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2025-12-04 開業届と確定申告をわかりやすく解説|個人事業主の手続きと節税のポイント

作成日:2025年12月4日

女性がデスクで書類に記入している様子。計算機、硬貨、スマホが置かれ、壁にはカレンダーがある。

個人事業主として自分のビジネスを始める。その第一歩となるのが、開業届の提出です。そして、その先には必ず確定申告が待っています。この二つは、事業を正式にスタートさせ、賢く節税するためのいわば「両輪」のようなもの。

まずは開業届と、節税のキモになる青色申告承認申請書をセットで提出する。そして日々の取引をコツコツ記録して、翌年の確定申告に備える。これが個人事業主としての基本的な流れになります。

開業届から確定申告までの流れを掴む

個人事業主としてのキャリアは、たった一枚の「開業届」を税務署に提出するところから始まります。これ一枚で、あなたは税務上「個人事業主」として認められ、ビジネスの世界へのパスポートを手に入れるわけです。

しかし、これを単なる事務手続きだと思ってはいけません。実は、事業の将来を左右する、かなり戦略的な一手なのです。特に、確定申告で大きな節税効果を生み出す「青色申告」の権利を得るためには、この最初の動きが非常に重要になります。

事業を始めたら、まず何をすべきか

事業をスタートさせたら、やることはシンプルです。「開業届」と「青色申告承認申請書」を出す。これだけです。ポイントは、この二つをなるべく同時に、そしてスピーディーに提出すること。

法律上、事業を開始した日から1か月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」(いわゆる開業届)を出すことになっています。正直なところ、これを少し過ぎたからといって罰則があるわけではありません。

しかし、本当に重要なのは青色申告のほうです。節税メリットの大きい青色申告をするには、開業届とセットで「青色申告承認申請書」を、事業開始から2か月以内に出さなければなりません(※1月1日〜1月15日に開業した場合は、その年の3月15日が期限となります)。国税庁のサイトで手続きの詳細を確認して、この期限は絶対に守りましょう。

この「2か月以内」という期限が、あなたの初年度の納税額を大きく左右します。もしこのタイミングを逃してしまうと、その年は青色申告の特典(最大65万円の特別控除など)を一切受けられなくなってしまいます。

【具体例】

例えば、4月1日に事業をスタートしたとします。青色申告承認申請書の提出期限は、5月31日です。もしうっかり忘れて6月1日に提出してしまうと、その年の確定申告は自動的に白色申告になります。青色申告のメリットを享受できるのは、翌年分からになってしまうのです。

確定申告までの1年間の動き

開業届を出したからといって、すぐに確定申告がやってくるわけではありません。ここからは、日々のビジネス活動と、その記録を積み重ねていく期間です。

  • 開業〜12月31日まで
    この期間は、日々の売上や経費を帳簿につけていく「記帳」作業がメインになります。領収書や請求書といった経費の証拠は、絶対に無くさないようにファイルしておきましょう。最近は便利なクラウド会計ソフトも多いため、簿記の知識に自信がなくてもスムーズに進められます。
  • 翌年1月〜2月中旬
    年が明けたら、1年間の帳簿を締めて、売上や経費をまとめた「決算書」を作ります。青色申告の場合は、「貸借対照表」と「損益計算書」という書類が必要になります。
  • 翌年2月16日〜3月15日
    完成した決算書をもとに「確定申告書」を作成し、税務署へ提出します。算出した所得税を納付すれば、一連の手続きは完了です。

この全体の流れを頭に入れておくだけで、漠然とした不安はずいぶん軽くなるはずです。

なぜ「開業届」と「青色申告承認申請書」の同時提出がベストなのか

この二つの書類を同時に出すのは、単に手間が省けるからというだけではありません。

例えば、事業用の銀行口座を屋号付きで作りたい時や、小規模企業共済に加入したり、補助金を申請したりする場面。こういった時に、開業届の控えの提出を求められることが非常に多いのです。

最初に手続きを済ませておけば、いざという時に「書類がない!」と慌てることもなく、ビジネスチャンスを逃さずに済みます。

もし、手続きに少しでも不安があったり、自分にとってどの申告方法が一番お得なのか判断に迷ったりしたときは、税理士のような専門家に相談するのも賢い選択です。P4 MARKETのようなプラットフォームでは、税理士などの専門家にオンラインで気軽に相談できます。正しい知識を武器に、有利なスタートを切りましょう。

開業から初回確定申告までの手続きチェックリスト

手続きの名称 主な提出書類 提出期限の目安 ポイント
開業の届出 個人事業の開業・廃業等届出書 事業開始から1か月以内 まずはこれを提出しないと始まりません。
青色申告の申請 所得税の青色申告承認申請書 事業開始から2か月以内 開業届とセットで提出するのが鉄則。初年度の節税額を左右します。
記帳・証憑書類の保管 −(会計ソフトや帳簿を使用) 日々〜12月31日まで レシートや請求書は月別に整理して保管。クラウド会計ソフトが便利です。
決算書の作成 青色申告決算書、収支内訳書 翌年1月 1年間の帳簿を基に作成。会計ソフトを使えば自動で作成できる場合が多いです。
確定申告・納税 確定申告書 翌年2月16日〜3月15日 e-Taxでの電子申告が便利。納税まで忘れずに行いましょう。

このチェックリストを参考に、手続きの抜け漏れがないように進めていきましょう。

開業届と青色申告承認申請書、どう書く?どこに出す?

さあ、いよいよ開業!と決めたら、次は役所への手続きです。事業主としての一歩を踏み出すために欠かせないのが、「開業届」と「青色申告承認申請書」。難しそうな名前ですが、事業主としての「届出」と「おトクな節税パスポートの申請」だと考えてください。

専門用語が並んでいるので一見すると戸惑うかもしれませんが、押さえるべきポイントさえ分かっていれば、誰でも作成できます。

書類のフォーマットは、国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、お近くの税務署に行けばもらえます。ここでは、特に皆さんが「これ、どう書けばいいの?」と迷いがちな項目を中心に、書き方のコツを解説していきます。

開業届で手が止まりがちな項目の書き方

開業届で一番悩むのは、おそらく「職業」と「事業の概要」の欄ではないでしょうか。ここは、あなたのビジネスを第三者に分かりやすく伝える大切な部分です。

「職業」欄は具体的に

  • IT系なら: ウェブデザイナー、ITコンサルタント、プログラマー
  • クリエイティブ系なら: イラストレーター、ライター、映像編集者
  • お店をやるなら: 飲食店経営、小売業、美容室経営

「事業の概要」欄で補足する
「職業」欄で書いたことを、もう一歩踏み込んで説明するイメージです。例えば「ウェブデザイナー」なら、「ホームページの制作及び保守管理」といった具合です。もし将来的に事業を広げる可能性があるなら、少し幅を持たせた書き方をしておくと、後から変更手続きをする手間が省けることもあります。

そして、忘れてはならないのがマイナンバー(個人番号)の記入です。提出するときには本人確認が必要になるので、マイナンバーカードや通知カード、住民票の写しなどをあらかじめ準備しておきましょう。

よく「開業日はいつにすればいいの?」と聞かれますが、これは書類を提出する日じゃなくてもOKです。実際に事業を始めた日、例えば初めての売上が立った日や、事務所の契約日などを設定するのが一般的です。

青色申告承認申請書、ここだけは押さえて!

青色申告承認申請書は、開業届と比べると項目も少なくてシンプルです。でも、節税効果をフルに活かすためには、いくつか慎重に選ぶべきポイントがあります。

特に大事なのが「簿記方式」。ここで「複式簿記」を選ぶこと。これが、最大65万円の青色申告特別控除を受けるための絶対条件なのです。

もう一つ、「備付帳簿名」という欄があります。ここには、複式簿記で使う「総勘定元帳」や「仕訳帳」といった帳簿にチェックを入れましょう。今は便利な会計ソフトを使えば、こうした帳簿は自動で作成してくれるので、あまり深く考えずに必要なものに丸をつけておけば大丈夫です。

提出方法は3つ。あなたに合うのはどれ?

書類ができあがったら、いよいよ提出です。方法は大きく分けて3つ。それぞれのメリット・デメリットを見て、自分に合った方法を選びましょう。

提出方法の比較

提出方法 メリット デメリット
税務署の窓口 その場で不備をチェックしてもらえる。控えにすぐ受付印がもらえる。 開庁時間内に行く必要がある。混雑していることも。
郵送 税務署に行く手間が省ける。 控えが返送されるまで時間がかかる。不備があるとやり取りが面倒。
e-Tax(電子申請) 24時間いつでも自宅から提出可能。控えもデータで即時発行。 マイナンバーカードと対応機器が必要。最初の設定が少し面倒。

今どきの本命は、やっぱりe-Tax(電子申請)

もし迷ったら、断然e-Tax(電子申請)がおすすめです。開業届だけでなく、毎年の確定申告でもずっと使えるので、そのメリットは計り知れません。

実際、国税庁の発表を見ても、e-Taxの利用率は年々上がっており、特にスマホ申告が普及しています。マイナンバーカードと対応スマホさえあれば、税務署の行列に並ぶことなく、すべての手続きが家で終わるのは本当に便利です。e-Taxの最新情報については国税庁の公式サイトで確認できます。

ちなみに、郵送で提出するときの注意点が一つ。税務書類は「信書」扱いのため、宅配便やゆうメールでは送れません。必ず郵便局の「郵便」か「信書便」を使いましょう。期限ギリギリの場合は、ポストに投函するのではなく、郵便局の窓口で「通信日付印(消印)」をしっかり押してもらうのが確実です。

もし「一人で書類を作るのは不安」「自分のビジネスに合った書き方が分からない」と感じたら、税理士に相談するのも一つの手です。P4 MARKETのようなサービスを使えば、必要なタイミングで専門家のアドバイスだけをもらうこともできます。万全の準備で、気持ちよく事業をスタートさせましょう。

開業したての人がつまずかない!初めての確定申告に向けた経理のキホン

開業届と青色申告承認申請書を無事に提出したら、いよいよ事業主としての毎日がスタートします。ここから確定申告まで、避けては通れないのが「経理」、つまり日々の帳簿づけです。

確定申告は、年に一度だけ行うイベントではありません。実は、365日の記録をコツコツ積み上げた結果が、あの申告書の数字になるのです。申告直前になって「領収書の山が…!」と慌てないためにも、今のうちからしっかり準備を進めていきましょう。

なぜ毎日の記帳がそんなに大切なのか?

個人事業主になると、白色申告でも青色申告でも、日々の取引を記録する「記帳」が法律で義務付けられています。

なぜなら、この帳簿こそが、あなたの事業活動を客観的に証明する唯一の公式ドキュメントだからです。売上や経費を地道に記録しておくことで、確定申告で慌てずに済むのはもちろん、自分のビジネスが今どんな状況なのかをリアルタイムで把握できます。これは、次の戦略を立てるための何より貴重なデータになるのです。

確定申告がうまくいくかどうかは、日々の記帳でほぼ決まると言っても過言ではありません。正確な帳簿は、節税の第一歩であり、万が一の税務調査から自分を守る最強の盾にもなってくれます。

「これって経費?」その線引き、どう考える?

多くの個人事業主が最初に頭を悩ませるのが、「どこまで経費にしていいの?」という問題です。基本の考え方は、「その支出が、事業の売上を上げるために直接必要だったか?」です。

いくつか具体例を見てみましょう。

経費として認められやすいもの

  • 仕入代金: 販売する商品や制作に使う材料の購入費
  • 事務所家賃: 事業で使っているオフィスの賃料
  • 消耗品費: 仕事で使う文房具やプリンターのインクなど
  • 通信費: 事業用のインターネット回線やスマホの料金
  • 接待交際費: 取引先との打ち合わせでかかった飲食代
  • 旅費交通費: 取引先への移動にかかる電車代や出張の宿泊費

逆に、事業と直接関係ないプライベートな支出は、当然ながら経費にはできません。家族との旅行や、趣味で使う道具の購入費などは認められません。税務署は事業との関連性をシビアに見ているので、迷ったときは「このお金を使わなかったら、仕事に支障が出たかな?」と自分に問いかけてみると、判断しやすくなります。経費の基本的な考え方は、国税庁のウェブサイトにも載っているので、一度目を通しておくと安心です。

自宅兼事務所の家賃や光熱費はどうする?「家事按分」の考え方

フリーランスや個人事業主の場合、自宅を事務所として使っているケースは多いでしょう。家賃や電気代、ネット料金といった、プライベートと仕事の費用が混在している支出は、「家事按分(かじあんぶん)」という方法を使って、事業で使った分だけを経費に計上します。

ここで大事なのは、誰が見ても納得できる、客観的で合理的な基準で分けることです。

  • 家賃: 事業で使っているスペースの面積で分けるのが最もシンプルです。例えば、家全体が60㎡で、仕事部屋が15㎡なら、家賃の25%(15㎡ ÷ 60㎡)を経費にできます。
  • 電気代: 使用時間や、仕事で使うコンセントの数などを基準にします。例えば、1日24時間のうち8時間を仕事に使っているなら、約33%(8時間 ÷ 24時間)を目安にする、といった具合です。
  • 通信費: 週5日、1日8時間仕事で使うと仮定すれば、1週間全体の使用時間の約30%((8時間×5日) ÷ (24時間×7日))を事業用と考えることもできます。

この按分比率は、一度決めたら頻繁に変えず、毎月同じ割合で計上するのが基本です。「なぜこの比率にしたのか」をいつでも説明できるよう、計算の根拠をメモで残しておくことを強くおすすめします。

青色申告65万円控除と会計ソフトという強い味方

青色申告の最大のメリットである最大65万円の特別控除。これを受けるには、「複式簿記」という方法で帳簿をつけなければなりません。複式簿記は、一つの取引を複数の視点から記録する方法で、最終的に貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)といった正式な決算書を作成するためのものです。

「複式簿記なんて、簿記の知識がないと無理そう…」と感じるかもしれませんが、今は心配いりません。

ほとんどの個人事業主が、便利な会計ソフトを利用しています。会計ソフトに銀行口座やクレジットカードを連携させておけば、取引データが自動で取り込まれ、あとは簡単な操作で複式簿記の帳簿がほぼ完成します。

日々の作業は、取り込まれたデータが「打ち合わせのランチ代だから会議費」「プリンターのインクだから消耗品費」というように勘定科目を選んでいくだけです。これだけで記帳の手間は劇的に減り、確定申告の時期にはボタン一つで決算書や申告書まで作成できます。

経理作業は地味で面倒に感じるかもしれませんが、正しい知識と便利なツールがあれば、決して乗り越えられない壁ではありません。もし経費の判断や家事按分で不安なことがあれば、税理士にスポットで相談するのも賢い選択です。P4 MARKETのようなプラットフォームを使えば、必要な時にだけ専門家のアドバイスを受けることもできます。最初のうちにしっかり経理の土台を固めて、安心して事業を成長させていきましょう。

いよいよ大詰め!確定申告書を作成して提出しよう

日々の記帳作業、お疲れ様でした。コツコツ積み上げてきたデータが、いよいよ個人事業主としての一年間の集大成、「確定申告」で形になります。

会計ソフトが作成した決算書(青色申告なら「青色申告決算書」、白色申告なら「収支内訳書」)を片手に、最終ゴールである確定申告書の作成に取り掛かりましょう。

一見すると複雑そうに思えるかもしれませんが、決算書のどの数字を、申告書のどこに書き写すかという「転記」のルールさえ分かれば、意外とスムーズに進められます。

まずは決算書から確定申告書へ数字を引っ越す

手元に用意するのは、会計ソフトから出力した「青色申告決算書」です。この書類は4ページで構成されていますが、特に重要なのは1ページ目の「損益計算書」と4ページ目の「貸借対照表」です。

申告書の作成は、国税庁が提供している「確定申告書等作成コーナー」を使うのが最も分かりやすく確実です。画面の案内に沿って、決算書の数字を一つずつ丁寧に入力していきましょう。

  • 売上(収入)金額:損益計算書にある「売上(収入)金額」の合計を、確定申告書の「収入金額等」にある「事業(営業等)」の欄に転記します。
  • 所得金額:損益計算書で計算された最終的な利益、つまり「所得金額」(青色申告特別控除を引くの金額)を、確定申告書の「所得金額等」の「事業(営業等)」の欄に書き写します。

最近の会計ソフトは優秀で、決算書の情報から確定申告書まで自動で作成してくれる機能がついているものも多いです。その場合は、ソフトが算出してくれた数字が合っているか最終チェックするだけで済み、作業がぐっと楽になります。

ワンポイントアドバイス

確定申告書の作成では、決算書と申告書、2つの書類を見比べながら作業します。数字の転記ミスは納税額に直接影響するため、入力が終わったら、必ず二重、三重にチェックする習慣をつけましょう。

節税のキモ!忘れがちな所得控除をチェック

事業の所得が固まったら、次にやるべきは「所得控除」を漏れなく計上することです。これは、個人の事情に応じて税金の負担を軽くしてくれる制度です。使える控除が多ければ多いほど、課税対象となる所得が減り、手元に残るお金が増えます。

とくに個人事業主の方が忘れがちな所得控除をリストアップしました。自分に当てはまるものがないか、必ず確認してください。

  • 社会保険料控除:ご自身で支払った国民年金や国民健康保険の保険料は、その全額が控除の対象です。年金は控除証明書、健康保険は1年間の支払額がわかる通知書などを用意しましょう。
  • 生命保険料控除:生命保険や医療保険、個人年金保険などに加入していれば、その保険料も控除対象です。保険会社から秋頃に送られてくる「生命保険料控除証明書」を手元に準備してください。
  • iDeCo(個人型確定拠出年金):もしiDeCoに加入しているなら、その掛金は全額が所得控除の対象になります。これは非常に節税効果が高いので、絶対に忘れないようにしましょう。「小規模企業共済等掛金払込証明書」に記載された金額を記入します。
  • ふるさと納税(寄附金控除):応援したい自治体へ寄付をしたら、自己負担の2,000円を除いた全額が控除対象です(上限あり)。自治体から届く「寄附金受領証明書」が必要になります。
  • 医療費控除:自分や家族のために支払った医療費が、年間で10万円(または所得の5%)を超えたら適用できます。薬局で購入した風邪薬なども対象になることがあるので、レシートは捨てずに保管しておきましょう。

これらの控除を受けるためには、支払いを証明する書類が必須です。申告時に提出が不要なものでも、税務署から確認を求められたときにすぐ出せるよう、5年間は大切に保管してください。

提出は断然「e-Tax」がスマート

確定申告書が完成したら、いよいよ税務署へ提出です。方法は大きく3つ。税務署の窓口に直接持っていく、郵送する、そしてオンラインで完結する「e-Tax(電子申告)」です。時間や手間を考えれば、e-Taxが最も効率的と言えるでしょう。

e-Taxなら、申告期間中であれば24時間いつでも自宅のパソコンやスマホから提出できます。マイナンバーカードがあれば、IDやパスワードの事前準備も不要でスムーズです。

そして何より、青色申告で節税メリットが最も大きい65万円の特別控除を受けるためには、このe-Taxでの申告、または電子帳簿保存が必須条件の一つとなっています。

申告と納税の期限は、原則として毎年3月15日です。この日を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税といったペナルティが発生する可能性があるので注意が必要です。

もし提出後に間違いに気づいても、慌てる必要はありません。期限内であれば、正しい内容で申告し直せば大丈夫です。期限を過ぎてしまった場合は、「更正の請求」(税金を払いすぎていた場合)や「修正申告」(税金が足りなかった場合)という手続きで対応できます。

確定申告は年に一度の大仕事ですが、一つひとつのステップを確実にこなしていけば、決して難しいものではありません。もし所得控除の判断に迷ったり、申告書の作成で手が止まってしまったりしたら、税理士のような専門家に相談するのも賢い選択です。P4 MARKETのようなプラットフォームでは、必要な時に必要な分だけ専門家のアドバイスを受けることも可能です。万全の準備で、記念すべき初年度の確定申告を乗り切りましょう。

税務調査って、いつ・どんな人が対象になるの?

「税務調査」と聞くと、ドラマで見るような大げさなものを想像して、自分には関係ないと思っていませんか?もしくは、ある日突然調査官がやってくるのではないかと、漠然とした不安を抱えている方もいるかもしれません。

でも、安心してください。個人事業主のもとに税務調査が入る確率は、実はそれほど高くありません。最も大切なのは、日頃からきちんと帳簿をつけ、すべての取引の証拠となる書類をしっかり保管しておくことです。

実際のところ、税務調査の確率は?

まず、個人事業主が税務調査の対象になる確率は、どれくらいだと思いますか?

国税庁のデータを見ると、個人事業主への実地調査は、申告者全体のうち1%にも満たないのが現実です。これは、税務署が闇雲に調査先を選んでいるわけではないことの裏返しでもあります。国税庁の統計情報で確認できますが、税務署は膨大なデータから「不審な点」がある申告内容の事業者にあたりをつけ、調査を行っているのです。

調査対象になる確率は低いとは言っても油断は禁物です。いざ調査が入ると、8割以上のケースで何らかの申告漏れなどが見つかっています。これは、税務署が「何かありそうだ」と的を絞って調査に来ている、何よりの証拠と言えるでしょう。

税務署に「おや?」と思われやすいケース

では、具体的にどのような申告が税務署の目に留まりやすいのでしょうか。いくつか代表的なパターンがあります。

  • 売上が急に増減している
    前年と比べて売上が不自然に変動していると、「何か特別なことがあったのか?」と関心を持たれやすくなります。
  • 同業者と比べて、経費の割合が著しく高い
    売上に対して経費が多すぎると、「プライベートの支出が混じっていないか?」と疑いの目を向けられることもあります。
  • 現金商売で、売上の実態が見えにくい業種
    飲食店や美容室、小売店といった現金でのやり取りが多いビジネスは、売上をごまかしやすいと見なされ、調査の対象になりやすい傾向があります。

もちろん、これらに当てはまるからといって、すぐに調査が来るわけではありません。大事なのは、どんな数字についても「なぜこうなったのか」をいつでもきちんと説明できる準備をしておくことです。それが一番の防御策になります。

「ちょっと不安…」その時が専門家に相談するタイミング

「開業届も青色申告も済ませたけど、このやり方で本当に合っているのかな…」
もし心の中に少しでもそんな不安がよぎったら、それは専門家に相談する絶好のタイミングかもしれません。

特に、次のような状況なら、税理士の力を借りるメリットは大きいでしょう。

  • 経費にできるかどうかの判断に迷う支出が多い
  • 自宅兼事務所の家賃や光熱費(家事按分)の計算に自信がない
  • 帳簿づけに時間を取られて、本業に集中できない
  • いずれは法人化も視野に入れて、事業を大きくしていきたい

税理士は、ただ確定申告を手伝ってくれるだけではありません。あなたの事業に合わせた節税策を提案してくれたり、資金繰りの相談に乗ってくれたりと、事業を成長させるための心強いパートナーになってくれます。

いきなり顧問契約を結ぶのはハードルが高いと感じるなら、P4 MARKETのようなプラットフォームを賢く使うのも一つの手です。必要な時に30分単位で専門家にオンライン相談できるので、「この経費の処理だけ教えてほしい」といったピンポイントの悩みにも対応してもらえます。

専門家のアドバイスをうまく取り入れて、税の不安をなくすこと。それが、あなたがもっと安心して本業に打ち込むための近道になるはずです。

開業届と確定申告、みんなが悩むポイントを解決

個人事業主としてスタートを切るにあたって、手続きの面で「これってどうなんだろう?」と疑問に思うことは、誰にでもあるはずです。ここでは、特に質問の多い「開業届」と「確定申告」の気になる点をピックアップし、実務的な視点から解説していきます。

開業届、うっかり出し忘れたらどうなる?

「開業届を出すのを忘れていた!」と気づいても、焦る必要はありません。実は、提出が遅れたことに対する直接的な罰則はないのです。

しかし、それ以上に大きなデメリットがあります。最大の痛手は、節税の基本である「青色申告」が使えなくなる可能性があることです。

最大65万円の特別控除など、青色申告のメリットを初年度からフル活用するには、原則として開業から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を出す必要があります。この申請は開業届を出していることが前提です。つまり、開業届が遅れると、初年度の青色申告のチャンスを逃してしまう可能性が高いのです。

さらに、事業用の銀行口座(屋号付き口座)を作成したり、補助金や助成金の申請をしたりする場面では、開業届の控えが「事業を営んでいる証明」として求められることがほとんどです。事業を始めたら、できるだけ早く提出しておくのが得策と言えるでしょう。

覚えておきたいポイント

開業届に罰則はないからと軽く考えず、青色申告の期限に間に合わなくなるだけでなく、事業のさまざまな手続きで足止めを食う可能性があることを覚えておきましょう。後回しにしても良いことは一つもありません。

会社員が副業を始める場合、開業届は必要?

はい、これもよくある質問です。答えは「基本的には提出した方が良い」です。たとえ副業であっても、一時的な収入ではなく、事業として継続的に収益を得ていくのであれば、開業届を提出するのが基本ルールです。

よく「副業の所得が年間20万円以下なら確定申告は不要」と耳にしますが、これはあくまで「所得税」の話です。住民税の申告は所得額に関わらず必要になる点も忘れてはいけません。

もし、将来的に副業を本業に育てていきたい、あるいは青色申告を使って賢く節税したいと考えているなら、副業をスタートしたタイミングで開業届を出しておくことを強くおすすめします。

ただし、注意点として、開業届を出す前に必ず勤務先の就業規則を再確認し、副業が認められているかチェックしておきましょう。

事業が赤字…それでも確定申告はすべき?

事業が赤字の場合、利益(所得)はゼロなので所得税はかかりません。そのため、法律上の確定申告義務はありません。

ですが、もし青色申告をしているなら、赤字でも必ず確定申告をしてください。なぜなら、「純損失の繰越控除」という、非常に強力な節税制度が使えるからです。

これは、その年に出た赤字を、翌年以降最大3年間にわたって将来の黒字と相殺できるという仕組みです。

例えば、今年100万円の赤字を出し、翌年に200万円の黒字が出たとします。この繰越控除を使えば、翌年の利益は「200万円 - 100万円 = 100万円」として税金計算ができます。結果として、支払う税金を大幅に減らせるわけです。この大きなメリットを活かすためにも、赤字の年こそ、きっちり確定申告を済ませておきましょう。


開業や確定申告の手続きは、いざ一人でやろうとすると「自分の場合はどうすれば?」と迷う場面が必ず出てきます。少しでも不安を感じたら、専門家の力を借りるのが一番の近道です。

専門家に相談してみませんか?

P4 MARKETなら、税理士をはじめとするプロに30分単位で気軽にオンライン相談が可能。開業届の書き方から、青色申告の適用判断、経費の処理方法まで、あなたの状況に合わせたアドバイスを受けることができます。

まずは専門家のアドバイスを受けて、安心して事業のスタートラインに立ちましょう。

本記事は2025年12月4日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。