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2025-11-18 合同会社と株式会社の違いとは?設立から運営、税金まで解説

作成日:2025年11月18日
合同会社と株式会社の違い

会社を立ち上げようと思ったとき、多くの人が最初に直面するのが「合同会社にするか、株式会社にするか」という選択です。この選択は、単に設立時の費用だけでなく、将来の事業運営や資金調達、さらには税金対策にまで影響を及ぼす重要な決断です。

本記事では、合同会社(LLC)株式会社(KK)の具体的な違いを、設立手続き、運営方法、資金調達、税務といった多角的な視点から、初心者にも分かりやすく解説します。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の事業計画に最適な会社形態を見つけるための一助となれば幸いです。

まずはざっくり比較!合同会社と株式会社の大きな違い

事業を始めるにあたり、会社の「形」をどうするかは、その後の成長を左右する大切な決断です。日本で設立できる会社形態のうち、特に選ばれることが多いのが合同会社と株式会社です。この2つは似ているようで、実はその性格は大きく異なります。

たとえば、個人事業主からの法人化や、仲間内でのスモールスタートを考えている場合、設立コストが低く、運営の自由度が高い合同会社が適しているかもしれません。

一方で、将来的に外部から資金を調達して事業を大きくしたい、社会的な信用を重視したい、といった明確な成長戦略があるなら、株式会社を選ぶのが一般的です。

まずは下の表で、それぞれの特徴を比較してみましょう。設立コストから運営の自由度、社会的信用、資金調達の方法まで、判断に欠かせないポイントをまとめました。ご自身のビジネスプランと照らし合わせながら、どちらがよりフィットするか考えてみてください。

合同会社 vs 株式会社 主要な違いの比較表

会社の設立を考える上で、まず押さえておきたい合同会社と株式会社の基本的な違いを比較しました。

比較項目 合同会社(LLC) 株式会社
設立費用 安い(約6万円〜)
・定款認証が不要
・登録免許税は最低6万円
高い(約20万円〜)
・定款認証が必要(約5万円)
・登録免許税は最低15万円
運営の自由度 高い
・出資者=経営者
・利益の配分方法を定款で自由に決められる
低い
・出資者(株主)と経営者(取締役)は分離
・利益は原則として出資比率に応じて配当
社会的信用度 株式会社に比べると、やや低い傾向
・決算公告の義務がなく、情報開示が限定的
高い
・最も一般的な会社形態で認知度が高い
・決算公告が義務付けられ、透明性がある
資金調達 限定的
・株式発行は不可
・金融機関からの融資や社員からの追加出資が中心
多様
・株式を発行して広く資金を集められる
・ベンチャーキャピタルからの出資や上場(IPO)も可能
ちなみに、株式会社には決算公告(会社の財務状況を公開すること)が会社法で義務付けられていますが、合同会社にはその義務がありません。こうした情報開示に関するルールの違いが、金融機関や取引先からの見え方、つまり社会的信用度の差につながる一つの要因になっています。

この表で基本的な違いは掴めたでしょうか。しかし、これはあくまでスタート地点です。

実際の会社設立では、事業内容や将来のビジョンに応じて最適な選択は変わります。手続きや節税のことまで考えると、一度は司法書士や税理士といった専門家に相談することをお勧めします。専門家は、客観的な視点からあなたの状況に最適なアドバイスを提供してくれます。

設立手続きと初期費用の具体的な違い

会社を立ち上げる際、多くの方が最初に気にするのが手続きと初期費用でしょう。「合同会社と株式会社、どっちがいいのだろう?」と考え始めたら、まずはこの設立フェーズの違いから見ていくのが一番分かりやすいです。

株式会社を設立する場合、まず「定款(ていかん)」という会社の基本ルールを定めた書類を作成し、公証役場で認証を受ける必要があります。この定款認証だけで約5万円の手数料がかかります。

一方、合同会社も定款は作成しますが、公証役場での認証は不要です。これだけでも、時間と費用の両面でハードルが下がることがお分かりいただけるでしょう。

初期費用はどれくらい違うのか?

設立にかかるコストを具体的に見ていくと、その差はより明確になります。会社設立時に法務局へ納める「登録免許税」が、両者で大きく異なります。

  • 株式会社:登録免許税は資本金の0.7%ですが、最低でも15万円です。これに定款認証手数料などを加えると、最低でも20万円以上の初期費用を見込む必要があります。
  • 合同会社:同じく資本金の0.7%ですが、最低額は6万円です。定款認証が不要なため、専門家に依頼せず自分で手続きを行えば、この6万円が最低ラインとなります。

つまり、株式会社と比べて約14万円以上も安く会社をスタートできる可能性があるのです。

現場のプロからのワンポイント
現在は、電子定款を利用すれば株式会社でも収入印紙代の4万円を節約できます。それでも、合同会社の方が初期費用を圧倒的に抑えられる事実に変わりはありません。コストをかけずにスピーディーに事業を始めたい個人事業主やスタートアップにとって、合同会社が魅力的に映るのは自然なことと言えるでしょう。

設立までのスピード感も違う

費用だけでなく、設立までにかかる時間や手間も重要なポイントです。株式会社は公証役場とのやり取りがある分、手続きが一つ多く、時間もかかりがちです。

その点、合同会社は公証役場のステップを省略できるため、書類が揃えばすぐに法務局へ登記申請ができます。この手続きのシンプルさが、スピーディーな事業開始を後押しします。

ちなみに、設立登記に必要な書類のひな形は、法務局の公式サイトで入手可能です。法務局のウェブサイトから申請書の様式をダウンロードできますが、見比べてみると、合同会社の方が提出書類の種類も少なく、手続きが手軽であることがよく分かります。

合同会社という選択肢は、もはや当たり前に

この手軽さもあり、近年、合同会社を選ぶ起業家が急増しています。最近のデータでは、年間の法人設立登記のうち、合同会社が約4万件に達し、株式会社(約10万件)の4割に迫る勢いです。2007年には約6千件だったことを考えると、この十数年でいかに一般的な選択肢として定着したかがわかります。

もちろん、設立手続きや費用だけで会社形態を決めるべきではありません。しかし、事業のスタートダッシュをスムーズに切る上で、この違いは無視できない要素です。もし手続きに不安があったり、どちらが本当に自分の事業に適しているか迷ったりした場合は、最初のボタンを掛け違えないよう、専門家に相談することも賢明な選択です。

役員の構成と責任範囲はどう違うのか

会社を運営していく上で、「誰が、何を、どこまで決めるのか」というルールは、事業の根幹をなすものです。株式会社と合同会社では、この運営スタイルの基本的な考え方が全く異なります。この違いをしっかり理解することが、自分のビジネスに最適な法人形態を見つけるための重要なステップとなります。

株式会社は「所有と経営の分離」が原則

株式会社の最大の特徴は、「所有と経営の分離」という原則に基づいている点です。

  • 所有者(オーナー): 会社の持ち主である株主を指します。株主は出資額に応じて議決権を持ち、株主総会で会社の重要な方針を決定します。
  • 経営者: 株主から経営を委任された取締役などの役員です。日々の業務執行や具体的な意思決定を担います。

多くの中小企業では「株主=取締役」というオーナー経営者がほとんどですが、制度上はこの二つの立場が明確に分かれている点が重要です。これにより、外部から広く出資を募り、経営の専門家に運営を任せるといった事業のスケールアップが可能になります。

合同会社は「所有と経営の一致」が基本

一方、合同会社は「所有と経営の一致」が基本です。つまり、出資者がそのまま経営も担うという、非常にシンプルな仕組みになっています。

合同会社では、この出資者のことを「社員」と呼びます。これは従業員のことではなく、会社のオーナーであり経営者でもある人を指す法律上の用語です。原則として、出資した社員全員が会社の業務を執行する権限を持ちます。

合同会社では、出資者である「社員」が直接経営の舵を取るため、外部の株主の意向を気にする必要がなく、スピーディーで柔軟な意思決定が可能です。信頼できる仲間や家族と事業を行う場合に、非常に適した形態と言えるでしょう。

このシンプルな構造こそ、合同会社が日本で急速に普及した理由の一つです。事実、近年の会社設立件数に占める合同会社の割合は約3割に達しており、設立の手軽さも相まって、一般的な選択肢として定着しています。合同会社の設立件数は2007年の約6千件から2023年には約4万件へと右肩上がりで増え続けており、この成長は確実なトレンドとなっています。

責任の範囲はどちらも「有限責任」

もし経営がうまくいかなくなった場合、出資者はどこまで責任を負うのでしょうか。この点については、合同会社も株式会社も「有限責任」という点で共通しています。

有限責任とは、会社の債務に対し、出資者が自分が出資した金額の範囲内でのみ責任を負うというルールです。万が一会社が倒産しても、出資額を超えて個人の財産まで差し押さえられることはありません。

ただし、経営者個人が会社の借入金の連帯保証人になっている場合は別です。中小企業が金融機関から融資を受ける際、代表者が連帯保証人となるケースは非常に多く、その場合は会社の債務を個人として返済する義務が生じますので注意が必要です。

どちらの形態を選ぶにせよ、役員の構成や責任範囲は会社のガバナンスに直結する重要なポイントです。特に共同経営者がいる場合、利益配分や最終決定権の所在は非常にデリケートな問題です。定款を作成する段階で司法書士や行政書士のような専門家に相談し、将来のトラブルを未然に防ぐことが賢明です。

資金調達の選択肢と社会的信用の比較

事業を成長させる上で、資金調達は不可欠です。この資金調達の選択肢と、それに深く関わる「社会的信用」の面で、株式会社と合同会社には決定的な違いがあります。どちらを選ぶか考える上で、ここは避けては通れない重要なポイントです。

株式会社の強み:株式発行による多様な資金調達

株式会社が持つ最大の武器、それは「株式」を発行して外部から広く資金を集められることです。これは合同会社にはない、株式会社だけの特権です。

株式による資金調達(エクイティ・ファイナンス)は、返済の必要がない「自己資本」を増やせる点が大きなメリットです。これにより、事業への大胆な投資が可能になります。

  • 第三者割当増資:ベンチャーキャピタル(VC)や特定の事業会社などに新株を発行して出資を受けます。スタートアップが急成長を目指す際の代表的な手法です。
  • 株式上場(IPO):証券取引所に株式を公開し、一般の投資家から大規模な資金を調達します。会社の信用を飛躍的に高めることができます。

このように、会社の成長フェーズに応じて多様な資金調達手段を持てるのが株式会社の強みです。

将来、ベンチャーキャピタルから出資を受けたい、事業を大きく育てて株式上場(IPO)を目指したい。そんな明確なビジョンがあるなら、迷わず株式会社を選ぶべきでしょう。

合同会社の資金調達方法

一方、株式を発行できない合同会社は、資金調達の手段が限られます。

  • 金融機関からの融資(デット・ファイナンス):銀行や日本政策金融公庫などから事業資金を借り入れます。
  • 社員からの追加出資:既存の社員(出資者兼経営者)が追加で自己資金を会社に投じます。
  • 新規社員の加入:新たに出資してくれる人を「社員」として迎え入れ、資本金を増やします。

合同会社の資金調達は、身内からの出資か、返済義務のある借入金が中心となり、外部から大規模な資金を集めるのにはあまり向いていない構造と言えます。

社会的信用度の違いが実務に与える影響

資金調達の選択肢と表裏一体なのが、「社会的信用度」です。これは否定できない事実として、一般的に株式会社の方が合同会社よりも社会的信用度が高いと見なされる傾向があります。

なぜなら、株式会社は会社法により決算公告が義務付けられるなど、情報開示に関するルールが厳しく定められており、財務状況の透明性が高いと評価されやすいためです。

この信用の差は、ビジネスの現場で以下のような影響を与える可能性があります。

  • 金融機関の融資審査:同じ事業内容、同じ業績でも、株式会社というだけで有利に働くことがあります。
  • 大手企業との取引:新規取引の際の与信審査で、株式会社であることがプラスに評価されるケースは少なくありません。
  • 人材採用:求職者にとって「株式会社」は馴染み深く、安定したイメージを持たれやすい傾向があります。

もちろん、これはあくまで一般的な傾向です。合同会社でも、着実に実績を積み上げ、ウェブサイトなどで積極的に情報を開示していけば、信用を築くことは十分に可能です。

資金調達手段の比較表

事業拡大に不可欠な資金調達について、合同会社と株式会社で利用可能な手段とその特徴を比較してみましょう。

資金調達方法 合同会社(LLC) 株式会社(KK) 特徴と注意点
株式発行 × 不可 ◎ 可能 返済義務のない資金。VCからの出資やIPOを目指せる。
金融機関融資 ○ 可能 ○ 可能 返済義務あり。信用度や実績が審査に影響する。
社員・役員からの出資 ○ 可能 ○ 可能 身内からの資金調達。意思決定への影響を考慮する必要がある。
社債の発行 × 不可 ○ 可能 投資家から直接資金を借り入れる方法。株式会社のみ可能。

資金計画は、まさに事業の生命線です。会社を設立する前に、将来どのような資金調達をイメージしているのかを具体的に考え、それに合った法人形態を選ぶことが何よりも大切です。

税金や会計処理、実務ではどう違う?

会社を経営する上で、税金と会計のルールは避けて通れません。「合同会社と株式会社、どっちがいいんだろう?」と考えたとき、この実務的な違いが日々のコストや節税にどう影響するのか、しっかり押さえておきましょう。

結論から言うと、税法上、合同会社も株式会社も同じ「普通法人」として扱われるため、利益にかかる法人税率そのものに違いはありません。違いが現れるのは、役員への報酬の支払い方や会計ルールの細かな部分です。

役員報酬と利益分配の自由度の違い

経営者個人へのお金の流れとして代表的な「役員報酬」のルールが、株式会社と合同会社では異なります。

  • 株式会社:役員報酬を経費として計上するには、原則として毎月決まった額を支払う「定期同額給与」にする必要があります。事業年度の途中で「今月は利益が出たから多めに」といった柔軟な変更は認められず、ルールは厳格です。
  • 合同会社:社員(役員)への報酬は、利益の分配として扱われ、そのルールを定款で自由に決めることができます。出資額に関係なく、事業への貢献度に応じて分配比率を変えるなど、柔軟な対応が可能です。
事例で考える:利益分配の柔軟性

2人で合同会社を設立したケースを考えてみましょう。
Aさんは100万円出資したが、実務にはあまり関わらない。
Bさんは10万円しか出資していないが、事業の中心メンバーとして活躍している。

この場合、株式会社であれば原則として出資比率に応じた配当となります。しかし、合同会社なら定款で「利益はBさんに多く分配する」と定めることができます。これにより、実態に即した報酬設計が可能となり、結果として節税につながる場合もあります。

決算公告の義務とコストの違い

会社は年に一度、決算を行い、計算書類を作成します。この後の手続きにも違いがあります。

株式会社は、株主総会の後、貸借対照表などの決算内容を一般に公開(公告)する義務があります。官報に掲載する場合、約6万円の費用がかかります。

一方、合同会社にはこの決算公告の義務がありません。公告にかかる費用と手間を毎年節約できるため、ランニングコストを抑えたいスモールビジネスにとっては見逃せないメリットです。

なお、法人税の申告手続きそのものは、どちらの会社形態でも基本的に同じです。国税庁のウェブサイトでも、法人税申告の手引きや様式が公開されており、合同会社用と株式会社用で申告書が分かれているわけではないことがわかります。

事業モデルから考える「結局、どっちを選ぶべき?」

ここまで制度的な違いを見てきましたが、最も重要なのは「自分のビジネスには、結局どちらが合っているのか?」という点でしょう。

ここでは、よくある4つの事業シナリオをもとに、それぞれのケースでどちらの法人形態が現実的な選択肢となるのか、その理由とあわせて掘り下げていきます。

ケース1:個人事業主から「法人成り」する

個人事業主として事業が軌道に乗り、売上が安定してきたタイミングでの法人化。このシナリオでは、合同会社が非常に有力な選択肢になります。

一番の理由は、なんといっても設立コストの低さと手続きの手軽さです。個人事業の延長線上で、まずは法人という「器」をミニマムコストで手に入れたいというニーズに、合同会社の最低6万円からという設立費用はまさにぴったりです。

また、これまで通り自分一人の判断でスピーディーに経営を進めたい場合、所有と経営が一体となった合同会社のシンプルな仕組みは、とてもしっくりくるはずです。

【チェックリスト】個人事業主からの法人成り
  • とにかくコストを抑えて法人化したい
  • 運営の手間は増やしたくない
  • 外部からの資金調達は当面考えていない

これらに当てはまるなら、まずは合同会社でスタートするのが最も合理的な選択と言えるでしょう。

ケース2:仲間とのスモールビジネスや副業で起業する

数人の仲間と小さな事業を始めたり、副業としてビジネスを立ち上げたりする場合も、合同会社がフィットすることが多いです。

このケースで決め手となるのが、運営の柔軟性です。「それぞれの貢献度に応じて利益を柔軟に分けたい」「会議や役員の任期といった形式的なルールに縛られず、もっと自由にやりたい」といった想いに、合同会社は応えやすい仕組みになっています。

株式会社のように株主総会を開いたり、役員の任期ごとに変更登記をしたりといった手間もありません。本業が別にある場合でも、運営の負担を最小限に抑えられるのは大きなメリットです。

ケース3:将来の事業拡大や上場を目指すスタートアップ

将来的にベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けたい、いつかは株式上場(IPO)も視野に入れている。そんな大きなビジョンがあるなら、これはもう迷わず株式会社一択です。

理由はシンプルで、合同会社では株式を発行できないため、株式を介した資金調達という選択肢が完全に閉ざされてしまうからです。スタートアップの成長戦略にとって、外部からの出資(エクイティ・ファイナンス)は生命線。そのための器は株式会社しかありません。

社会的な信用度も非常に重要です。VCやエンジェル投資家は、ガバナンス体制が整っていて、情報開示の透明性が高い株式会社を投資対象として選びます。設立時の費用が多少高くても、未来の大きな成長を見据えるなら、株式会社で始めることがいわば「入場券」なのです。

ケース4:飲食店や美容室、建設業などの店舗型・許認可ビジネス

一般消費者を相手にする店舗ビジネス(BtoC)や、行政の許認可が必要な事業(建設業など)を始めるなら、株式会社の方が有利に働く場面があります。

その背景にあるのは、やはり社会的な信用の高さです。「株式会社〇〇」という名称は、消費者や取引先、金融機関に対して、合同会社よりも安心感を与えやすいのが実情です。これは、株式会社が最もポピュラーな会社形態であり、決算公告が義務付けられているなど、一定の透明性が担保されているイメージがあるためでしょう。

特に、事業の初期段階から金融機関の融資を計画している場合、株式会社である方が審査でプラスに働く可能性があります。許認可の申請手続きにおいても、担当者によっては馴染みのある株式会社の方が、話がスムーズに進むといったこともあるかもしれません。


このように、あなたに最適な法人の形は、事業計画そのものによって大きく変わってきます。

  • コストと自由度を最優先するなら → 合同会社
  • 資金調達と社会的信用を最優先するなら → 株式会社

合同会社と株式会社、ここが知りたい!よくあるQ&A

会社設立を考え始めると、次から次へと「こんなときはどうするの?」という疑問が浮かんできますよね。ここでは、合同会社と株式会社の違いについて、特に多くいただくご質問をピックアップし、Q&A形式でスッキリ解説します。最終的な判断を下す前に、ここでモヤモヤを解消しておきましょう。

Q1. 合同会社から株式会社に切り替えることはできますか?

はい、できます。この手続きは「組織変更」と呼ばれています。事業が軌道に乗り、外部からの資金調達や、より高い社会的信用が必要になったタイミングで、合同会社から株式会社へ移行するケースは珍しくありません。

ただし、組織変更を行うには、いくつかのステップを踏む必要があります。

  • 組織変更計画の作成
  • 社員全員からの同意
  • 債権者保護手続き(官報での公告など)
  • 登記申請(合同会社の解散登記と、株式会社の設立登記を同時に行います)

見ての通り、それなりに時間も費用もかかります。将来的に株式会社への移行を視野に入れているなら、どのタイミングで切り替えるのがベストか、あらかじめ専門家と相談しておくと安心です。

Q2. 役員の任期って、どう違うんですか?

ここには明確な違いがあります。株式会社の取締役には任期があり、原則として2年です。定款で定めれば最長10年まで伸ばせますが、任期が満了するたびに役員変更の登記が必要になります。

一方、合同会社の社員には、任期という概念がありません。面倒な役員変更登記の手間やコストがかからず、安定した経営体制を長く続けやすい。これは合同会社の隠れたメリットと言えるでしょう。

株式会社の場合、たとえ役員の顔ぶれがまったく同じでも、任期が来たら必ず法務局へ変更登記を申請しなくてはなりません。この登記には登録免許税(資本金1億円以下なら1万円)もかかります。こうしたランニングコストを抑えられるのも、合同会社の魅力のひとつです。

Q3. 海外での知名度はどちらが高いですか?

海外の投資家や企業との取引を考えるなら、知名度は圧倒的に株式会社に軍配が上がります。株式会社を指す「KK(Kabushiki Kaisha)」は国際的にもある程度知られていますが、合同会社の「GK(Godo Kaisha)」は、まだほとんど通じないのが実情です。

海外にも合同会社に似た「LLC(Limited Liability Company)」という形態は存在しますが、日本の制度と全く同じわけではないため、取引の際には毎回説明が必要になるかもしれません。グローバルな事業展開を目指すのであれば、株式会社を選んでおいた方がスムーズなコミュニケーションが期待できるでしょう。


合同会社と株式会社、どちらを選ぶか。その答えは、あなたが思い描く事業計画そのものの中にあります。もし判断に迷ったり、定款の作り方や税金まわりのことで不安を感じたりしたら、設立のプロに相談するのが一番の近道です。

あなたのビジネスに本当に合っているのはどちらなのか、
設立からその後の運営まで、信頼できる専門家にオンラインで気軽に相談できます。
事業の成功を左右する大切な第一歩、ぜひ専門家と一緒に踏み出してください。

本記事は2025年11月18日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。