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2025-11-14 著作権侵害の時効は何年?民事と刑事の違いをわかりやすく解説

作成日: 2025年11月14日

著作権侵害の時効について解説するイメージ

「自分の作品が無断で使われている…」こんなとき、加害者に責任を追及できる期間には限りがあるのをご存知でしたか?この「時間切れ」のルールが時効です。

著作権侵害の時効は、損害賠償などを求める「民事」と、罰則を求める「刑事」で考え方が全く異なります。ざっくり言うと、民事では「被害を知ってから3年」刑事では「侵害が終わってから7年」が目安。この期間を過ぎてしまうと、泣き寝入りせざるを得なくなる可能性が高まります。

この記事では、著作権侵害の時効について、中小企業の経営者や個人事業主の方が知っておくべきポイントを、具体的なケースを交えながらわかりやすく解説します。

なぜ著作権侵害に時効があるのか

そもそも、なぜ時効という制度があるのでしょうか。それは、いつまでも過去の出来事を蒸し返せる状態だと、法律関係が不安定になり、社会全体が混乱してしまうからです。

例えば、何十年も経ってから「あの時の著作権侵害の賠償金を払え」と言われても、証拠はとっくになくなり、関係者の記憶も曖昧です。これでは、どちらの言い分が正しいのか、公平な判断はできません。

そこで、法律は「権利があるなら、一定期間内に行使してください」と定め、長期間放置された権利は保護しないという立場をとっています。これが時効制度の根幹にある考え方なのです。

時効成立がもたらす深刻な影響

もし時効が成立してしまったら、具体的にどうなるのでしょうか。権利者にとっては、非常に厳しい現実が待っています。

  • 損害賠償を請求できなくなる
    無断利用によって失われた利益や、精神的な苦痛に対する金銭的な補償を求める権利が消滅します。
  • 刑事罰を求められなくなる
    悪質なケースであっても、国に犯罪として捜査してもらい、罰を与えてもらうことができなくなります。

つまり、時効を甘く見て対応が遅れると、金銭的な補償も受けられず、相手にお咎めなし、という最悪の事態になりかねないのです。

著作権侵害は、時間が経てば経つほど証拠集めや加害者の特定が難しくなります。侵害を見つけたら、とにかく早く動き出すこと。それが、あなたのクリエイティブな財産を守るための鉄則です。

民事と刑事、2つの「時効」を理解しよう

著作権侵害への対応には、大きく分けて2つのルートがあります。それが「民事」と「刑事」です。

  • 民事
    「個人 対 個人(または法人)」の争いです。被害者自身が加害者に対し、侵害行為の差し止めや損害賠償を直接求める手続きを指します。
  • 刑事
    「国 対 加害者」の構図です。著作権侵害という「犯罪」に対して、検察が国を代表して起訴し、裁判所が懲役や罰金といった罰を与える手続きです。

この2つは目的が全く違うため、時効のルールも別々に定められています。そのため、損害賠償を請求できる民事の時効は過ぎていても、刑事罰を科せる期間はまだ残っている、ということもあり得ます。

民事と刑事の時効期間 早見表

著作権侵害における民事と刑事の主な時効期間の違いを簡潔にまとめました。

項目 民事(損害賠償請求) 刑事(公訴)
時効期間 ①被害者が損害及び加害者を知った時から3年
②不法行為の時から20年
原則として犯罪行為が終わった時から7年
目的 損害の回復(金銭) 加害者への処罰
主体 被害者(権利者) 国(検察官)

この表からも分かるように、どちらの時効を意識すべきかは、あなたが「何を求めるか」によって変わってきます。

自分の権利をしっかり守るためには、まずこの民事と刑事の違いを正しく理解し、それぞれに設けられた時間制限を把握しておくことが何よりも重要です。

もし著作権侵害の時効について少しでも不安があれば、複雑な法律問題を一人で抱え込まず、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

著作権侵害の民事の時効|損害賠償請求権が消滅する2つのタイムリミット

時効について書かれた法律書と木槌の画像

著作権を侵害されたとき、金銭的な補償を求める「損害賠償請求」は、権利者が取れる代表的な対抗策です。しかし、この権利は永遠に主張できるわけではありません。民事上の損害賠償請求権には2つの異なる時効が定められており、どちらか一方でも期限を迎えてしまうと、権利は消滅してしまいます。

この2つの時効は、いわば「短期のタイマー」と「長期の最終期限」のような関係です。いつからカウントが始まるのか(起算点)と期間がそれぞれ異なるため、ご自身のケースがどちらに当てはまるのかを正しく見極めることが、権利を守るための第一歩になります。

短期の時効:侵害を知ったときから「3年」

まず一つ目は、「被害者が損害と加害者の両方を知った時」から3年で時効が成立するケースです。これは、権利者が「よし、行動を起こそう」と具体的に動ける状態になった時点からカウントを始める、という考え方に基づいています。

例えば、自社のウェブサイト用に制作したイラストが、競合他社のウェブサイトで無断で広告に使われているのを発見したとします。この場合、時効のカウントダウンが始まるのは、次の2つの条件が揃った瞬間です。

  • 損害を知った時:自社の作品が無断で使われ、本来得られたはずの使用料といった損害が出ていると気づいた時。
  • 加害者を知った時:そのサイトを運営しているのが、どの会社(または個人)なのかを特定できた時。

この両方を把握した日から、損害賠償を請求できる期間は3年間となります。たとえ加害者の特定に時間がかかったとしても、特定できた日から改めて3年間の猶予が生まれるわけです。

具体例で見てみましょう

2024年4月1日に、自社の写真が無断転載されているブログを発見。しかし、誰が運営しているのかすぐには分かりませんでした。調査の末、2024年10月1日に運営者がA社だと判明。この場合、時効のカウントは10月1日からスタートし、損害賠償を請求できる権利は2027年9月30日まで有効ということになります。

長期の時効:侵害行為のときから「20年」

もう一つの時効は、「不法行為の時」、つまり著作権侵害が行われた時から20年が経過すると権利が消滅するという、より長期的なルールです。これは除斥期間とも呼ばれ、被害者が侵害の事実に気づいていたかどうかは一切関係ありません。

なぜこのようなルールがあるのかというと、あまりに長い時間が経った法律関係をどこかで区切り、社会的な安定を図るためです。たとえあなたが20年以上も侵害に気づかなかったとしても、残念ながら侵害行為そのものから20年が過ぎてしまえば、損害賠償を請求する道は閉ざされてしまいます。

日本では、このように民事と刑事で時効の考え方が大きく異なります。民事上の損害賠償請求権は、被害者が侵害と侵害者を知った時から3年、知らなかったとしても侵害行為から20年で権利が消滅します。一方で、刑事罰を科すための公訴時効は原則7年です。これらの期間は、権利者の保護と法的な安定性のバランスを取るために設けられています。

法律の根拠は民法第724条

これらの時効に関するルールは、民法第724条に明記されています。

(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

この条文こそが、損害賠償請求権における「3年」と「20年」という2つの時間制限の根拠となっているのです。

このように、民事上の損害賠償請求には2つのハードルがあることを覚えておきましょう。侵害に気づいたら、できるだけ早く加害者を特定し、3年以内に行動を起こす必要があります。しかし、そもそも侵害行為自体が20年以上前のものであれば、請求権はすでに失われている可能性が高いのです。

ご自身の状況がどちらの時効に当てはまるか、いつまでに何をすべきか判断に迷ったときは、弁護士などの法律の専門家に相談するのが最も確実です。

刑事罰を科すためのタイムリミット「刑事の時効」

刑事の時効を象徴する、法廷の木槌と法律書のイメージ

悪質な著作権侵害は、もはや個人間の金銭トラブルでは片付けられません。社会のルールを破る「犯罪」として、国が罰則を科す対象になることがあります。

こうしたケースでは、被害者は加害者に刑事罰を与えてほしいと国に求めることができます。しかし、犯人の責任をいつまでも追及できるわけではありません。ここにも「時効」という時間の壁が立ちはだかります。

刑事手続きにおける時効は公訴時効と呼ばれ、検察官が犯人を裁判にかける(起訴する)ことができる期間を定めたものです。この期間を過ぎてしまうと、後から犯人が特定されたとしても、国は罪に問い、罰を与えることができなくなってしまいます。

公訴時効は原則「7年」

著作権侵害の罪に対する公訴時効は、原則として犯罪行為が終わった時から7年です。

これは刑事訴訟法で定められており、著作権侵害の多くがこの期間に該当します。民事の損害賠償請求とは全く別のカウントダウンなので、混同しないように注意が必要です。

いつからカウントが始まる?

時効のスタート地点(起算点)は、「犯罪行為が終わった時」です。

例えば、海賊版サイトに漫画を1話だけアップロードしたなら、そのアップロードが完了した瞬間から7年のカウントが始まります。もし継続的に侵害が行われていた場合は、最後の侵害行為が終わった時点が起算点となります。

この7年という期間があるため、民事の時効(損害賠償を請求できる期間)が過ぎてしまっても、刑事罰を求める道がまだ残されている、というケースも十分にあり得るわけです。

もう一つの期限「6ヶ月」の壁

実は、著作権侵害を刑事事件として扱ってもらうには、もう一つクリアしなければならない重要なタイムリミットがあります。それが告訴期間です。

著作権法違反の多くは「親告罪」という扱いです。これは、被害を受けた権利者が「この犯人を罰してください」という意思表示(告訴)をしない限り、国は捜査や起訴に踏み切れない犯罪のことを指します。

そして、この告訴ができる期間は、「犯人を知った日から6ヶ月以内」と法律で決められています。ここで言う「犯人を知った日」とは、単に「誰かがやっている」と気づいた日ではありません。侵害者の氏名や住所など、具体的に誰が犯人なのかを特定できた日を指します。

つまり、悪質な侵害を発見しても、のんびりしてはいられません。犯人を特定したら、わずか半年以内に告訴状を提出するという、スピーディーな行動が求められるのです。

  • 公訴時効:犯罪が終わってから7年
  • 告訴期間:犯人を特定してから6ヶ月

この2つのタイムリミットを両方クリアして、初めて加害者の刑事責任を問うスタートラインに立てる、と覚えておきましょう。

刑事事件化の現実と時効の重要性

インターネットの普及により、著作権侵害の手口はますます巧妙になり、被害も大規模化しています。これに対応するため、法整備や取り締まりも年々強化され、刑事事件として扱われるケースも珍しくなくなりました。

過去の統計を見ても、著作権法違反による検挙数は、社会の動きや法改正を映す鏡のように増減しています。例えば、2010年には警察庁による検挙数が前年比で約95%増という驚異的な増加を記録しました。これは、違法ダウンロードの取り締まり強化が大きな要因と考えられます。

こうした動きは、被害を早く見つけ、迅速に刑事手続きを進めることの重要性を物語っています。刑事罰の公訴時効が7年と比較的長く設定されているのは、実効性のある処分を可能にするためです。

刑事告訴は、証拠集めや法的に有効な告訴状の作成など、専門的な知識が不可欠です。時効という厳しい時間制限の中で確実に手続きを進めるには、弁護士のような専門家のサポートが極めて有効と言えるでしょう。

時効のカウントダウンを止める、具体的なアクション

時効の進行を止めるアクションを象徴する、ストップウォッチのボタンを押す手のイメージ

著作権を侵害されたとき、時効という見えないタイムリミットが刻一刻と迫ってきます。「証拠集めに時間がかかる」「相手との交渉が長引きそうだ…」そんな状況でも、ただ指をくわえて待つ必要はありません。

法律には時効の進行を一時的に止めたり(完成猶予)、これまでの期間をリセットしてゼロから再スタートさせたり(更新)するための手続きが用意されています。これらのアクションを適切なタイミングで起こせば、権利を守るための貴重な時間を稼ぐことができるのです。

まずは「催告」で6ヶ月の猶予を確保する

「時効成立が目前に迫っているのに、まだ訴訟の準備ができていない!」

そんな切羽詰まった状況で有効なのが催告(さいこく)です。これは相手に対して「損害賠償金を支払ってください」という意思を、明確に伝えることです。

一番確実なのは、内容証明郵便を使う方法です。これなら郵便局が「いつ、誰が、どんな内容の手紙を送ったか」を公的に証明してくれるため、後から「そんな手紙は知らない」と言い逃れされる心配がありません。

催告を行うと、その時点から6ヶ月間、時効の完成が猶予されます。

いわば、時効のカウントダウンタイマーを半年間ストップさせられるわけです。ただし、これはあくまで一時的な措置であり、催告を何度も繰り返して猶予期間を延長することはできません。

この貴重な6ヶ月の間に、訴訟の準備を整えたり、相手との交渉を本格化させたりと、次の手を打つ必要があります。

時効をリセットする強力な手段「更新」

時効を一時停止させるだけでなく、完全にリセットしたいときに使うのが「更新」というアクションです。時効が更新されると、それまで進んでいた期間はすべて無効になり、更新された時点から新たに時効期間がスタートします。

著作権侵害の時効を更新させる主な方法は、次の3つです。

1. 裁判所に訴え出る(訴訟の提起)

最も代表的で強力な方法です。損害賠償を求める訴訟を裁判所に起こせば、その時点で時効の完成は猶予されます。そして、裁判であなたの主張が認められ判決が確定すれば、その時点で時効はリセットされ、そこから新たに10年間の時効がスタートします。

2. 支払督促を申し立てる

通常の裁判よりも手続きが簡単でスピーディーなのが、支払督促です。裁判所を通して相手に支払いを命じてもらう制度で、これも時効をストップさせる効果があります。相手が異議を唱えずに確定すれば、時効は更新されます。

3. 相手に債務を認めさせる(債務の承認)

裁判を起こさなくても、相手に「著作権を侵害し、賠償する義務がある」と認めさせれば、時効はリセットされます。具体的には、次のようなケースが考えられます。

  • 示談書や合意書を交わす:「侵害の事実を認め、〇〇円を支払います」といった内容の書面に署名・押印してもらう。
  • 賠償金の一部を支払わせる:たとえ少額でも、相手が賠償金の一部を支払えば、それは「自分に支払い義務がある」と認めたことになり、時効が更新されます。

こうした時効を止めるルールは民法で定められています。条文の詳細は法令データベースなどで確認できますが、法律の条文は解釈が難しい部分も少なくありません。

どのタイミングでどのアクションを起こすのがベストなのか、この判断は非常に専門的です。もし時効の計算を間違えれば、本来得られるはずだった権利を失いかねません。少しでも不安を感じたら、すぐに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ:著作権侵害は「気づいたときが勝負」。迷わず専門家へ

この記事では、著作権侵害をめぐる複雑な「時効」の仕組みについて、民事と刑事、それぞれの側面から解説してきました。ご自身の権利を守り抜くために、最後に重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

まず、侵害によって受けた損害をお金で賠償してもらう「損害賠償請求」。これには2種類のタイムリミットがありました。あなたが「損害と加害者の両方を知った時」から3年、そしてもう一つ、侵害行為そのものがあった時から20年です。どちらか一つでも過ぎてしまうと、残念ながら請求する権利は失われてしまいます。

刑事罰を求めるなら、さらに時間はシビアに

次に、悪質なケースで加害者に刑事罰を科してほしいと願う場合。こちらは「公訴時効」といい、原則として7年です。ただし、これにはもう一つ、「犯人を知ってから6ヶ月以内」に告訴しなければならない、という非常に短い期限もセットになっています。

もちろん、これらの時効はただ待つしかないのではありません。内容証明郵便で請求の意思を伝えたり(催告)、裁判所に訴えを起こしたりすることで、時効の進行を一時的にストップさせたり(完成猶予)、リセットしたり(更新)することも可能です。

著作権の時効は、まるで複数のタイマーが同時に動いているようなものです。どのタイマーがいつ切れるのか、どのボタンを押せば時間を止めたり、巻き戻したりできるのか。この判断を少しでも間違えると、取り戻せるはずだった権利が永遠に失われてしまうのです。

「まだ大丈夫」が一番危ない。専門家への相談が最短ルート

しかし、現実問題として、これらの手続きを一人で進めるのは至難の業です。そもそも侵害の証拠をどうやって集めるのか?ネット上の匿名の相手をどうやって特定するのか?どの手続きを選ぶのがベストなのか?考えただけでも気が遠くなりますよね。

特に、時効がいつから始まるのかという「起算点」の判断は、法律のプロでも見解が分かれることがあるほどデリケートな問題です。「まだ時間はあるはず」という自己判断が、取り返しのつかない事態を招くことは、決して珍しくありません。

もし、ご自身の作品が侵害されていることに気づいたら、まずやるべきことは一つです。一人で抱え込まず、できるだけ早く専門家に相談してください。それが、あなたの創造的な財産と正当な権利を守るための、最も確実で賢明な一歩となります。

著作権侵害の時効、よくある疑問にお答えします

著作権侵害の時効について、ご自身のケースに当てはめてみると、「これってどうなるの?」と様々な疑問が湧いてくるはずです。ここでは、特に多くの方がつまずきやすいポイントをQ&A形式で解説していきます。

差止請求権にも時効はある?

Q. 侵害行為をやめさせる「差止請求権」にも時効はありますか?

A. 結論から言うと、お金を請求する損害賠償請求権とは違い、差止請求権には法律で定められた時効制度がありません。つまり、侵害行為が続いている限りは、理屈の上ではいつでも「今すぐやめてください」と請求できることになります。

ただし、ここには一つ落とし穴があります。侵害されているのを知りながら、あまりにも長い間何もせずに放置してしまうと、いざ請求したときに「権利の濫用だ」と見なされてしまう恐れがあるのです。そうなると、裁判所も請求を認めてくれにくくなります。

侵害を見つけたら、「時効がないから大丈夫」と油断せず、できるだけ早く行動に移すことが何よりも大切です。

海外サーバーでの侵害、日本の法律は届く?

Q. 海外のサーバーで著作権を侵害された場合、日本の法律で対抗できますか?

A. たとえデータが海外のサーバーにあっても、日本国内からそのコンテンツにアクセスでき、その結果として日本で被害が出ているのであれば、日本の著作権法が適用される可能性があります。

この場合、日本の裁判所で訴訟を起こすことも考えられます。これを専門的には国際裁判管轄の問題と呼んでいます。

しかし、相手が海外の事業者や個人の場合、証拠集めや相手の特定、そして判決が出た後の強制執行など、国内の案件とは比べ物にならないほど手続きが複雑になります。国際法務に強い弁護士のサポートは絶対に欠かせません。

著作権は、その国の法律が適用される「属地主義」が基本です。しかし、ネット上の侵害では「侵害の結果が生まれた場所」、つまり日本での裁判が認められることがあります。とはいえ、手続きのハードルは非常に高いため、専門家の知識と経験が必須です。

昔の侵害を最近知った!時効はどうなる?

Q. かなり昔の作品が無断で使われているのを、最近になって発見しました。この場合の時効はどう考えればいいですか?

A. 民事上の損害賠償請求には、2つのタイムリミットがあったことを思い出してください。

  • 短期の時効: 権利者が、侵害と加害者の両方を「知った時」から3年
  • 長期の時効: 侵害行為そのものが「あった時」から20年

仮に侵害が20年近く前だったとしても、あなたがその事実と誰がやったのかを「つい最近」知ったのであれば、そこから3年間は損害賠償を請求できる可能性があります。

ただし、大前提として、侵害行為から20年という絶対的な壁があることを忘れてはいけません。もし侵害を知ったのが、侵害行為から21年後だったとしたら…残念ながら20年の長期時効が成立してしまい、損害賠償を求めることはできなくなります。

どちらの時効が適用されるかは、状況をいかに正確に把握し、法的に判断できるかにかかっています。「いつ侵害が始まり、いつそれを知ったのか」を、客観的な証拠と一緒に整理することが非常に重要です。


著作権侵害の時効は、「いつから数え始めるか(起算点)」の判断がとてもデリケートで、少しの解釈の違いで権利を失ってしまうリスクと隣り合わせです。ご自身で「まだ大丈夫だろう」と判断するのは、正直なところ危険と言わざるを得ません。

実際に専門家に相談するには

著作権侵害の時効問題は、法律の専門知識が不可欠な分野です。時効の起算点の判断、証拠の収集方法、適切な法的手続きの選択など、一つ一つが権利の保護に直結する重要な判断となります。

P4 MARKETでは、著作権トラブルに精通した弁護士や弁理士といった専門家へ、オンラインで気軽に相談することができます。30分単位での相談も可能で、まずは現状の確認だけでも構いません。匿名でのご相談にも対応していますので、侵害に気づいたら、手遅れになる前に一度プロの意見を聞いてみてはいかがでしょうか。

本記事は2025年11月14日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。