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2025-11-22 残業代の計算方法をわかりやすく解説

作成日: 2025年11月22日

残業代と経費の計算書類、電卓、時計が並ぶデスク上の財務管理イメージ

「自分の残業代、本当に正しく計算されているだろうか?」

給与明細を見るたびに、多くの方が一度は抱く疑問かもしれません。実は、残業代の計算は単に時給と時間を掛けるだけではなく、労働基準法で定められたルールに則って正確に行う必要があります。

この記事では、複雑に見える残業代の計算方法を、具体的な例を交えながら一つひとつ丁寧に解説します。読み終える頃には、ご自身の残業代がどのように決まるのか、スッキリと理解できるようになるはずです。

残業代計算の基本となる考え方

残業代の計算を始める前に、必ず押さえておきたい2つの基本があります。

一つは「法定労働時間」と「所定労働時間」の違い。もう一つは、計算の土台となる「1時間あたりの基礎賃金」です。この2つをしっかり理解することが、正しい残業代を知るための最も重要な第一歩となります。

法定労働時間と所定労働時間の違い

「法定」と「所定」。言葉は似ていますが、意味は全く異なります。この違いを理解することが、残業代計算をマスターする上で不可欠です。

  • 法定労働時間
    これは、労働基準法第32条で定められた、労働時間の上限です。原則として「1日8時間・週40時間」がリミットとされています。この時間を超えた労働に対して、会社は割増賃金(いわゆる残業代)を支払う義務が生じます。
  • 所定労働時間
    こちらは、会社が就業規則などで独自に定めている勤務時間のことです。例えば「9時〜17時勤務(休憩1時間)」という会社であれば、所定労働時間は7時間となります。

この区別がなぜ重要かというと、残業には「割増賃金が発生する残業」と「発生しない残業」があるからです。

【具体例】

所定労働時間が7時間の会社で、ある日8時間働いたとします。この場合、1時間の残業が発生します。

しかし、この1時間は法定労働時間の「8時間」以内なので、「法内残業」と呼ばれます。法律上、会社に割増賃金を支払う義務はありません(ただし、会社の就業規則で別途手当が定められている場合もあります)。

もし同じ日に9時間働いた場合は、法定労働時間を超えた1時間分が「法外残業」となり、こちらは1.25倍以上の割増賃金の対象となるのです。

計算の土台「1時間あたりの基礎賃金」とは

残業代計算の心臓部とも言えるのが、「1時間あたりの基礎賃金」です。これは、ご自身の時間単価(時給)がいくらになるのかを算出するもので、給与体系によって計算方法が異なります。

月給制の場合、計算は以下のようになります。

基本の式:「(月給総額 − 除外される手当)÷ 1ヶ月の平均所定労働時間」

【具体例】

月給30万円、1ヶ月の平均所定労働時間が160時間のAさんが、法外残業(1.25倍の割増が必要)を3時間したケースで考えてみましょう。

1. 基礎賃金の計算
300,000円 ÷ 160時間 = 1,875円(これがAさんの基礎賃金です)

2. 残業代の計算
1,875円 × 1.25倍 × 3時間 = 7,031円

この7,031円が、Aさんの3時間分の残業代となります。

この考え方は多くの企業で採用されており、厚生労働省の賃金構造基本統計調査といった資料でも基本的な考え方として示されています。

基礎賃金から除外される手当に注意

ここで一つ、重要な注意点があります。月給の全額が基礎賃金の計算対象になるわけではありません。

労働との直接的な関係が薄く、社員個人の事情によって支払われる手当は、基礎賃金の計算から除外するルールになっています。

具体的には、以下のような手当が該当します。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金(結婚祝い金など)
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナスなど)

これらの手当は、仕事の成果そのものというより、社員一人ひとりの生活状況に合わせて支給されるものであるため、労働の対価である基礎賃金には含めない、という考え方です。まずはご自身の給与明細を確認し、どの手当が計算に含まれているかチェックしてみてください。

もし「自分のケースではどう計算すればいいかわからない」「会社の計算が合っているか不安…」と感じたら、社会保険労務士のような専門家に相談するのも有効な手段です。

残業の種類で変わる割増賃金率

「残業代の計算はなぜこんなに複雑なのだろう?」と感じる一番の理由は、「割増賃金率」にあります。実は、ひとくちに「残業」といっても、いつ働いたかによって割増率が大きく変わるのです。

このルールは法律で細かく定められており、ここを理解することが、ご自身の残業代が正しく支払われているかを確認する上で欠かせません。

押さえておきたい3つの基本割増率

残業代を計算する上で、まず頭に入れておきたいのが労働基準法で定められた3つの基本的な割増率です。ご自身の働き方がどれに当てはまるか、チェックしてみてください。

  • 時間外労働(法定外残業):割増率 25%以上
    法律で決められた労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働いた場合に適用されます。一般的に「残業」と呼ばれるものがこれにあたります。
  • 深夜労働:割増率 25%以上
    夜22時から翌朝5時までの間に働いた場合に適用されます。これは時間外労働とは別に、深夜帯に働いたこと自体に対して支払われる割増賃金です。
  • 休日労働:割増率 35%以上
    法律で定められた「法定休日」に働いた場合に適用されます。法定休日とは、週に1回または4週間に4回必ず与えなければならない休日のことです。この日の労働は心身への負担が大きいことから、割増率が高めに設定されています。

【知っておきたいポイント】「法定休日」と「所定休日」の違い

会社の休日が土日だとしても、両方が「法定休日」とは限りません。就業規則で日曜日を法定休日と定めている場合、土曜日の出勤は「休日労働」ではなく、週の労働時間が40時間を超えていれば「時間外労働」として扱われます。割増率が変わってくるため、一度ご自身の会社の就業規則を確認してみることをお勧めします。

割増率が重なるケースもある?

「平日に深夜まで残業した」「休日に出勤して、仕事が深夜に及んだ」といったケースでは、割増率は足し算で計算されます。

  • 時間外労働 + 深夜労働
    平日の夜23時まで残業した場合、22時以降の労働には時間外労働の25%と深夜労働の25%が両方適用されます。
    つまり、22時から23時までの1時間については、25% + 25% = 合計50%以上の割増率となります。
  • 休日労働 + 深夜労働
    法定休日に出勤し、その仕事が深夜までかかった場合も同様です。
    このケースでは、35%(休日)+ 25%(深夜)= 合計60%以上という、非常に高い割増率が適用されます。

ただし、休日労働と時間外労働の割増率は重複しない点に注意が必要です。法定休日の労働は、それ自体が特別な枠組みのため、何時間働いても割増率は35%のままです(深夜帯は除く)。

【一覧表】残業の種類別 割増賃金率

ご自身の働き方がどのパターンに当てはまるか、下の表で整理してみましょう。労働基準法第37条で定められている、残業の種類に応じた最低割増賃金率をまとめたものです。

労働の種類 割増率 適用される条件の例
時間外労働 25%以上 1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えた労働
深夜労働 25%以上 22時から翌5時までの間の労働
休日労働 35%以上 法律で定められた法定休日の労働
時間外労働 + 深夜労働 50%以上 法定労働時間を超え、かつ深夜帯(22時〜5時)に及ぶ労働
休日労働 + 深夜労働 60%以上 法定休日に、かつ深夜帯(22時〜5時)に及ぶ労働

ここに記載した割増率は法律上の最低ラインであり、会社によっては就業規則でこれ以上の率を定めている場合もあります。

このように、いつ働いたかによって割増率は大きく変動します。日々のタイムカードや業務日報などの勤怠記録を正確につけておくことが、ご自身の権利を守るために非常に重要です。

もし給与明細を見て計算が合わないと感じたり、どの割増率が適用されるのか分からなかったりする場合は、一人で悩まずに社会保険労務士といった専門家に相談することをお勧めします。

具体的なケースで残業代の計算方法を見てみよう

ここからは実際のケースをもとに、具体的な残業代の計算を見ていきましょう。理屈だけでなく、ご自身の状況に近い例を見ることで、「なるほど、こうやって計算するのか」とより深く理解できるはずです。

ここでは、月給制で働く会社員をモデルに、よくある3つのパターンを解説します。

基本:月給制で、平日に2時間残業した場合

最も一般的なケースから見ていきましょう。

前提条件

  • 月給(基礎賃金の対象): 320,000円
  • 年間所定休日: 125日
  • 1日の所定労働時間: 8時間
  • ある日の残業: 2時間(18:00〜20:00)

【ステップ1】1時間あたりの基礎賃金を計算する

まず、ご自身の「時給」にあたる金額を算出します。

  • 年間の総労働時間: (365日 − 125日) × 8時間 = 1,920時間
  • 月の平均所定労働時間: 1,920時間 ÷ 12ヶ月 = 160時間
  • 1時間あたりの基礎賃金: 320,000円 ÷ 160時間 = 2,000円

【ステップ2】残業代を計算する

基礎賃金に、平日の時間外労働の割増率1.25倍(25%増し)を適用します。

  • 残業代: 2,000円 × 1.25 × 2時間 = 5,000円

この日の残業に対して、5,000円が支払われることになります。

応用:深夜労働と休日労働が重なってしまった場合

次に、少し複雑なケースです。法定休日の出勤が長引き、深夜に及んだ場合を考えます。

前提条件

  • 1時間あたりの基礎賃金: 2,200円
  • ある法定休日の労働: 13:00〜23:00(休憩1時間)
  • 実労働時間: 9時間

この場合、労働時間を「休日労働のみの時間帯」と「深夜労働も重なった時間帯」に分けて計算するのがポイントです。

  • 休日労働のみの時間 (13:00〜22:00): 8時間
  • 休日労働+深夜労働の時間 (22:00〜23:00): 1時間

【ステップ1】休日労働分(13:00〜22:00)の残業代を計算する

休日労働の割増率1.35倍(35%増し)を適用します。

  • 休日労働分の残業代: 2,200円 × 1.35 × 8時間 = 23,760円

【ステップ2】深夜労働が重なる分(22:00〜23:00)の残業代を計算する

休日労働(35%)と深夜労働(25%)の割増率を足し合わせます。

  • 適用される割増率: 35% + 25% = 60%(1.60倍
  • 深夜休日労働分の残業代: 2,200円 × 1.60 × 1時間 = 3,520円

【ステップ3】合計額を算出する

2つの時間帯の残業代を合計します。

  • 合計残業代: 23,760円 + 3,520円 = 27,280円

複数の割増が絡むときは、時間帯ごとに分けて計算するのが鉄則です。このルールは労働基準法第37条にも定められています。

特殊:固定残業代(みなし残業代)制度がある場合

あらかじめ一定時間分の残業代が給与に含まれている「固定残業代制度」。ここで注意すべきは、定められた時間を超えて働いた分については、別途残業代を支払う義務が会社にあるという点です。

前提条件

  • 1時間あたりの基礎賃金: 1,800円
  • 固定残業代: 45,000円(20時間分として支給)
  • ある月の実績: 時間外労働 30時間、深夜労働 5時間

【ステップ1】実際に発生した残業代の総額を計算する

まず、固定残業代がなかった場合に支払われるべき残業代を計算します。

  • 時間外労働分: 1,800円 × 1.25 × 30時間 = 67,500円
  • 深夜労働分: 1,800円 × 0.25 × 5時間 = 2,250円
    ※注意:深夜労働が時間外労働と重複しているため、追加割増となる25%分のみを計算します。
  • 本来の残業代総額: 67,500円 + 2,250円 = 69,750円

【ステップ2】固定残業代との差額を求める

本来支払われるべき金額と、支給済みの固定残業代との差額を計算します。

  • 支払うべき差額: 69,750円 − 45,000円 = 24,750円

この場合、会社は通常の給与とは別に、24,750円を追加で支払わなければなりません。ご自身の給与明細や雇用契約書で、固定残業代が「何時間分」として設定されているか、一度確認しておくことが大切です。

もし、ご自身のケースでの計算が難しかったり、会社の計算に疑問を感じたりした場合は、労働問題に詳しい社会保険労務士のような専門家に相談するのが一番の近道です。

どの手当が残業代の計算ベースになる?意外と知らない「基礎賃金」の話

残業代を正しく計算するための第一歩は、「1時間あたりの基礎賃金」を正確に算出することです。ここで多くの人がつまずくのが、「どの手当を基礎賃金に含めるのか?」という問題です。

給与明細に記載されている手当がすべて計算の対象になるわけではない、というルールを知っておきましょう。

なぜ一部の手当は計算から除外されるの?

残業代は「労働そのものへの対価」と考えられています。そのため、労働基準法では、個人の事情によって支払われる手当は、純粋な労働への対価とは切り離して考えるべきだ、というスタンスを取っています。

例えば、扶養家族が多いAさんと独身のBさんが全く同じ仕事で同じ時間だけ残業した場合、もし家族手当を基礎賃金に含めてしまうと、Aさんの方が残業代が高くなり不公平が生じます。このような不平等をなくし、あくまで「働いた分」に対して正しく割増賃金を支払うために、除外すべき手当が法律で定められています。

法律で決まっている「除外対象」の7つの手当

労働基準法施行規則第21条で、基礎賃金から除外できる手当は以下の7つに限定されています。逆に言えば、これら以外の手当は、原則としてすべて基礎賃金に含めなければなりません

  • 家族手当:扶養家族の人数などに応じて支払われるもの
  • 通勤手当:通勤距離や交通費の実費に応じて支払われるもの
  • 別居手当:単身赴任などで家族と別居する場合の手当
  • 子女教育手当:子どもの学費などを補助する手当
  • 住宅手当:家賃や住宅ローンの額に応じて支払われるもの
  • 臨時に支払われた賃金:結婚祝い金やお見舞金など、突発的なもの
  • 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金:賞与(ボーナス)など

これらは従業員一人ひとりの個人的な状況によって金額が変わるため、除外対象とされています。

「住宅手当」は名前に惑わされないで!

特に注意が必要なのが「住宅手当」です。

たとえ「住宅手当」という名称でも、社員の住宅事情とは無関係に「全従業員に一律で月額2万円」といった形で支給されている場合、これは法律上の「除外できる住宅手当」には当たりません。実質的には基本給の一部と見なされ、基礎賃金に含めて計算する必要があります。手当の名称ではなく、その支給実態が判断の鍵となります。

基礎賃金に「含めるべき」手当の代表例

では、逆にどんな手当が基礎賃金に含まれるのでしょうか。先ほどの7つ以外は、基本的にすべて含めるのがルールです。

  • 役職手当:部長、課長といったポジションに対して支払われる手当
  • 資格手当:業務に関連する特定の資格を持っている人に支払われる手当
  • 精皆勤手当:無遅刻・無欠勤だった場合に支払われる手当
  • 地域手当:物価の高い特定の地域で働く人に支払われる手当
  • 固定残業代(みなし残業代):「営業手当」などの名称でも、実質が固定残業代なら基礎賃金に含みます

これらの手当は、個人の生活状況ではなく、仕事の内容や勤務態度といった「労働」に直接関わるものであるため、残業代計算の基礎に含める必要があります。

もし給与明細を見て、「この手当は計算に含まれるべきでは?」と疑問に思ったり、判断に迷ったりした場合は、一人で悩まず専門家に相談するのが一番の近道です。

計算が合わない…? よくある原因と自分でできる対処法

「自分で計算した残業代と、給与明細の金額が合わない…」

このような場合、すぐに会社を疑う前に、まずは計算間違いでよくあるパターンをご自身でチェックしてみましょう。会社に悪気はなくても、昔からの慣習で誤った計算方法が続いているケースは少なくありません。

原因1:労働時間が正しく記録されていない

残業代計算の土台は、日々の「労働時間」の記録です。特に注意したいのが、労働時間の切り捨てという慣行です。

労働基準法第24条では、賃金は全額を支払うのが大原則です。そのため、労働時間も原則として1分単位で計算しなければなりません。

もし会社が「15分未満は切り捨て」といった独自のルールを設けている場合、それは法律に違反している可能性が非常に高いと言えます。

例えば、毎日10分ずつ残業していても、「15分未満は切り捨て」というルールのもとでは、すべて「0分」として扱われてしまいます。心当たりがあれば、まずはご自身の正確な出退勤時刻をメモやアプリなどで毎日記録することから始めましょう。

原因2:固定残業代の超過分が支払われていない

「みなし残業代」とも呼ばれる固定残業代制度は、「固定残業代を払っているから、いくら残業させても追加の支払いは不要」という誤解をされがちです。

正しい理解
固定残業代は、あくまで「あらかじめ定められた時間分」の残業代を前払いしているにすぎません。例えば「20時間分の固定残業代」が設定されている場合、実際の残業が25時間だったなら、超過した5時間分の残業代は別途支払われなければならないのです。

ご自身の固定残業代が何時間分として設定されているかを確認し、実際の残業時間がそれを超えていないか、毎月チェックする習慣が大切です。

原因3:基礎賃金の計算に含めるべき手当が抜けている

残業代の単価となる「1時間あたりの基礎賃金」の計算に含めるべき手当が、意図せず除外されていることも、金額が合わなくなる原因の一つです。

チェックリスト

  • 役職手当資格手当が、基礎賃金の計算から除外されていませんか?
  • 「住宅手当」という名目でも、実は全社員に一律の金額が支払われていませんか?(この場合、基礎賃金に含める必要があります)

給与明細を改めて確認し、除外対象ではない手当まで計算から引かれていないか、見直してみましょう。

会社に確認する前に準備しておきたいこと

もし会社側の計算に誤りがある可能性が高いと感じたら、感情的にならず、客観的な証拠を集めて冷静に話を進める準備をしましょう。

  1. 証拠を集める
    • 労働時間を示すもの:タイムカードの写真、PCのログイン・ログオフ記録、業務日報、メールの送受信履歴など、客観的な記録が有効です。
    • 給与額を示すもの:給与明細、雇用契約書、就業規則などを手元に準備しましょう。
  2. 自分の計算結果をまとめる
    集めた証拠をもとに、本来の残業代がいくらになるはずかをExcelなどで分かりやすくまとめておくと、話がスムーズに進みます。
  3. 冷静に、「確認」というスタンスで尋ねる
    準備が整ったら、人事部や上司に「残業代の計算方法について、少し確認したい点があるのですが」と、あくまで冷静に問い合わせてみましょう。単なる計算ミスの可能性も十分にあります。

もし、会社との話し合いで解決しなかったり、どう話を進めればいいか不安に感じたりする場合は、一人で抱え込まずに専門家へ相談することをおすすめします。

残業代計算でよくある疑問

残業代の基本的な計算方法がわかってくると、「自分のこのケースはどうなんだろう?」といった、より具体的な疑問が出てくるはずです。ここでは、多くの方がつまずきやすいポイントをQ&A形式で解説します。

パートやアルバイトでも残業代はもらえるの?

もちろんです。雇用形態に関係なく、残業代は支払われるべきものです。パートタイマーやアルバイトであっても、労働基準法で守られるべき「労働者」であることに変わりはありません。

法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働いた分については、正社員と全く同じように割増賃金を受け取る権利があります。

「管理職だから残業代は出ない」って本当?

「管理職には残業代が出ない」という話は、労働基準法第41条で「管理監督者」は時間外・休日労働の規定が適用されないと定められているのが根拠です。

ただし、社内で呼ばれる「管理職」と、法律上の「管理監督者」は必ずしもイコールではありません。法律上の管理監督者と認められるには、以下の厳しい条件があります。

  • 経営者と一体と言えるほどの権限と責任があるか
  • 出退勤時間を自分で自由に決められるか
  • その役職にふさわしい高い待遇(給与など)を受けているか

これらの実態が伴っていなければ、肩書が「店長」や「マネージャー」であっても、法律上の管理監督者とは言えず、残業代を請求できる可能性があります。なお、深夜労働の割増賃金(25%以上)は管理監督者にも適用されるため、この分の支払いは必須です。

管理監督者にあたるかどうかの判断は非常に専門的です。もし疑問に思うなら、社会保険労務士などの専門家に相談してみることを強くお勧めします。

残業代の請求って、いつまでできる?時効はあるの?

はい、残業代を請求する権利には時効があります。未払いの賃金を請求できる期間は、法改正により、当面の間「3年間」とされています。(2020年4月1日以降に支払われる賃金から適用)

つまり、給料日の翌日から3年が経過すると、その分の残業代を請求する権利が消滅してしまいます。「もしかして未払いがあるかも…」と気づいたら、一日でも早く行動を起こすことが大切です。


個別の事情が絡むと、「自分のケースではどう考えればいいのだろう?」と一人で悩んでしまうことも多いでしょう。そんなとき、専門家の視点がきっと役に立ちます。

実際に専門家に相談するには

残業代の計算は、法定労働時間、基礎賃金、割増率など、複数の要素が絡み合う専門的な分野です。ご自身で計算してみても不安が残る場合や、会社の計算に疑問を感じる場合は、労働問題に精通した専門家に相談することをお勧めします。

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本記事は2025年11月22日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。