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2025-12-06 養育費の相場は?年収と子供の人数ですぐわかる計算ガイド

作成日:2025年12月6日

女性が子供たちにタブレットで経済的な成長を説明し、背景には上昇グラフと金貨が描かれています。

離婚後の生活を考えるとき、「養育費は一体いくらもらえるんだろう?」という疑問は、お子さんを持つ方にとって最も切実な問題の一つです。感情的な話し合いになる前に、まずはご自身の状況で月々いくらくらいが目安になるのか、客観的な相場を把握しておくことが、冷静な話し合いへの第一歩となります。

この記事では、裁判所が用いる基準を基に、養育費の相場や計算方法、そして確実にもらうための手続きについて、わかりやすく解説します。

まずは結論から 養育費の相場がわかる早見表

離婚の話し合いを進める上で、「自分の年収なら、養育費はこのくらい」という目安が分かっているだけで、交渉の軸が定まり、冷静に進めやすくなります。

ここでご紹介するのは、実際に家庭裁判所の調停や審判で使われている「養育費算定表」という公的な資料を基に、より分かりやすくまとめたものです。あくまで一般的なケースを想定した目安ですが、ご自身の状況と照らし合わせながら、今後の話し合いや生活設計の参考にしてみてください。

早見表を見るときの前提条件

この表は、次のようなごく一般的な家庭をモデルにしています。

  • 支払う側(義務者):会社員(給与所得者)
  • 受け取る側(権利者):パートなどで年収100万円を得ている
  • 特別な事情:お子さんが公立学校に通っており、特別な治療費などはない

ご自身の状況がこれに近い場合は、かなり参考になるはずです。

【年収別】養育費の相場早見表(子供1人・2人の場合)

支払い義務者が会社員、受け取る側がパートで年収100万円という仮定のもと、お子さんの人数と年齢に応じた養育費の月額目安をまとめました。

支払い義務者の年収 子供1人(0~14歳)の月額 子供1人(15歳以上)の月額 子供2人(全員0~14歳)の月額
300万円 2~4万円 4~6万円 4~6万円
400万円 4~6万円 4~6万円 6~8万円
500万円 4~6万円 6~8万円 8~10万円
600万円 6~8万円 8~10万円 10~12万円
700万円 8~10万円 10~12万円 12~14万円
800万円 8~10万円 10~12万円 12~14万円
1,000万円 10~12万円 12~14万円 16~18万円

ご自身の状況に近い金額のイメージが湧いたでしょうか。

この表はあくまで目安です。
実際の養育費は、受け取る側の収入、お子さんの人数や年齢の組み合わせ、住宅ローンの負担、私立学校への進学といった個別の事情によって金額が変わってきます。

この早見表で大まかな相場を掴んだら、次のステップに進みましょう。この後のセクションでは、この金額がどう決まるのか、根拠となる裁判所の「算定表」の見方や、よりご自身の状況に合わせた計算方法を丁寧に解説していきます。

養育費の取り決めは、法律の知識が絡むことも多く、当事者同士の話し合いだけではなかなか前に進まないこともあります。「相手が話し合いに応じてくれない」「提示された金額が妥当か分からない」といった場合は、弁護士などの専門家に相談するのも有効な選択肢です。

養育費の相場を決める裁判所の「算定表」とは?

前のセクションでご紹介した早見表の金額は、個人の感覚や交渉だけで決まるわけではありません。その大きな拠り所となっているのが、裁判所が公式に公開している「養育費・婚姻費用算定表」です。

これは、離婚の話し合いはもちろん、家庭裁判所での調停や審判といった公的な場でも基準として使われる、いわば「養育費の公的なモノサシ」です。裁判官たちが統計データや法律上の扶養義務の考え方などを基に作り上げた、非常に信頼性の高い資料と言えます。

算定表の基本は「基礎収入」という考え方

算定表を正しく理解するうえで、欠かせないキーワードが「基礎収入」です。

基礎収入とは?
簡単に言うと、「税金や必要経費を差し引いた後、養育費の支払いのために実際に使えると見なされるお金」のことです。総収入(額面)そのものではない点がポイントです。

裁判所は、この基礎収入を基準に、お互いの収入状況に応じて公平に子どもの生活費を分担すべき、という考え方で養育費を計算します。

同じ年収でも違う?会社員と自営業者の計算方法

ここで一つ、大切なポイントがあります。それは、会社員(給与所得者)と自営業者では、基礎収入の計算方法が違うということです。

同じ年収500万円でも、養育費を計算する元となる基礎収入の額は同じになりません。これは、収入から差し引ける経費の考え方が異なるためです。

  • 会社員(給与所得者)の場合
    源泉徴収票の支払金額(税込み年収)を基に、統計データから割り出された標準的な割合(総収入の約38%~54%)で基礎収入を算出します。
  • 自営業者の場合
    確定申告書の「課税される所得金額」を基に、実際には支出していない経費(青色申告特別控除など)を足し戻して基礎収入を計算します。そのため、総収入に占める基礎収入の割合は会社員より高くなる傾向があり、約48%~61%ほどになります。

こうした違いから、同じ年収であれば、自営業者の方が養育費の金額は高くなるのが一般的です。

算定表で見る具体的な金額の例

算定表は、親の年収だけでなく、子どもの人数や年齢によっても細かく金額が変わってきます。

例えば、支払う側(会社員)の年収が500万円で、受け取る側の収入が少ないケースを考えてみましょう。子どもが1人(0〜14歳)なら月額6〜8万円、子どもが2人(2人とも0〜14歳)なら8〜10万円あたりが目安になります。

この算定表の詳しい見方や全体像は、裁判所のウェブサイトで誰でも確認できます。

算定表の仕組みは一見すると複雑に感じるかもしれません。しかし、これがあるおかげで、お互いの収入と子どもの状況を客観的な基準に当てはめ、公平な養育費の相場を知ることができるのです。

とはいえ、「自分の収入は源泉徴収票のどこを見ればいい?」「相手の収入が不明な場合は?」など、実際に自分のケースに当てはめようとすると、迷うことも多いでしょう。そんな時は、弁護士などの専門家に相談することで、あなたの状況に合わせた正確な養育費の目安を的確に教えてもらえます。

自分のケースだと養育費はいくら?モデルケースで計算してみよう

算定表の仕組みがわかっても、やはり一番知りたいのは「自分の場合は具体的にいくらになるのか」ですよね。

ここでは、よくある家族構成を例に、実際に算定表を使って養育費をシミュレーションしてみましょう。具体的な数字を見ることで、より現実的なイメージが掴めるはずです。

今回のモデルケース

まずは、シミュレーションの前提となる家族の状況です。

  • 夫(支払う側・義務者):会社員、税込み年収は500万円
  • 妻(受け取る側・権利者):パートタイマー、税込み年収は120万円
  • お子さん:2人。長子が16歳、第二子が10歳

このご家庭で、離婚後に妻がお子さん2人を引き取って育てるとします。

算定表を使った計算の3ステップ

裁判所の算定表を使えば、以下の簡単な3ステップで目安額がわかります。

1. どの算定表を使うか選ぶ
算定表はお子さんの人数と年齢の組み合わせで見るべき表が決まっています。今回は子どもが2人、ひとりは15歳以上(16歳)、もうひとりは14歳以下(10歳)です。
そのため、裁判所のウェブサイトにある「養育費・子2人表(第1子15歳以上、第2子0~14歳)」という表を使います。

2. 夫と妻、それぞれの年収を探す
算定表の縦軸は「義務者(支払う側=夫)」、横軸は「権利者(受け取る側=妻)」の年収です。

  • まず、縦軸から夫の年収500万円(給与)の欄を探します。
  • 次に、横軸から妻の年収120万円(給与)に最も近い125万円の欄を探します。

3. 縦と横が交わるマスをチェック
夫の年収500万円の行と、妻の年収125万円の列が交差するマスに書かれている金額が、養育費の目安です。
このケースだと、「8~10万円」という金額帯が見つかるはずです。

シミュレーション結果
このモデルケースでは、養育費の相場は月額8万円から10万円がひとつの目安になります。

このように、算定表を使えば誰でも簡単におおよその養育費を把握できます。

算定表だけではカバーしきれない「特別な費用」

算定表でわかる金額は、あくまで公立学校の学費や一般的な医療費など、標準的な生活を前提としたものです。しかし、子育てにはそれ以外にも特別な費用がかかることがあります。

【特別な費用の例】

  • 私立学校の学費や入学金
  • 塾や習い事の月謝
  • お子さんの持病や障害に伴う高額な医療費
  • 海外留学の費用

こうした「特別費用」は、算定表の金額とは別に、両親がどう分担するかを話し合って決める必要があります。収入の割合に応じて分担するのが一般的ですが、ご家庭の教育方針や個別の事情が大きく影響するため、単純には決まりません。

もし、お子さんにこうした特別な費用がかかる見込みがある場合や、相手との話し合いが難航しそうな場合は、一度弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。法的な視点から妥当な金額や交渉の進め方について、具体的なアドバイスをもらえるはずです。

理想と現実のギャップ。統計データから見る「リアルな養育費」

ここまで、裁判所の「養育費算定表」を基にした、いわば「あるべき養育費の姿」について解説してきました。しかし、実際の離婚の現場では、必ずしもこの理想通りにお金が動いているわけではありません。

公的な統計データから「現実」を知ることは、これから養育費の話し合いに臨むあなたにとって、現実的な目標設定の助けとなるはずです。

母子家庭と父子家庭で異なる平均受給額

まず、実際にどれくらいの養育費が支払われているのか、厚生労働省の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」を見てみましょう。この調査によると、養育費の平均月額は、母子世帯で50,485円、対して父子世帯では26,992円という結果でした。

一般的に、離婚時に父親の方が収入が高いケースが多いことなどが、この差の一因と考えられています。

最も多い金額ゾーンは「月2万円〜4万円」

次に、家庭裁判所の調停などで決められた養育費の金額を見てみましょう。司法統計によると、取り決められた金額には特定の範囲に集中する傾向があります。

養育費の取り決め金額別 構成割合

月額 割合
2万円以下 14.9%
2万円超~4万円以下 23.2%
4万円超~6万円以下 19.0%

※司法統計年報(令和3年度)より作成

この表が示すように、最も多いのが月額2万円超〜4万円以下のゾーンです。算定表の金額と比べると、全体的に少し低めの金額で決着しているケースが多いという現実がうかがえます。

なぜ算定表の金額より低くなってしまうのか?

公平な基準である算定表がありながら、なぜ実際の取り決め額は低くなる傾向にあるのでしょうか。考えられる理由をいくつか挙げてみます。

  • 知識や交渉力の差:法律の知識や交渉の経験に差があると、支払い義務者側に有利な条件で話がまとまってしまうことがあります。
  • 相手の経済状況への配慮:「現実的に払える額で…」と、受け取る側が譲歩してしまうケースです。
  • 「早く終わらせたい」という気持ち:長引く争いのストレスから逃れるため、金額面で譲歩してしまうことも少なくありません。

現実を知り、交渉に備える
算定表は、話し合いを始める上での強力な「出発点」です。しかし、最終的な金額は当事者間の交渉や個別の事情に大きく左右されることを忘れないでください。統計データが示す「現実」を知ることで、「最低でもこのラインは譲れない」といった、地に足の着いた目標を立てることができます。

もし相手から提示された金額が算定表とかけ離れていたり、話し合いが平行線だったりするなら、感情的になる前に専門家の力を借りるのが賢明です。弁護士は、あなたの状況を客観的に分析し、法的な根拠をもとに冷静に交渉を進めてくれます。

養育費をきっちり受け取るための手続きと流れ

養育費の金額が決まっても、それが「絵に描いた餅」になってしまっては意味がありません。離婚後の子どもの生活を守るためには、口約束で済ませず、法的な拘束力のある「形」にしておくことが何よりも重要です。

ここでは、決まった養育費を将来にわたって確実に受け取るための具体的な手続きの流れを解説します。

ステップ1:当事者間の話し合い(協議)

まずは夫婦間での直接の話し合いから始まります。算定表を目安に、お互いの収入状況や子どもの将来について冷静に話し合い、双方が納得できる条件を見つけます。

ステップ2:合意内容は「公正証書」にする

話し合いで合意した内容は、「公正証書」という公的な文書にしておきましょう。これは公証役場で作成される、信頼性の高い書類です。

公正証書を作成する最大のメリットは、「強制執行認諾文言」を入れられる点です。これがあれば、万が一支払いが滞ったときに、裁判を起こすことなく、すぐに相手の給与や預貯金を差し押さえる「強制執行」の手続きに進めます。

公正証書は、将来の未払いリスクに備えるための、非常に強力な「お守り」です。

ステップ3:話がまとまらなければ「養育費請求調停」

夫婦だけで話し合っても合意できない場合は、家庭裁判所に「養育費請求調停」を申し立てます。

調停では、裁判官と調停委員という中立な第三者を間に挟んで話し合いを進めます。専門家が間に入ることで、感情的な対立を避け、客観的な視点から解決策を探ることができます。

【養育費請求調停の簡単な流れ】

1. 申立て
相手の住所地を管轄する家庭裁判所に必要書類を提出します。

2. 調停期日
裁判所が期日を決め、双方に通知します。

3. 話し合い
当日は夫婦が別々に調停委員と話し、直接顔を合わせることは基本的にありません。

4. 成立・不成立
話し合いがまとまれば「調停成立」となり、その内容は「調停調書」に記載されます。この調書も公正証書と同様に強制執行が可能です。もし合意できなければ「調停不成立」となり、手続きは自動的に「審判(裁判官が判断を下す手続き)」に移行します。

調停や審判の手続きについてより詳しくは、裁判所のウェブサイトでも解説されています。

もし、支払いが止まってしまったら…

公正証書や調停調書があっても支払いが滞ることもあります。その場合は、泣き寝入りせずに以下の法的手段を検討しましょう。

  • 履行勧告:家庭裁判所から相手に「約束通り支払ってください」と促してもらう制度。費用はかかりませんが、強制力はありません。
  • 強制執行:相手の給与や預金口座などを差し押さえて、未払い分を強制的に回収する最も強力な手段です。

これらの手続きは法律の知識が必要になるため、一人で進めるのが不安な場合は、弁護士に相談するのが確実です。

養育費をめぐる「よくある疑問」Q&A

養育費について考え始めると、さまざまな疑問が浮かびます。ここでは、多くの方が気になるポイントについて、Q&A形式で解説します。

Q1. 一度決めた養育費の金額は、変更できますか?

A. はい、変更できる可能性があります。

離婚時に取り決めた養育費は、その後の生活状況に予測できなかった大きな変化があった場合、増額または減額を求めることができます。

【増額を求められるケースの例】

  • 支払う側の収入が大幅に増加した。
  • 子どもが私立に進学した、または高額な医療費が必要になった。
  • 受け取る側が病気や失業で収入が大幅に減少した。

【減額を求められるケースの例】

  • 支払う側が失業や病気で収入が大幅に減少した。
  • 受け取る側が再婚し、その相手と子どもが養子縁組をした。

まずは当事者同士で話し合い、まとまらなければ家庭裁判所に「養育費増減額調停」を申し立てて見直しを求めます。

Q2. 相手の正確な収入がわかりません。どうすればいいですか?

A. 家庭裁判所の手続きを通じて開示を求めることができます。

養育費の調停を申し立てれば、裁判所を通じて相手に源泉徴収票や確定申告書などの収入資料を開示するよう促すことができます。正当な理由なく拒否すれば、裁判官の心証に影響することもあります。

また、「調査嘱託」という手続きで、相手の勤務先に給与額などを照会することも可能です。これにより、客観的なデータに基づいた適正な養育費を算出できます。

Q3. 養育費は、何歳まで支払われますか?

A. 「子どもが成人するまで」が一般的ですが、個別の取り決めが重要です。

法律で「何歳まで」と明確に定められているわけではありませんが、実務上は「子どもが成人するまで」と取り決めるケースがほとんどです。

ただし、成人年齢が18歳に引き下げられた現在では、大学進学が一般的になっていることから「満20歳に達する月まで」「大学を卒業する年の3月まで」など、具体的な終期を決めておくことがトラブル防止のために重要です。この点は、離婚時にしっかり話し合い、公正証書などの書面に明記しておきましょう。


養育費の取り決めや未払いの問題は、感情的になりがちで、当事者だけで解決するのが難しいことも珍しくありません。「相手が話し合いに応じてくれない」「提示された金額が妥当か判断できない」など、一人で悩まずに専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

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本記事は2025年12月6日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。