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2025-12-05 相続手続きの必要書類を徹底解説:集め方から提出先まで

作成日:2025年12月5日

家族のシルエットが見守る中、住宅選びや手続きのチェックリストを記入する様子。

相続手続きと聞いて、まず思い浮かべるのは「一体何から手をつければいいの…?」という戸惑いではないでしょうか。実は、あらゆる手続きの出発点は「誰が法的な相続人なのか」を公的に証明する書類を集めることです。これがないと、銀行口座の解約も、不動産の名義変更も、何もかもストップしてしまいます。

この記事では、複雑に見える相続手続きをスムーズに進めるために、どのタイミングで、どんな書類が必要になるのかを分かりやすく解説します。

すべての相続手続きは「必要書類の収集」から

相続とは、単に財産を引き継ぐだけではありません。故人の権利や義務のすべてを受け継ぐ、とても大切な法的な手続きです。だからこそ、金融機関や法務局といった窓口は、「この人は本当に正当な相続人ですか?」という点を厳しく確認します。その証明に、誰が見ても客観的な公的書類が必要になるわけです。

そして、この最初の「書類集め」こそが、実は相続手続き全体で一番時間がかかり、多くの方が頭を抱えるポイントなのです。

なぜ書類集めが最初の関門になるのか?

相続を経験した方の多くが、その複雑さに直面します。実際、ある調査によると、相続手続きで最も大変だったのは「情報収集」で、実に56.6%もの人が困難を感じたと答えています。次に多かったのが「必要な書類が多かったこと」で54.1%。(出典:FNNプライムオンラインの調査結果について詳しく見る

この数字が物語るように、何が必要で、どこへ行けば手に入るのかを把握することが、相続をスムーズに進めるための最大のカギとなります。

なかでも特に重要なのが、故人(被相続人)の「出生から死亡まで」の一連の戸籍謄本です。

「なぜそんなに古い戸籍まで遡るの?」と疑問に思うかもしれません。それは、ご自身も知らない相続人(例えば、前妻との間のお子さんや、認知したお子さんなど)が他にいないことを、公的に確定させるためです。これをしっかりやっておくことで、「私にも相続権があるはずだ」と後から現れる人が出てくるような、将来の思わぬトラブルを未然に防ぐことができるのです。

まずはここから!あらゆる手続きの土台となる基本書類

相続手続きと一口に言っても色々ありますが、どの手続きにも共通して必要になる「基本セット」のような書類があります。まずは、下のチェックリストにある書類を揃えることから始めてみましょう。


【チェックリスト】相続手続きでまず集めるべき基本書類

あらゆる相続手続きの土台となる、共通で必要になる書類の一覧です。誰の、どの書類が必要で、どこで取得できるかをまとめています。

必要書類 誰のものが必要か 主な取得場所 備考
戸籍謄本(除籍・改製原戸籍含む) 被相続人(故人) 過去に本籍を置いていた全ての市区町村役場 出生から死亡までの連続した戸籍が必須。転籍が多いと複数の役所に請求が必要。
住民票の除票 または 戸籍の附票 被相続人(故人) 最後の住所地があった市区町村役場 最後の住所を証明するために必要。不動産登記では必須。
戸籍謄本(現在のもの) 相続人全員 各相続人の本籍地がある市区町村役場 相続人が存命であることを証明する書類。
印鑑証明書 相続人全員 各相続人の住所地がある市区町村役場 遺産分割協議書に押す印鑑が実印であることの証明。発行後3ヶ月~6ヶ月以内など有効期限があるため、提出直前に取得するのがベスト。
住民票 相続人全員 各相続人の住所地がある市区町村役場 不動産の名義変更(相続登記)などで必要になることが多い。

これらの書類は、いわば相続手続きを進めるための「パスポート」のようなもの。すべてが揃って初めて、遺産分割の話し合いや金融機関での手続きといった、次のステップに進めるようになります。

書類集めは地道な作業ですが、ここを正確にやることが、結果的に時間と労力の節約に繋がります。特に戸籍集めは、古いものは手書きで読みにくかったり、あちこちの役所に問い合わせが必要だったりと、思った以上に骨が折れるケースも少なくありません。

もし戸籍の収集や解読で行き詰まってしまったら。あるいは、平日に役所へ行く時間をどうしても作れない、という場合。そんなときは、行政書士や司法書士といった専門家に書類収集の代行を依頼するのも、賢い選択肢の一つです。プロは戸籍の請求に慣れているので、スピーディーかつ正確に書類一式を揃えてくれます。

手続きの第一歩でつまずかないためにも、まずはこの基本書類リストを片手に、一つずつ着実に準備を進めていきましょう。もし不安な点があれば、P4 MARKETのようなプラットフォームで、専門家に短時間から相談してみるのも良いかもしれません。

遺産の分け方を決めて、いよいよ金融機関の手続きへ

相続手続きの第一関門ともいえる戸籍謄本集めが終わったら、次はいよいよ具体的な財産の分け方を決めるステップです。相続人が複数いるなら、誰がどの財産をどれだけ引き継ぐのか、全員で話し合って決める必要があります。この話し合いが、いわゆる「遺産分割協議」です。

そして、この協議で決まった内容を「遺産分割協議書」という正式な書面にまとめます。これは単なる話し合いのメモではありません。預貯金の解約や不動産の名義変更といった手続きの際に、「相続人全員がこの内容で合意しています」と公的に証明するための、非常に重要な書類になるんです。

この遺産分割協議書がないと、金融機関は「後から他の相続人からクレームが来たらどうしよう…」と考えて、手続きに応じてくれません。つまり、次のステップへ進むための「鍵」となるわけです。

手続きで「使える」遺産分割協議書の作り方

遺産分割協議書には、実は法律で決められた厳密な書式はありません。とはいえ、後々のトラブルを防ぎ、金融機関や法務局での手続きをスムーズに進めるためには、いくつか絶対に押さえておきたいポイントがあります。

なによりも大切なのは、「誰が」「どの財産を」相続するのかを、誰が読んでも誤解しようがないレベルで具体的に書くこと。

  • 預貯金:「〇〇銀行 △△支店 普通預金 口座番号1234567」といった具合に、金融機関名、支店名、口座の種類、口座番号まできっちり記載します。
  • 不動産:登記事項証明書(登記簿謄本)に書かれている通りに、一字一句そのまま書き写すのが鉄則です。土地なら所在、地番、地目、地積。建物なら所在、家屋番号、種類、構造、床面積まで、すべてです。
  • 株式:「株式会社〇〇の普通株式 500株(証券会社名:△△証券 〇〇支店)」のように、会社名や株数、預けている証券会社の情報も忘れずに。

財産の書き方が曖昧だと、その書類は法的な効力がないとみなされかねません。たとえば「〇〇銀行の預金」と書いただけでは、どの支店のどの口座なのか特定できず、窓口で突き返されてしまうことも。ここは念入りに確認しましょう。

そして、最も重要なのが相続人全員の署名と実印の捺印です。さらに、それぞれの実印が本物であることを証明するために、印鑑証明書もセットで添付します。これでようやく、この協議書が相続人全員の正式な意思だと証明できるわけです。

故人の預貯金を解約する手続き

遺産分割協議書が無事に完成したら、いよいよ金融機関での手続きです。ご存じの通り、故人名義の口座は、亡くなったことが分かった時点で凍結され、一切の入出金ができなくなります。この凍結を解いて、預金を相続人が引き出す(または名義変更する)ために、各金融機関で手続きを踏む必要があります。

一般的に、金融機関の窓口では次のような書類を求められます。

  • 金融機関指定の相続届(払戻請求書など)
  • 故人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書(原本)
  • 故人の通帳やキャッシュカード
  • 窓口で手続きする相続人の実印と本人確認書類(運転免許証など)

金融機関ごとに独自の書式を使っていることが多いので、まずは窓口で「相続の手続きをしたい」と伝え、必要書類の一覧が書かれた案内をもらうのが確実です。複数の銀行で手続きする場合、戸籍謄本などの原本を返してもらえるか(「原本還付」と言います)を確認しておくと、証明書の発行費用を少し節約できますよ。

相続人に海外在住者がいる場合の注意点

もし相続人の中に海外に住んでいる方がいると、手続きは少し複雑になります。というのも、海外では日本の「印鑑証明書」や「住民票」が発行されないため、代わりになる書類を用意しなければならないからです。

  • 印鑑証明書の代わり署名証明書(サイン証明書):現地の日本領事館などで、本人が領事の目の前で署名したことを証明してもらう書類です。
  • 住民票の代わり在留証明書:これも同じく現地の日本領事館などで取得できます。

これらの書類の詳しい取得方法は、外務省のウェブサイトで確認できます。(参考:外務省 在外公館における証明

海外在住の相続人がいると、どうしても書類の郵送などで時間がかかり、手続き全体が遅れがちになります。できるだけ早く連絡を取り合って、必要書類の準備を進めてもらうことが、スムーズな相続の鍵を握ります。

遺産分割協議や金融機関での手続きは、相続のまさに山場です。書類に一つ不備があるだけで、何度も窓口へ足を運ぶことになりかねません。もし「手続きの進め方が不安だ」「相続人同士で話がまとまらない」といった状況であれば、行政書士や司法書士といった専門家に相談するのも賢い選択です。

専門家への相談というと、なんだか敷居が高いと感じるかもしれません。でも、P4 MARKETのようなプラットフォームを使えば、30分といった短い時間からオンラインで気軽に相談できます。まずは専門家の意見を聞いてみるだけでも、複雑な手続きを乗り越えるための道筋がきっと見えてくるはずです。

不動産の相続登記で求められる書類

土地や建物といった不動産は、相続財産のなかでも特に価値が大きく、手続きも複雑になりがちです。この不動産の名義を、亡くなった方から受け継ぐ方へと変更する手続きが「相続登記」と呼ばれます。

これまで任意とされてきたこの手続きですが、2024年4月1日から義務化されました。これは大きな変更点です。正当な理由なく手続きをしないままでいると、10万円以下の過料が科される可能性もあるため、不動産を相続した方は必ず向き合わなければなりません。

相続登記は管轄の法務局へ申請しますが、ここで多くの方がつまずくのが「必要書類の多さと複雑さ」です。相続の状況によって必要なものがガラッと変わるため、一つひとつ丁寧に確認していくことが大切です。

どんなケースでも必要になる基本セット

まずは、遺言があってもなくても、どのような分け方をするにしても、基本として揃えなければならない書類一式です。これらは「誰が亡くなり、法的に誰が相続人なのか」を公の機関に証明するための、いわば土台となる書類です。

  • 登記申請書:法務局のウェブサイトにひな形があります。不動産の情報を正確に書き写す必要があります。
  • 被相続人(故人)の出生から死亡までの一連の戸籍謄本など:これは「他に相続人はいません」と証明するために欠かせません。かなり手間がかかる部分です。
  • 被相続人(故人)の住民票の除票(または戸籍の附票):登記簿に載っている住所と亡くなった時の住所が同じかを確認するために使います。
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本:相続人が今もご存命であることを証明するためのものです。
  • 不動産を相続する人の住民票:新しく名義人になる方の住所を証明します。
  • 固定資産評価証明書:後述する「登録免許税」という税金を計算する元になります。毎年4月頃に市区町村役場で新しい年度のものが取得できます。

基本はこれらの書類ですが、遺産の分け方によって、さらに追加の書類が必要になります。

遺産の分け方によって変わる追加書類

「誰が」「どのような根拠で」その不動産を相続するのか。それによって、相続登記で提出する書類は大きく変わります。代表的な3つのパターンで見ていきましょう。

【状況別】不動産相続登記の必要書類比較表

相続の状況によって、基本書類に加えてどの書類が必要になるのか、以下の表で比較してみましょう。ご自身のケースがどれに当てはまるか確認してみてください。

必要書類 遺言書がある場合 遺産分割協議をした場合 法定相続分で登記する場合
遺言書 × ×
遺産分割協議書 × ×
相続人全員の印鑑証明書 × ×
被相続人の死亡記載のある戸籍謄本 ○(出生までは不要) ○(出生まで必要) ○(出生まで必要)

このように、遺言書があるかないか、相続人全員で話し合ったかで、準備するものが全く異なることがわかります。

1. 遺言書に基づいて登記する場合
故人が遺言書を遺している場合、その内容が何よりも優先されます。そのため、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)は原則として不要です。

  • 遺言書:公正証書遺言でない自筆の遺言書などは、家庭裁判所で「検認」という手続きを経た証明書もセットで必要になります。
  • 被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本:遺言がある場合は、故人の死亡の事実だけ確認できればよいため、出生まで遡る必要はありません。

2. 遺産分割協議で決めた場合
相続人全員で話し合い、「この不動産は長男が相続する」といったように決めた場合は、その合意内容を証明する書類が必須です。

  • 遺産分割協議書:相続人全員が内容に合意した証として署名し、実印で押印します。
  • 相続人全員の印鑑証明書:協議書に押された印鑑が、間違いなく本人のものであることを証明するために添付します。

3. 法律で定められた割合(法定相続分)で登記する場合
特に分け方を決めず、法律で決まった割合(例えば、配偶者が1/2、子供がそれぞれ1/4ずつなど)で、相続人全員の共有名義にする方法です。この場合、遺産分割協議書は要りません。

ただし、この方法は要注意です。将来、その不動産を売却したり、誰かに貸したりする際に、共有者全員の同意が必要になります。手続きが面倒になり、後々のトラブルの原因になることも少なくありません。

相続登記は、一度申請すると簡単にはやり直せません。
一見シンプルに見える法定相続分での登記も、後々「あの時ちゃんと話し合っておけば…」ということになりかねないのです。どの分け方がご家族にとって一番良いのか、じっくり検討することが本当に大切です。

登記にかかる費用も忘れずに

相続登記の際には、書類を集める実費とは別に、法務局へ「登録免許税」という税金を納める必要があります。

この税額は、先ほど取得した「固定資産評価証明書」に記載されている不動産の評価額に、税率0.4%を掛けて算出します。例えば、評価額が2,000万円の土地であれば、登録免許税は8万円です。

計算式:固定資産税評価額 × 0.4% = 登録免許税額

ちなみに、一定の条件を満たす土地の相続については、この登録免許税が免除される特例措置もありますので、該当しそうであれば確認してみましょう。(参考:法務局 相続登記の登録免許税の免税措置について

不動産の相続登記は、ご覧の通り、集める書類も多く、登記申請書の書き方も専門的で、正直なところ手間と時間がかかります。もし少しでも不安を感じたり、手続きを進める時間がないと感じたら、司法書士のような専門家に相談するのが一番確実な道です。

書類の収集から申請書の作成、法務局への提出まで、すべてを任せることもできます。P4 MARKETでは、不動産登記に詳しい司法書士にオンラインで気軽に相談することも可能です。複雑な手続きを一人で抱え込まず、専門家の力を上手に借りることも考えてみてください。

相続税の申告が必要になったら、追加で集める書類

「うちの遺産はそんなに多くないから、相続税は関係ないだろう」と思っている方は意外と多いかもしれません。でも、まずは「基礎控除額」を一度計算してみてください。

計算式は 「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」 です。

たとえば、お母さんが亡くなり、相続人がお父さんと子ども2人の合計3人なら、基礎控除額は「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」となります。遺産の総額がこの金額を少しでも超えるなら、相続税の申告が必要です。

申告のタイムリミットは、亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内。これは本当にあっという間です。悲しみに暮れる間もなく、すぐに準備を始めなければなりません。

なぜ「財産の評価資料」がこんなに大事なのか

相続税の申告は、ただ申告書を出せば終わり、というわけにはいきません。税務署が一番知りたいのは、「その財産の金額、どうやって計算したんですか?」という根拠の部分。ここを厳しくチェックされるんです。

だからこそ、これまで集めてきた戸籍謄本などに加えて、「この財産はこの金額で間違いありません」と証明するための証拠書類を揃えることが、何より大切になります。

具体的には、財産の種類ごとに以下のような書類が「評価の根拠」になります。

  • 預貯金:亡くなった日時点の残高証明書と、過去3~5年分くらいの預金通帳のコピー。お金の流れをしっかり見られます。
  • 不動産:法務局で取る登記事項証明書(登記簿謄本)と、市区町村役場で取る固定資産評価証明書公図測量図もあると万全です。
  • 生命保険:保険会社から送られてくる生命保険金支払通知書
  • 株や投資信託:証券会社に依頼して発行してもらう残高報告書取引履歴

こうした客観的な書類をきっちり揃えておけば、申告内容の信憑性がぐっと増して、税務署から余計な問い合わせを受けるリスクをぐっと減らせます。

借金や葬儀費用も、節税につながる大事な証拠

相続税を計算するとき、借入金のようなマイナスの財産や、かかった費用をきちんと申告すれば、その分税金が安くなります。もちろん、これらにも証明書類が必要です。

  • 借金・ローン:金融機関の借入金残高証明書や、金銭消費貸借契約書のコピーなど。
  • 未払いの費用:亡くなった時点での未払いだった医療費公共料金の請求書・領収書
  • 葬儀費用:葬儀会社やお寺に支払った領収書。お布施などで領収書が出ない場合は、いつ、誰に、いくら支払ったかをメモしておくだけでも証拠になります。

意外と見落としがちですが、葬儀費用は相続財産から差し引ける重要な項目です。 香典返しは対象外ですが、お通夜や告別式、火葬にかかった費用は控除できます。細かい領収書でも、絶対に捨てずに保管しておきましょう。

こうした書類を漏れなく集めることが、課税される財産を正しく圧縮し、結果的に節税につながる第一歩です。

税務調査で狙われやすい「名義預金」と「生前贈与」

税務署が特に目を光らせているのが、「名義預金」と「生前贈与」です。この2つは申告漏れが非常に多く、税務調査で指摘される定番のケースと言っても過言ではありません。

  • 名義預金:亡くなった方が、奥さんやお子さん、お孫さんの名前で作っていた預金通帳のことです。名前は違っても、実質的に故人のお金だと判断されれば、相続税の対象になります。
  • 生前贈与:亡くなる前3年以内(※2024年以降は段階的に7年に延長)に行われた贈与は、なかったことにして相続財産に足し戻して計算し直す、というルールがあります。

これらが疑われないように、過去の預金通帳のコピーで入出金の流れを明確にしたり、贈与があった場合は贈与契約書を準備しておいたりすることが、身の潔白を証明する上で非常に有効です。

国税庁の統計を見ると、相続税の税務調査は決して他人事ではありません。なんと、申告された案件のうち約11件に1件が調査を受けているというデータもあります。税務署は、「申告されていない財産はないか?」「過去の所得と比べて遺産が少なすぎないか?」といった視点で申告書をじっくりと見ています。だからこそ、金融機関が発行する残高証明書のような客観性の高い書類が、申告内容の信頼性を高める上で大きな意味を持つのです。(相続税申告と税務調査の関係について詳しくはこちら

相続税の申告は、他の相続手続きとは比べ物にならないほど専門性が高く、計算も複雑です。土地の評価方法ひとつで、納税額が数百万円変わることも珍しくありません。「もしかしたら基礎控除額を超えるかも…」と感じた時点ですぐに税理士に相談するのが賢明です。

税理士は、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった節税効果の大きい制度を使えるかどうかの判断や、税務署を納得させるための書類作成を的確に進めてくれます。最近では、P4 MARKET のようなプラットフォームで、相続税に強い税理士を簡単に見つけてオンラインで相談することもできます。後から追徴課税といった事態を避けるためにも、専門家の力をうまく活用して、安心して手続きを終えましょう。

うっかり忘れていませんか?身の回りの名義変更と解約手続き

遺産分割や相続税の申告といった大きな山場に気を取られていると、日常生活に直結する細かな手続きは、つい後回しになりがちですよね。ですが、こうした小さな手続きを放っておくと、後々「しまった!」ということになりかねません。

例えば、もらえるはずだった給付金が時効で受け取れなくなったり、もう使わないサービスの料金が故人の口座からずっと引き落とされ続けたり…。そんな事態を避けるために、見落としがちな公的手続きから民間のサービス解約まで、やるべきことを具体的に見ていきましょう。

公的な給付金や資格まわりの手続き

まず、国や自治体への届出は期限が短いものが多いので、最優先で片付けてしまいましょう。特に年金と健康保険は、ほとんどの方に関わる大切な手続きです。

年金の受給停止と「未支給年金」の請求
故人が年金を受け取っていた場合、すぐに「受給権者死亡届」を出して受給を止めなければなりません。もし手続きが遅れて年金が振り込まれ続けると、後で返還手続きが必要になり、余計な手間が増えてしまいます。

そして、ここでぜひ確認してほしいのが「未支給年金」の存在です。これは、故人が受け取るはずだったのに、亡くなったことで支払われていない年金のこと。生計を共にしていた遺族がいれば、この未支給分を請求できるんです。請求期限は5年と意外と長いですが、忘れないうちに手続きするのがおすすめです。(参考:日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき

健康保険の資格をなくす手続き
故人が入っていた健康保険の種類によって、手続きの窓口が変わります。国民健康保険なら市区町村の役場、会社勤めの方なら年金事務所や会社の健康保険組合が窓口です。保険証を返却し、「資格喪失届」を提出します。

このとき、故人が高額な医療費を支払っていた場合は「高額療養費」が戻ってくる可能性がないかも確認してみましょう。また、国民健康保険の加入者だった場合、葬儀を行った喪主に対して「葬祭費」が支給される制度もあります。自治体によって金額や申請方法が違うので、一度問い合わせてみるとよいでしょう。

ライフラインや通信サービスの解約・名義変更

電気、ガス、水道。これらのライフラインは、相続人がそのまま家に住み続けるのか、誰も住まなくなるのかで手続きが変わってきます。放置すれば基本料金だけでも毎月かかってしまうので、方針が決まったらすぐに連絡しましょう。

手続きをスムーズに進めるコツ
各社のコールセンターに電話するときは、手元に「お客様番号」がわかる検針票や請求書を準備しておきましょう。これがあるだけで、本人確認がぐっとスムーズになります。「契約者が亡くなったこと」と「解約したいのか、名義変更したいのか」をはっきり伝えるのがポイントです。

公共料金以外にも、意外と多くの契約が残っているものです。以下のリストで抜け漏れがないか、一度チェックしてみてください。

  • 電気・ガス・水道:契約を引き継ぐなら名義変更、不要なら解約。
  • 電話・インターネット回線:固定電話やネットのプロバイダー契約をどうするか決め、解約または承継手続きを。
  • 携帯電話:携帯ショップで解約手続きをします。スマホ本体の分割払いが残っていないかも確認が必要です。
  • NHK:世帯全員が亡くなった場合は解約。同居の家族がいる場合は名義変更となります。
  • クレジットカード:カード裏面の電話番号に連絡して解約を。年会費や未払いの利用残高がないか、しっかり確認しましょう。
  • 各種会員サービス:動画配信などのサブスク、ジムの会費など、月額や年額で支払いが発生しているものは要注意。故人の郵便物やメール、カードの利用明細などをくまなく探して、不要な契約は解約します。

一つひとつは小さな手続きでも、これだけあるとかなりの時間と労力がかかりますよね。相続手続きの全体像が見えない中で、何から手をつけ、どの書類を使いまわせるのか、判断に迷うこともあるでしょう。

そんな時は、行政書士などの専門家に相談するのも一つの手です。やるべきことを整理して優先順位をつけてもらうだけでも、気持ちがずいぶん楽になります。「誰に相談すればいいのかわからない…」という方は、P4 MARKETのようなプラットフォームで、相続に詳しい専門家を探してみるのも良いでしょう。安心して次のステップへ進むために、一つずつ着実に片付けていきましょう。

「これは専門家に相談した方がいいかも…」と思うタイミング

相続手続きは、時間をかければご自身でできるものも確かに多いです。でも、中には専門家の力を借りないと、かえって時間もお金もかかり、精神的に疲弊してしまう…なんてことも少なくありません。

一人で抱え込まず、適切なタイミングでプロの手を借りること。それが、円満な相続への一番の近道になることもあります。

こんなケースは、専門家への相談を考えてみましょう

では、具体的にどんな状況なら専門家を頼るべきなのでしょうか。もし、これから挙げるケースに一つでも心当たりがあれば、一度相談してみることを強くお勧めします。

  • 相続人同士で意見が割れている、あるいは揉めそうな気配がある
  • 財産に非上場の株式やたくさんの不動産があり、どう評価していいか分からない
  • 相続人の中に、なかなか連絡が取れない人や海外在住の人がいる
  • 遺言書の内容に、どうしても納得できない相続人がいる
  • 会社の事業承継が相続と絡んでいる
  • そもそも相続税がかかるのか分からない、または申告が必要だと分かっている

こうした状況で無理に自分たちだけで進めようとすると、相続人同士の仲がこじれたり、後から書類の不備が見つかって全部やり直しになったり…なんてことになりかねません。

悩みの種類で変わる「相談すべき専門家」

ひとくちに「専門家」と言っても、それぞれ得意な分野があります。ご自身の状況に合わせて、最適な相談相手を見つけることが何より大切です。

専門家 得意なこと こんな時に頼りになる!
弁護士 トラブル解決のプロ 相続人同士で揉めている(遺産分割調停・審判)、遺言の有効性が問題になっている、遺留分を請求したい。
司法書士 不動産登記のプロ 不動産の名義変更(相続登記)がある、遺産分割協議書など法的な書類をきっちり作りたい。
税理士 税金のプロ 相続税の申告が必要、財産の評価が複雑で難しい、節税についてアドバイスが欲しい。
行政書士 書類作成・手続きのプロ 自動車の名義変更、遺産分割協議書の作成、戸籍集めをまとめてお願いしたい。

実際には、悩みが複数の分野にまたがることもよくあります。「一体、誰に相談すれば…?」と迷ったら、まずは司法書士や行政書士に話を聞いてもらい、必要に応じて他の専門家を紹介してもらう、というのも賢い方法です。

相続は、故人を偲ぶ大切な時間です。同時に、法律や権利が複雑に絡み合う手続きでもあります。すべてを完璧にこなそうと、一人で背負い込む必要はありません。専門家の力をうまく借りることで、心の負担を軽くし、スムーズに手続きを終えることができます。


相続の悩みは、本当に人それぞれです。「まずは専門家の意見を聞いてみたい」「誰に相談すべきか分からない」そんな時は、P4 MARKETを覗いてみてください。30分という短い時間から、相続に強い弁護士、司法書士、税理士といった専門家にオンラインで気軽に相談できます。匿名での相談もできるので、安心して最初の一歩を踏み出せますよ。


本記事は2025年12月05日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。