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2025-12-12 引っ越し費用の勘定科目ガイド|仕訳方法をケース別に解説

作成日:2025年12月12日

段ボールと書類、そして指示を出す男性のイラスト。引っ越しや物流管理の様子。

オフィスの移転や従業員の転勤があると、必ず発生するのが「引っ越し費用」。経理担当者としては、これをどの勘定科目に仕訳すればいいのか、毎回頭を悩ませるポイントではないでしょうか。

会計ルール上、「引っ越し費用」という勘定科目は存在しません。支払ったお金の目的や中身に応じて、いくつかの科目を正しく使い分ける必要があります。この記事では、引っ越しに伴うさまざまな費用をどのように会計処理すべきか、具体的な仕訳例を交えてわかりやすく解説します。

引っ越し費用の勘定科目は、お金の「使い道」で決まる

オフィスの引っ越しと聞くと、トラックで荷物を運ぶイメージが強いですが、実際にはもっと色々な費用がかかります。例えば、古いオフィスの原状回復費、新しいオフィスの内装工事費、従業員への手当など、実にさまざまです。

これらの費用を「引っ越し費用」としてひとくくりに処理してしまうのは、会計上適切ではありません。それぞれの支払いが持つ意味をきちんと理解し、適切な勘定科目に振り分けることが、正確な経理処理の第一歩になります。

なぜ、勘定科目を使い分ける必要があるのか?

面倒に感じるかもしれませんが、勘定科目をきちんと使い分けるのには、会社の財産や経営成績を正しく示すという大切な理由があります。

引っ越し関連の支出の中には、その年にすべて経費にできるもの(収益的支出)と、資産として計上し、何年かに分けて経費化(減価償却)していくべきもの(資本的支出)が混在しています。

もし、これらを誤って処理してしまうと、その年の利益が正しく計算できず、納税額に影響が出る可能性があります。それだけでなく、会社の財務状況を正確に把握できなくなるリスクもあるのです。

【専門家視点】
引っ越し費用は、一見すると一つの大きな支出に見えますが、会計上は「性質の異なる費用の集合体」と捉えるのが正解です。運送費、原状回復費、新しい内装工事費…それぞれの費用が持つ経済的な意味合いを見極め、適切な勘定科目に仕訳することが重要です。

引っ越し費用の内容別 勘定科目早見表

引っ越しに伴う代表的な費用と、それに対応する一般的な勘定科目を一覧でまとめました。自社の経費がどれに該当するか、すぐに確認できます。

費用の種類 主な勘定科目 具体例
運送・作業費 支払手数料雑費 引っ越し業者への運送代、梱包・開梱作業費、不用品処分費用など
従業員への手当 福利厚生費旅費交通費 転勤に伴う引っ越し手当、赴任支度金、従業員が立て替えた引っ越し代
旧オフィスの費用 修繕費雑損失 原状回復工事費用、解約予告期間の家賃(空家賃)
新オフィスの契約費用 差入保証金支払手数料長期前払費用 敷金・保証金(資産)、礼金・仲介手数料(経費)、保証料(繰延資産)
新オフィスの設備投資 建物附属設備工具器具備品修繕費 パーテーション設置、内装工事、電話・LAN工事、新しいデスクや椅子の購入費

この表はあくまで一般的な例です。実際の処理では、金額の大きさや契約内容によって判断が変わることもあります。

具体的な仕訳のイメージ

もう少し具体的に、どんな費用がどの勘定科目に当てはまるのか、代表的な例を見ていきましょう。

  • 運送業者への支払い
    単純な運送や梱包作業の費用なら「支払手数料」や「雑費」で処理するのが一般的です。
  • 従業員の転勤に伴う手当
    会社都合の転勤で、従業員に引っ越し費用を補助する場合は「福利厚生費」や「旅費交通費」として扱います。
  • 旧オフィスの原状回復工事
    退去する物件を借りたときの状態に戻すための工事費は「修繕費」として、その年の経費になります。
  • 新オフィスの不動産契約費用
    敷金のように後で返ってくるお金は「差入保証金」(資産)、礼金や仲介手数料のように返ってこないものは「支払手数料」(経費)と、性質によって科目がはっきり分かれます。

このように、一口に「引っ越し費用」と言っても、その内容は本当に多岐にわたります。それぞれの費用の性格をしっかり見極めて、正しい会計処理を心がけましょう。

もし「この費用はどちらの勘定科目にすべきか?」と判断に迷う場合は、自己判断で進めずに、顧問税理士などの専門家に相談するのが最も確実です。

P4 MARKETでは、税務の専門家に30分単位で気軽にオンライン相談が可能です。複雑な仕訳について、一度専門家の意見を聞いてみてはいかがでしょうか。

原状回復と内装工事の費用、どう仕訳するのが正解?

オフィスの引っ越しで発生する費用のなかでも、特に金額が大きくなり、経理担当者を悩ませるのが旧オフィスの原状回復費用と新オフィスの内装工事費用です。

これらの会計処理を間違えてしまうと、後々の税務調査で思わぬ指摘を受けることにもなりかねません。ここでカギとなるのが、「収益的支出」と「資本的支出」という2つの考え方です。

収益的支出とは?その年の経費として処理するもの

収益的支出とは、建物を維持したり、元の状態に戻したりするためにかかった費用のことです。会計上は「修繕費」として処理し、支出したその年の経費として一括で計上することができます。

旧オフィスの原状回復工事は、まさにこの収益的支出の代表例です。

  • 壁紙の張り替えや床の補修
  • 専門業者によるハウスクリーニング
  • ペンキの塗り直し

これらの作業は、あくまでも「借りたときの状態に戻す」ためのもの。建物の価値を積極的に高めるわけではないので、修繕費として処理するのが一般的です。

【ここがポイント】
原状回復費用は、基本的にその年の経費にできる「収益的支出」です。「修繕費」を使うと覚えておきましょう。

資本的支出とは?資産として計上し、数年かけて費用化するもの

一方、資本的支出は、固定資産の価値をアップさせたり、より長く使えるようにしたりするための支出を指します。こちらは支払ってすぐに全額が経費になるわけではありません。

まず「建物附属設備」や「工具器具備品」といった資産として計上し、減価償却という手続きを通して、何年かに分けて少しずつ費用にしていく、というルールになっています。

新オフィスの内装工事では、この資本的支出に当てはまるケースがよくあります。

  • 会議室を作るための新たなパーテーション設置
  • 性能の良い最新の空調設備への入れ替え
  • 防音工事や高度なセキュリティシステムの導入

これらの工事は、単なる修理の域を超え、オフィスの機能性や資産価値を高めるための「投資」と見なされます。だからこそ、資産として計上し、その資産が使える期間(耐用年数)に応じて費用化していく必要があるわけです。

「修繕費」か「資産」か。判断に迷ったときの基準

では、ある支出が修繕費(収益的支出)なのか、それとも資産(資本的支出)なのか、具体的にどう見分ければよいのでしょうか。実務では判断に迷うことも多いですが、国税庁が示している基準を参考にすると、考えやすくなります。

  • 金額が20万円未満か?
    支出した金額が20万円未満であれば、たとえ資産価値を高めるような内容だったとしても、修繕費としてその年の経費にしてよいとされています。
  • 価値を高める工事か、維持するための工事か?
    その工事によって、明らかに新たな機能が加わったり、性能がアップしたりする場合は「資本的支出」。一方で、壊れた箇所を直すなど、元の状態に戻すためのものなら「収益的支出」と判断します。

引っ越しに伴う内装工事では、この両方の性質を持つ工事が混在することも珍しくありません。工事の見積書や請求書の内訳をしっかり確認して、それぞれの内容に応じて正しく仕訳することが何より重要です。

もし判断に迷ったら、税理士のような専門家に相談するのが最も確実です。国税庁のウェブサイトにも詳しい解説があるので、一度目を通しておくとよいでしょう。(参考:国税庁「修繕費とならないものの判定」

敷金・礼金・仲介手数料、それぞれの会計処理をマスターしよう

オフィスの賃貸契約で必ず出てくる、敷金・礼金・仲介手数料。これらはまとめて「初期費用」と呼ばれがちですが、経理の世界ではまったくの別物として扱われます。

この3つの違いをきちんと理解しておかないと、決算のときに「資産と経費の計上が間違っていた…」なんてことになりかねません。それぞれの勘定科目と処理の仕方を、ここでしっかり押さえておきましょう。

敷金(保証金)は「資産」です

敷金(地域によっては保証金とも呼ばれます)の最大のポイントは、「将来、返ってくるお金」だということです。これは家賃滞納や退去時の原状回復に備えて預けておく担保金なので、契約に問題がなければ手元に戻ります。

このように、将来返還される見込みのあるお金は、会計上「費用」ではなく「資産」として扱います。ここで使う勘定科目が「差入保証金(さしいれほしょうきん)」です。

【用語解説】差入保証金とは?
オフィスの敷金や取引で預ける保証金など、契約にもとづいて差し入れた、いずれ返還されるお金を管理するための資産勘定です。費用ではないので、会社の利益(損益計算書)には影響しません。

たとえば、敷金200万円を普通預金から支払った場合の仕訳は、このようになります。

借方 貸方
差入保証金 2,000,000円 普通預金 2,000,000円

これで、会社の資産として200万円が正しく計上されたことになります。

礼金と仲介手数料は「経費」になります

一方で、礼金と仲介手数料は、大家さんや不動産会社に支払うお礼や手数料です。こちらは一度支払ったら返ってこないお金。そのため、「資産」ではなく、支払った期の「経費」として処理します。

勘定科目は「支払手数料」を使うのが一般的です。「雑費」でも間違いではありませんが、金額が大きくなりがちなので、専用の科目を使った方が後から見返したときに分かりやすいでしょう。

ただし、ここで一つだけ注意点があります。

20万円以上の礼金は「長期前払費用」として少しずつ経費に

税務上のルールでは、返還されない権利金(礼金がこれにあたります)の金額が20万円以上の場合、一度に全額を経費にすることはできません。

この場合は「長期前払費用」という資産の勘定科目でいったん計上し、契約期間(通常は5年。契約が5年未満ならその期間)にわたって、少しずつ経費にしていく(これを「償却」といいます)必要があります。これは、高額な礼金は、その効果が長期間にわたって続くと考えられているためです。

たとえば、礼金30万円(契約期間2年)を支払った場合を見てみましょう。まず資産として計上し、決算のタイミングでその年の分だけ経費に振り替えます。

【支払った時の仕訳】

借方 貸方
長期前払費用 300,000円 普通預金 300,000円

【決算の時の仕訳(1年分を償却)】

借方 貸方
長期前払費用償却 150,000円
(※ 300,000円 ÷ 2年 = 150,000円)
長期前払費用 150,000円

このように、敷金・礼金・仲介手数料は、「返ってくるか、返ってこないか」、そして「金額はいくらか」という基準で、使う勘定科目が変わってきます。契約書をしっかり確認して、正確に処理することが大切です。もし判断に迷ったら、税理士などの専門家に相談するのが一番確実ですよ。

従業員の転勤に伴う引っ越し費用、経費処理はどうする?

会社の命令で従業員が転勤する場合、その引っ越し費用を会社が負担するのは、事業をスムーズに進める上で当然必要な支出です。ですから、これらの費用はきちんと経費として計上することができます。

実務上、この費用を処理するときの勘定科目は、「福利厚生費」「旅費交通費」のどちらかを使うのが一般的です。どちらを選ぶかは、会社の経理ルールや転勤に関する社内規程によって変わってきます。

「福利厚生費」と「旅費交通費」、どちらで処理すべきか?

どちらの勘定科目を使わなければならないという厳密なルールはありません。ただ、実務では以下のような考え方で使い分けることが多いです。

  • 福利厚生費が適しているケース
    転勤の支度金や引っ越し手当のように、従業員の新しい生活をサポートする目的で一定額をまとめて支給する場合です。「従業員の生活を支える」という福利厚生の側面が強いためです。
  • 旅費交通費が適しているケース
    会社が引っ越し業者に直接代金を支払ったり、従業員が立て替えた実費を後から精算したりする場合です。これは業務命令に伴う移動経費(旅費)という性格がはっきりしています。

ここで一番大切なのは、一度決めたルールを継続して適用することです。処理方法を社内で統一しておくことが、一貫性のある会計処理につながります。

どこまでが「非課税」の経費として認められるか?

従業員の転勤費用を会社が負担するとき、税務上の注意点があります。それは、会社が支払った費用が「経費」になるのか、それとも従業員の「給与」とみなされてしまうのか、という問題です。

所得税法では、転勤や出張といった仕事に必要な移動にかかった費用のうち、「通常必要と認められる範囲」のものであれば、従業員の給与として課税しなくてよい、と定められています。
(参考: 国税庁「法第9条《非課税所得》関係」

つまり、引っ越し業者に支払う料金や新居までの交通費といった実費相当額は、非課税の経費(福利厚生費や旅費交通費)として処理して問題ありません。

しかし、会社が従業員の新しい家具や家電の購入費用まで負担した場合、これは職務に直接必要とは言えないため、「給与」として扱われ、従業員の所得税や住民税が増える原因となります。

後々のトラブルを避けるためにも、転勤規程などで「どこまでの費用を会社が負担するのか」を明確に定めておくことが非常に重要です。

もし規程の作り方や、個別のケース判断で迷うことがあれば、税理士や社会保険労務士といった専門家に相談するのが最善策です。P4 MARKETのようなプラットフォームを活用すれば、必要な時に的確なアドバイスをもらえます。

具体的なオフィス移転の仕訳ケーススタディ

ここからは、具体的なケースで仕訳の流れを追ってみましょう。ある会社がオフィスを移転した、というシナリオを想定して、発生する支払いをどのように処理していくか、一つずつ見ていきましょう。

今回の移転シナリオ

オフィス移転で、以下の費用が発生したと仮定します。

  • 旧オフィスの原状回復工事費: 300,000円
  • 引っ越し業者への運送・作業費: 500,000円
  • 新オフィスの仲介手数料: 250,000円(家賃1ヶ月分)
  • 新オフィスの礼金: 250,000円(20万円以上)
  • 新オフィスの敷金: 1,000,000円(将来返還される予定)
  • 新しいパーテーションの設置工事: 400,000円

これらの費用は、すべて会社の普通預金から支払われたとします。では、それぞれの仕訳はどうなるでしょうか?

費用項目ごとの具体的な仕訳例

引っ越しで発生する様々な費用について、具体的な金額を想定した仕訳例を一覧で紹介します。

オフィス移転に伴う費用別仕訳例

取引内容 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
旧オフィスの原状回復工事 修繕費 300,000円 普通預金 300,000円 〇〇ビル 原状回復工事費
引っ越し業者への支払い 支払手数料 500,000円 普通預金 500,000円 △△運送 オフィス移転作業費
新オフィスの仲介手数料 支払手数料 250,000円 普通預金 250,000円 □□不動産 仲介手数料
新オフィスの礼金 長期前払費用 250,000円 普通預金 250,000円 ◇◇ビル 礼金
新オフィスの敷金 差入保証金 1,000,000円 普通預金 1,000,000円 ◇◇ビル 敷金
パーテーション設置工事 建物附属設備 400,000円 普通預金 400,000円 新オフィス パーテーション設置

それぞれの仕訳のポイントを補足します。


1. 旧オフィスの原状回復工事費 300,000円

これは、借りていた物件を元の状態に戻すための費用です。資産の価値を高めるわけではないため、「修繕費」として経費処理します。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
修繕費 300,000円 普通預金 300,000円

2. 引っ越し業者への運送・作業費 500,000円

トラックでの運送や荷物の搬入・搬出といった作業への対価は、「支払手数料」を使うのが一般的です。会社によっては「雑費」で処理することもあります。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
支払手数料 500,000円 普通預金 500,000円

3. 新オフィスの仲介手数料 250,000円 と 礼金 250,000円

仲介手数料は返還されないため「支払手数料」として一括で経費にします。

一方で、礼金は金額がポイントです。20万円以上の場合は「繰延資産」となり、一度「長期前払費用」として資産に計上し、契約期間にわたって少しずつ経費化します。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
支払手数料 250,000円 普通預金 500,000円
長期前払費用 250,000円

4. 新オフィスの敷金 1,000,000円

敷金は、退去時に返還される予定のお金なので、経費にはなりません。資産科目である「差入保証金」として計上します。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
差入保証金 1,000,000円 普通預金 1,000,000円
【ここが重要!】
同じ「初期費用」でも、その中身は「経費(支払手数料)」、「将来経費になる資産(長期前払費用)」、「返ってくる資産(差入保証金)」と、性質が全く異なります。ここを正しく仕分けることが重要です。

5. 新しいパーテーションの設置工事 400,000円

新しいオフィスに間仕切りを設置する工事は、オフィスの機能を向上させ、価値を高める「資本的支出」と判断されます。そのため、「建物附属設備」という固定資産として計上し、減価償却を行います。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
建物附属設備 400,000円 普通預金 400,000円

このように、一つひとつの取引に分解して考えれば、複雑に見えるオフィス移転の会計処理もシンプルになります。それぞれの費用の「性質」を見極めることが、正確な仕訳への第一歩です。

会計処理で失敗しないための注意点と、専門家を頼るタイミング

引っ越し費用の会計処理は、資産計上か経費か、専門的な判断が求められる場面が少なくありません。特に、オフィス移転のように金額が大きくなると、一つの判断ミスが税務調査で指摘される原因にもなり得ます。

経理担当者のための「うっかりミス」防止チェックリスト

日々の業務で使えるチェックリストです。これらを意識するだけで、ミスをぐっと減らせるはずです。

  • □ 契約書や領収書は必ず保管していますか?
    支払いの「証拠」として最も重要な書類です。何にいくら支払ったのかがわかる請求書や見積書もセットで整理し、いつでも取り出せるようにしておきましょう。
  • □ 資産か経費か…迷ったらまず「20万円」のラインを確認していますか?
    支出額が20万円未満なら「修繕費」として経費処理が認められます。まずこの金額でふるいにかけ、20万円以上のものだけ「資産価値を高める支出か?」という視点でじっくり検討するとスムーズです。
  • □ 従業員の転勤費用は、社内規程と突き合わせていますか?
    「どこまでの費用を会社が負担するか」というルールは非常に大切です。規程と照らし合わせずに支払うと、従業員の給与とみなされ、源泉所得税の対象になるリスクがあります。
引っ越し費用の会計処理で最も大切なのは、「この支出は、一体どういう性格のお金なのか?」を正確に見抜くことです。書類という事実をもとに、会計のルールに沿って判断する。この基本姿勢こそが、税務リスクを避ける一番の近道になります。

判断に迷ったら、専門家に聞くのが一番の早道

もし自社だけでの判断に少しでも不安を感じたり、税務上のリスクを最小限に抑えたいのであれば、税理士のようなプロに相談するのが賢明です。特に、大規模なオフィス移転や、契約内容が複雑なケースでは、専門家の客観的なアドバイスが欠かせません。

専門家に相談すれば、適切な勘定科目を教えてくれるだけでなく、時には節税につながる処理方法を提案してくれることもあります。

P4 MARKETのようなサービスを使えば、信頼できる税理士に30分単位という手軽さでオンライン相談ができます。「引っ越し費用の勘定科目」のような少し複雑な判断に迷ったときは、専門家の力を借りてみてはいかがでしょうか。

引っ越し費用の勘定科目、よくある質問

ここでは、実務で特によく聞かれる疑問点をQ&A形式で掘り下げていきます。

Q1. 個人事業主が自宅兼事務所を引っ越した場合、費用は経費になる?

A1. はい、事業で使用している割合分を経費にできます。 この考え方を「家事按分(かじあんぶん)」と呼びます。

例えば、家全体の面積のうち、仕事で使っているスペースが30%だと明確に説明できるなら、引っ越し業者に支払った費用の30%を経費として計上できます。勘定科目は「支払手数料」や「雑費」が適切です。面積や使用時間といった、客観的で合理的な基準で按分することが重要です。

Q2. 引っ越しで出た不用品の処分費用、勘定科目はどうすればいい?

A2. 「雑損失」や「固定資産除却損」として処理するのが一般的です。

特に、まだ減価償却が終わっていない資産(帳簿に価値が残っているモノ)を廃棄する場合は、その帳簿価額を「固定資産除却損」として計上します。処分業者に支払った費用は、この除却損に含めるか、別に「雑費」として処理しても問題ありません。

Q3. 新しいオフィスで払った火災保険料、これは何の科目?

A3. 「損害保険料」という勘定科目で処理します。

ただし、契約期間が1年を超える長期契約の場合は注意が必要です。会計のルール上、支払った年に全額を費用にはできません。決算のタイミングで、翌年以降の分を「前払費用」という資産の勘定科目に振り替え、翌期に改めて費用に戻す処理が必要になります。


引っ越し費用の仕訳は、ご覧の通りケースバイケースで、状況によって最適な処理方法が変わります。

もし自社での判断に少しでも迷いや不安を感じたら、一番の近道は専門家に相談することです。税理士のようなプロに相談するのが最も確実で安心です。

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本記事は2025年12月12日時点の情報に基づいて作成されています。税制や法律は改正される可能性があるため、実際の判断にあたっては最新の情報を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。本記事の内容によって生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。