていました。他社の動きが自社の経営判断に影響を与える良い例です。より詳しい内容は、こちらのレポートでご覧いただけます。
3. 相場と「自社の個別事情」を総合的に判断する
もちろん、役員報酬は単純に相場に合わせれば良いわけではありません。最終的には、客観的なデータと、その会社ならではの個別事情を組み合わせて総合的に判断することが求められます。
説明責任を果たすために、以下の点を整理しておきましょう。
- 役員の職務内容と貢献度: 代表取締役なのか、特定の事業を統括する役員なのか。その責任の重さや、会社にもたらした利益を具体的に説明できるようにしておきます。
- 会社の業績や成長ステージ: 投資が先行する創業期なのか、安定期に入り利益を還元する段階なのか。会社の状況によって適切な報酬水準は変わります。
なぜこの金額にしたのか?その理由や議論のプロセスを、株主総会や取締役会の議事録にきちんと記録しておくことが、何よりの防御策になります。万が一、税務調査で質問されたとしても、その記録をもとに論理的に説明できるからです。
役員報酬の妥当性というテーマは、税務の専門知識が絡むデリケートな領域です。少しでも不安があれば、税理士などの専門家に相談し、プロの視点からアドバイスをもらうことを強くお勧めします。
報酬決定の証拠となる「株主総会議事録」は必ず作成・保管する
役員報酬の金額が決まったら、その決定を「法的に有効」にする手続きが必要です。これを怠ると、せっかく適正な金額を設定しても、税務調査で「これは経費(損金)ではありません」と指摘されるリスクがあります。
そもそも役員報酬は、会社法361条により、定款または株主総会の決議で定めるよう義務付けられています。多くの中小企業では定款に具体的な金額まで記載しないため、株主総会での決議が一般的です。
なぜ議事録が重要なのか?
「身内だけの会社なのに、形式的な書類は...」と感じるかもしれません。しかし、税務調査において、株主総会議事録は「役員報酬が適正な手続きを経て決められたこと」を証明する唯一の公的な証拠となります。
税務調査官は、まず間違いなくこの議事録の提示を求めます。もし議事録がなかったり、記載内容が不十分だったりすると、「社長が恣意的に決めた報酬」と見なされ、損金算入を否認されるリスクが著しく高まります。
役員報酬は経営者の独断で決めるものではなく、会社の最高意思決定機関である株主総会で承認を得て初めて、その正当性が認められます。この「手続きを踏んだ」という客観的な事実こそが、会社と経営者自身を守る盾になるのです。
議事録に最低限記載すべき項目 checklist
税務調査で指摘されないためには、以下の項目を漏れなく記載することが鉄則です。
- 開催日時と場所: いつ、どこで総会が開かれたか
- 出席者: 出席した株主や役員の氏名
- 議案: 「役員報酬額改定の件」など、何を決めるための総会か
- 決議内容: 具体的に誰の報酬を、いくらにするのか(役員全体の報酬総額の上限を決め、個別の配分は取締役会に一任する方法も一般的です)
- 承認の事実: 議案が適法に可決された旨
国税庁のウェブサイトでも、役員給与が損金になるための要件が明確に示されています。
この画像が示すように、損金として認められる給与の前提には「定時株主総会その他これに準ずるものの決議」があります。つまり、議事録という客観的な証拠がなければ、税務上のスタートラインにすら立てないということです。
「どうせ自分たちしか見ないから」と軽視せず、法的に有効な議事録を作成し、いつでも提示できるよう大切に保管しましょう。この地道な作業が、将来の予期せぬ税負担という大きなリスクを確実に減らしてくれます。もし手続きに少しでも不安があれば、P4 MARKETのようなプラットフォームで専門家に相談し、議事録の書き方や内容をチェックしてもらうのも賢明な選択です。
役員報酬の決定で経営者が陥りがちな3つの落とし穴
役員報酬の決め方には、税務上のルールや守るべき手続きがあります。これらは知識として知っていても、「うっかり」や「これくらい大丈夫だろう」という思い込みから、後で手痛い失敗につながるケースが後を絶ちません。
ここでは、多くの経営者が陥りがちな典型的な失敗パターンを3つ、具体的な対策とあわせて解説します。
罠1:「思ったより利益が出たから期末にボーナス」
決算が近づき、「今期は予想以上に利益が出そうだ。節税も兼ねて、役員に臨時でボーナスを出そう」と考えるのは、経営者として自然な発想かもしれません。しかし、これは最も典型的な失敗例です。
従業員への賞与とは異なり、役員への賞与は原則として会社の経費(損金)にはなりません。経費として認められるためには、「事前確定届出給与」制度を使い、あらかじめ税務署に「いつ、いくら支払うか」を届け出ておく必要があります。決算間際に慌てて支給しても、その全額が損金不算入となり、法人税は全く減りません。それどころか、役員個人の所得税だけが増えるという結果を招きます。
対策: 役員賞与は「利益が出たから払う」ものではなく、「事業年度開始前に計画し、届け出てから払う」ものです。このルールを理解し、賞与を支給したい場合は期首に計画を立てましょう。
罠2:「社会保険料」の負担を軽く考えてしまう
役員報酬を考えるとき、法人税と所得税のバランスにばかり意識が向きがちですが、「社会保険料」こそが見過ごせないコストです。社会保険料は会社と役員個人が折半で負担するため、トータルの負担額は相当な金額になります。
報酬額を上げれば、当然ながら社会保険料も上がります。特に報酬が高くなるほど、手取り額に占める社会保険料の割合も大きくなりがちです。シミュレーションをせずに報酬を上げた結果、「会社の負担は予想以上に重く、個人の手取りも思ったほど増えなかった」ということはよくある話です。
対策: 報酬額を決定する際は、法人税・所得税・住民税に加えて、会社負担分と個人負担分の社会保険料も必ず含めてシミュレーションを行い、トータルコストを把握しましょう。
罠3:事業年度の途中で安易に報酬を変えてしまう
事業年度が始まってから、途中で役員報酬の金額を変更することは、原則として認められていません。もし途中で増額した場合、もともとの金額を超えて支払った分は、会社の経費として扱われないのがルールです。
例えば、月50万円だった報酬を80万円に増額した場合、差額の30万円は損金不算入となります。例外として、取締役から代表取締役に昇格したといった役員の職務内容に重大な変更があった場合は認められることもありますが、その判断基準は非常に厳格です。
対策: 役員報酬の改定は、原則として事業年度開始から3ヶ月以内に行うものと心得ましょう。やむを得ない事情がある場合は、必ず事前に税理士に相談し、リスクを確認してください。
ちなみに、日本の企業経営では役員報酬は年々高額化する傾向にあります。例えば、2025年版『役員四季報』によると、上場企業3,925社のうち報酬1億円以上の役員は344人にものぼります。グローバルな人材獲得競争や成果主義の浸透を背景に、業績への貢献がより直接的に報酬へ反映されるようになってきたことの表れでしょう。こうした高額報酬の動向について、こちらの記事でさらに詳しく知ることができます。
ここで挙げた失敗は、どれも税理士などの専門家に事前に相談していれば、ほぼ間違いなく防げたはずです。役員報酬は会社の財務戦略の根幹をなす重要な意思決定。自社だけで判断せず、P4 MARKETのようなプラットフォームで専門家の知見を借りながら、最適な報酬設計を目指すのが賢明です。
役員報酬の決定でよくあるQ&A
役員報酬を決める際、多くの経営者が共通の疑問に直面します。ここでは、特に質問が多いポイントをピックアップし、実務的な視点からQ&A形式で解説します。
Q1. 年度の途中で役員報酬は変えられますか?
A1. 原則として変更できません。
事業年度の途中で役員報酬を自由に変更することは、税務上認められていません。もし期中に増額した場合、その増額分は経費(損金)として扱われなくなります。
ただし、例外もあります。「取締役が代表取締役に昇格した」といった役職や職務内容に重大な変更があった場合や、「経営が著しく悪化し、やむを得ず減額する」といった特別な事情があるケースです。
とはいえ、安易な変更は税務調査で指摘されるリスクを伴います。実行する前には、必ず税理士のような専門家に相談してください。
Q2. 役員にもボーナスを出して経費にできますか?
A2. 「事前確定届出給与」の手続きを踏めば可能です。
役員への賞与(ボーナス)は、原則として経費(損金)になりません。
しかし、「事前確定届出給与」という制度を利用すれば、例外的に損金算入が認められます。これは、「いつ、誰に、いくら支払うか」を事前に株主総会で決め、その内容を所定の期限内に税務署へ届け出て、その通りに支給するというものです。この手続きには厳格なルールがあるため、計画的な準備が必要です。
ポイント: 従業員の賞与とは全くルールが異なります。期末に利益が出たからといって、急に役員へ賞与を支給しても、会社の法人税は減りません。
Q3. 従業員を兼務している役員の給料は、どう考えればいいですか?
A3. 「役員報酬」と「従業員給与」を明確に区分します。
工場長や営業部長などを兼務する、いわゆる「使用人兼務役員」の場合、「役員としての報酬部分」と「従業員としての給与部分」を明確に分ける必要があります。
- 役員報酬部分: 他の役員と同じルール(定期同額給与など)が適用されます。
- 従業員給与部分: 従業員としての職務に対する給与や賞与は、他の従業員と同じ基準で支払われていれば、原則として経費(損金)にできます。
この区分が曖昧だと、税務調査で「実質的にはすべて役員報酬である」と指摘されるリスクがあります。就業規則や給与規程を整備し、客観的に説明できるよう慎重に設定することをおすすめします。
役員報酬の決定は、税務や法務の知識が深く関わる、経営の根幹をなす重要な意思決定です。少しでも「これで大丈夫だろうか?」と不安に感じたら、専門家の力を借りることが最善の策です。
P4 MARKETなら、経験豊富な税理士や弁護士に30分単位で気軽にオンライン相談が可能です。「うちの会社に最適な報酬額は?」「法的な手続きに抜け漏れはない?」といった具体的な疑問を、セカンドオピニオンとして専門家にぶつけてみてはいかがでしょうか。
本記事は2025年11月6日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。